友達が死んだこと。

友達が死んだ。
五年くらい、ガンで闘病していた。

ガンの闘病は、そんなにインスタ映えも、何もするものでなかった。友達は、三姉妹の末っ子だった。

私には兄と妹がいて、三兄妹の真ん中っ子だった。だから分かる。一番小さくて可愛くて、みんなに可愛がられたことが。そんなあの子は、私の妹と同い年だった。

彼女のお父さんやお母さんや、お姉さんたちが、どれほど彼女を可愛がってたか。無邪気な末っ子。可愛くて、みんなに愛される、明るい子。

苦しい、痛い、怖い、最期だった。

安らかに、死を受け入れて、楽しかったと、幸せだったと、彼女が言えたのは、本当に最期の数時間で、
私はそれに間に合わず、さよならも言えなかった。

ハワイは残酷だ。
火葬場のキャパシティが間に合わず、彼女の遺体は1ヶ月も霊安所に置かれている。そこはきっと大型の冷蔵庫で、body bagに入れられたたくさんの遺体が、火葬や土葬へ進む日を待っている。

いまはもう、痛みも、恐怖も何もないと信じているけれど、せめても霊安所のひとが、彼女の体を丁寧に扱っていて欲しいと、それだけをいのる。



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