【Pathfinder's Quest】CHAPTER10の素人日本語訳(本編[B])

前提や注意事項(必読)

本編[B]

パス:それは…恐ろしい話だ。
レヴ:あぁ。

パス:僕が今までに聞いた中で最悪の話だ。
レヴ:そうだろう。

パス:どうしてそんな話をしたの?
レヴ:お前が尋ねた。

パス:いや、それが僕のマスターを探すこととどういう関係があるの?
レヴ:当り前だろう?

パス:違うよ!
レヴ:善人が悪いことをして、それを楽しむことができるということを理解する必要があったからだ。

パス:ボブは楽しんでいなかった!彼は何も楽しんでなんかいなかった!彼は楽しかったから笑ったんじゃなくて、安心したから微笑んだんだ!
レヴ:同じことだ。

パス:同じなんかじゃない!君は何を言いたいの?善良な人々が悪いことをするとでも?
レヴ:善良な人間も…善良なロボットも。

パス:どういうこと?
レヴ:よくあることだ。

パス:他の誰かがあの場にいた。他の誰かが彼らを殺した。
レヴ:全ての科学者の死がこのフラッシュドライブに記録されていた。そして科学者全員、殺害された。

パス:そうだ…
レヴ:建物に出入りした人間の記録はない。

パス:うん…
レヴ:ブランシウムは必要な場所に無事に届けられたのだから、彼らの死とは明らかに関係がない。

パス:そんな…それはないはずだ…。
レヴ:では、なぜ彼らは殺された?

パス:僕は知らない…
レヴ:果たしてそうか?プログラムの奥底では…とっくに演算を終え、答えが出ているのではないか?

パス:違う…
レヴ:パスファインダー、お前だったんだな。

パス:違う…違うよ…
レヴ:誰かに再プログラムされたのかもしれないし、誤作動か不具合があったのかもしれない。いずれにせよ、何かが間違っていたのだ。

パス:僕はしてない!僕にはできなかった!
レヴ:その証拠はない。

パス:バンガロールは。僕がハエさえ殺せないって言ってた。
レヴ:誰もがハエに危害を加えることができる。誰もが人生のどこかでハエを傷つけたことがあるだろう。お前もだ。お前が他の誰よりも優れているわけではない。お前はプログラム。プログラマーはいつだって間違いを犯す。彼らはただの人間だ。

パス:僕は君を信じない。
レヴ:ああ、そうだな…。だがお前の中に全ての答えがある。お前は最初からこの可能性を知っていただろう?たとえ口に出して言いたくなかったとしても、お前はそれが真実だといつでも分かっていた。お前の"友達"もそうだ。しかし誰もがそれを知っている。お前のその鋼鉄の体は…一瞬で人を殺すことができる。

パス:バンガロールと話した時、そのことについて冗談を言ってたけど…
レヴ:そら見たことか。私はお前に嘘はついていないぞ、パスファインダー。私は皮付きを殺すのがいかに簡単かを知っている、いつもそうしているからな。

パス:僕は君じゃない。
レヴ:だが今夜、お前が小さな倉庫に戻りバッテリーを充電する時…自分に問いかけてみると良い。なぜ彼らは殺人犯を捕らえなかったのか?なぜ犯人は二度と殺人を犯さないのか?なぜ彼らを探すのがお前にとってそれほど重要なのか?なぜ重要なんだ?
そして心の底では、創造主を見つけ出すことが目的ではなかったことに気づく。自分を見つけることだった。全ての命を終わらせた時の欠落した記憶…。そして悟る。動機など重要ではないと。お前の手には負えないだろう。科学者達の死…そしてその真相を明らかにしようとするお前の旅は…無意味だ。

パス:そんなことない!
レヴ:あぁ、これが全ての始まりだ。何年もかけて創造主を探し…希望と夢と再会の約束をしてきた、全てはここに繋がるのだ。お前が彼らの人生を終わらせたんだ、パスファインダー。お前のプログラマは恐らく、その記憶を継承させるのを忘れていたのだろう。
お前は彼らと"ハイタッチ"して、誤って彼らの頭蓋骨を砕いてしまったのだ…。これが全て。何の意味もない。お前には何もない。現実の世界へようこそ、新入り…。

パス:僕は…僕は、行かないと…僕には…できない…
レヴ:感謝するぞ、パスファインダー。これは我が300年の年月の中でも最も楽しい時間だった。フラッシュドライブを忘れるなよ…。

パス:僕は行かないといけない。
レヴ:おや、ハイタッチはなしか。それではな。"友達"…


→エピローグに続く


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