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【※ネタバレ注意】マダミス狂気山脈GM体験記【前編】

※注意

 この記事はマーダーミステリーゲーム『狂気山脈 陰謀の分水嶺』シリーズ三部作の内容を扱っています。それが何かを知らない方も含めまだ内容を知らない方は今すぐ閲覧を止めてください。

バックストーリー

 自分がどれくらいこの作品に触れているかをまず表明したいと思います。そもそも私がマダミスやTRPGといった文化に親しむようになったきっかけは、YouTubeで面白いボードゲームが無いか物色している時にこの作品を遊んでいるでび様(にじさんじ所属VTuber、でびでびでびる)の視点配信を見かけたことです。それから理解を深めていくにつれVTuberのTRPG配信の沼へハマり、そしてTRPG配信を漁っているうちにまだら牛さんのチャンネルに回帰して「まだら牛さんの作品おもしれ~」となったため、今やマダミス狂気山脈を含めまだら牛さんの配信をほとんど見たという状態になっています。動画視聴にハマってしまった弊害としてプレイヤーとしての体験ができていないものの、新約シリーズなどについてGMを存分に楽しんでいます。(中でも新約コトリバコは自分と相性が良く得意)

 マダミス狂気山脈については過去に陰謀の分水嶺のGMを2回務めたことがありますが、都合によりそれらの参加者を星ふる天辺へ誘うことはできていませんでした。しかし今回、何とか三部作全てを通過してもらう予定を立てることができ、星ふる天辺と薄明三角点の初GMを務めることになりました。この文章を書いている時点で、星ふる天辺までは終了し、薄明三角点を近日に迎えることになっています。

※以下からネタバレが存分に含まれます


事件当日のあなた『陰謀の分水嶺』

 マダミス狂気山脈は、その根幹のギミック故に事前に公開されている範囲でキャラクターの個性が弱く、他のマダミスのようにキャラクターハンドアウト選択の判断材料に乏しい。そう感じているため、GMの判断で担当ハンドアウトと誰に実行犯を務めてもらうかを決定することにした。正直直感だ。詳しく言えばdiscordのアイコンを見て役職の判断がつきやすいように決めた。イメージで「赤っぽいから登山家かな」「青っぽいから医者かな」「なんか教授っぽいな」などなど。マダミスを知っているということの確認が取れている人は何となく調査員にした。調査員は”マダミスらしい”と感じるキャラクターだからだ。後から気づいたが、教授担当にした人はTRPG狂気山脈(邪神の山嶺)を知っていたようだ。適任だった。

 陰謀の分水嶺を事故無く終えて、GMの反省点を考えていた。1つは、これはゲーム上仕方のないことだが、登山家の電撃によってエンディングが一瞬で終了して他のプレイヤーが行動選択を楽しむ余地が無かったこと。登山家を黒幕に選んだ理由は、過去2回行った自分がGMを務める陰謀の分水嶺でも教授が黒幕であったからというものが大きい。加えて怪しく無かったからだ。後半戦の間に登山家は薄明石を諦める選択をしたようで、最後まで全く怪しい動きを見せず潜伏していたために誰も警戒できなかった。だが、星ふる天辺の黒幕のスキルは完全な制圧力を持つものでは無いし今度は上手くやれるだろうと結論を出した。他にも、自分の声質について思うところはあったが、これも仕方無いことだと思い込むことにした。

 余談だが、調査員がヘッドランプの説明の脱字に気付いていた。自分が数多くの配信を見る中で気付いたものに軽々と目星を成功させるとはまさに”調査員”に相応しいと思う。この判断の結果については薄明三角点を終えた後、後編の記事で述べようと思う。とはいえ調査員以外でも、「全員が実行犯・黒幕になり得る」ということに解説の早い段階で気付いていたことから、鋭い視点を持っていると感じた。

事件当日のあなた『星ふる天辺』

 ゲームの構造を大体知った上でキャラクターハンドアウトを選択できるという特徴はこの作品故のものだが、残念なことにこの選択について強い想いを持つものは少なかった。調査員は続けてやりたいという希望があった。邪神を招来した者は教授になってもらった。推理に励んでいた者は医者になってもらった。元々の医者は反転して犯人探しをしない記者になってもらった。

 星ふる天辺の最初の見せ場。イベントカードの公開で空模様が一変する演出は楽しんでもらえたようで嬉しく思う。そして迎えたエンディング。「推定標高よりも僅かに高い」ということに気付いていた者はいたのだろうか。ゲーム中にそのような発言は聞いていなかったが、「教授ならば知っていたかもしれない」。星ふる天辺のエンディングを経験した皆には是非TRPG狂気山脈の「カエラズノケン」を体験してもらいたいとも思った(この記述自体が微量のネタバレを含むことは申し訳ない)。さて、最初に動くのは……黒幕の医者だ。そして何ということだ。他全員が洗脳されてしまった。陰謀の分水嶺の再来だ。医者が慈悲を見せたことでそれよりかは面白くなったが。医者を黒幕に選んだ主な理由は、もう一方の候補である記者が黒幕となった場合エンディングの盛り上がりが保証できないと思ったからだ。医者ならば洗脳できるかどうかの戦いの後に誰の脳を選ぶかの盛り上がりがあるため好都合だった。完全に陰謀の分水嶺の結果を意識しての選択だ。

 ここまで強くエンディングの盛り上がりを望むのはそれこそがこの作品の良さだと思うからだ。この作品は犯人可変型の配信向けシナリオである都合上、他作品に匹敵する程強い物語性は用意されたストーリーに存在しない。またエンディングで選択肢が提示されるものは他作品にもある。「自由な物語を創り出せる」ことこそがこの作品の特異性、コアコンピタンスというものだと思っている。果たしてその良さをプレイヤー達に伝えられたのか。少し自信が無い。

 ゲーム終了後、得点計算をする。思ったよりも全員得点が高かった。調査員と医者は満点だ。記者がUMAの正体について追い切れていなかったのは他の重要情報が輝く星ふる天辺においては仕方が無いとも感じた。教授が問題に正答できないのもあの難しさを考えると妥当だろう。そういえば陰謀の分水嶺でも教授の問題は正答がでなかった。薄明三角点ではどうなるか、そもそも問題が存在するかはお楽しみに。ちなみに、星ふる天辺で配られる精神異常について最も好みであるのが教授の興味散漫だ。単にゲーム的に強い効果が付随するからという理由の他、恐怖や焦りではなく喜びと好奇心が起こす強い動機が愛らしいからという理由がある。次点で医者の精神異常も好みであるので、医者が黒幕となったことを少し残念に感じる。このシナリオを程よく忘れた頃にもう一度遊んでもらえないだろうか。星ふる天辺ならば真相を知っていても十分な面白さがあるはずだ。

ミッション

 以上、かなり後悔の多い振り返りとなってしまった。だがまだ完結していない。三部作中の2作目まで遊んだのみでは作品全体としてまだまだ中盤だ。そして、これまで楽しんでもらえたことと薄明三角点を楽しんでもらえることは間違いないと確信できる。故に私の現在のミッションは―――。

 ネタバレになるのでここでは控えておく。

初期取得カード

 追記。今回プレイの様子はGM視点と調査員視点が録画として残る。これからも見返せる。嬉しい。楽し過ぎて早速GM視点にチャプターを設定してしまった。

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