見出し画像

東條由布子氏『祖父東條英機「一切語るなかれ」』(増補改訂版)

随分前に購入した本です。樋口季一郎について記事にした際、東條英機も出てきたので、読み直しました。

1988年公開の映画『プライドー運命の瞬間』を見て、それに感化されて購入したはず。

東條英機役の故津川雅彦さんがあまりにも似ていて、ビックリしました。当時、かなり話題になりました。

ヒールに捉えられがちですが、言い訳もせず戦争の全ての責任を負うなんて、なかなかできることではありません。それをお孫さんである著者が、客観的に書かれています。簡単な言い方になりますが、本当に真面目に生きた人です。

感じたのは、誰が指揮を執っても。戦争は止められなかったのではということ。

東條の死後、残された家族は辛い思いをします。でも、私がその当時生きていたら、冷ややかな目を向けないでいられるだろうか?考えさせられました。

でも、抗議の手紙は送ることはしたくないです。戦後の物不足の時期に、そんな余裕あるんですね。私なら食料確保したいし。いつの世にも暇な人はいるものです。

細かいところで印象的だったのは、東條が刑務所内で下着の補修を自分で行うところ。針は持ち込めないから、鉄格子から入ってくる松葉を針の代わりにして!

簡単な縫物ができることは、戦地では必須条件。だったそうです。

家族としては、遺品としてそれを受け取ったとき、切ない気持ちになったそうです。

私は、簡単な縫物といえば、ボタン付けしかできないので、ただただ尊敬の眼差しでした。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?