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2023年5月16日 JR東日本E235系1000番台(F-27編成、F-28編成)グリーン車 J-TREC横浜事業所出場

・2023年度始動のトップバッターは横須賀・総武快速グリーン車

5月16日未明、E235系1000番台グリーン車がJ-TREC横浜事業所を出場しました。
同系28本目のグリーン車となり、従来車E217系の置き換えが進むものと思われます。

新年度最初ということで、新型牽引車の置き換えが噂された今回の出場。
答えは、DD5515と7200系に従来コンビで出場した。
横須賀・総武快速線グリーン車も半分を超え28本目となる。
甲種輸送は都合により不参加である故、今回は深夜のみ。
この姿が見納めになる日も遠くはないかも。

今回出場したグリーン車はF-27編成は6月、F-28編成は7月に新津事業所で製造された普通車と連結し、所属先へ輸送されるものと思われます。

・前回出場時より所属表記が省略される

前回出場時と同様に、今回の出場では所属表記が省略されました。

画面左部分。
従来は小さく記載してある定員表記の上に所属表記が貼られているが、組織改編の影響で前回出場時同様に省略されている。

これは、JR東日本が2022年に首都圏各支社(東京、大宮、横浜、八王子、千葉、高崎、水戸、長野)を統合し首都圏本部と改編する組織改正が行われたものによります。

車両センター関連は一部の支社が先だって首都圏本部に編入されましたが、2023年から残りの支社が首都圏本部に編入される為に所属表記の変更が行われるものと思われます。

恐らく、近い時期に従来の「横クラ」から新たに「都クラ」へ表記が変わるものと思います。


・年度を跨いだ牽引車両達

前回更新記事において、牽引車の世代交代をレポートしました。

今年3月頃より突如として現れた新型バッテリー牽引車。
工場内で試運転が行われ、日に日に嗅ぎつけたファンを中心に注目されていた言わば謎の車両が先日(5/11)使用開始される事が公式から発表されました。

https://www.j-trec.co.jp/news/120/010/20230511.pdf

恐らく、東急ファンを中心に注目度が高い7200系を含めた全ての牽引車が前年度末で引退かと思われた今回の出場、結論として通常通りのコンビで出場しました。

今回、通常通りのコンビで出場した理由として以下のものが挙げられます。

  • 京急逗子線内の試運転が未実施

  • 新しい機構を導入している為に時間が掛かっている

まず初めに、京急線の試運転が未実施ということから。
現有の牽引車を含め、陸送以外の入出場はJ-TREC横浜事業所〜池子(神武寺)間を走ることになります。
そのうちの金沢八景〜神武寺間は京急逗子線の上り線を走ります。

ここでネックとなるのが京急逗子線。
京急逗子線は金沢八景、六浦駅のホームを通過、前回記事でも掲載した通り六浦〜神武寺間の急勾配がクリア出来るかが鍵となります。
その他にも、深夜の入出場区間では踏切が3箇所存在する為、通過時にきちんと動作するかの確認をしなければなりません。
※踏切場面では車両通過中に遮断機が上がったりする事もある様で…

完全新車及び新しい機器を採用した最初の車両の場合、終電後の深夜に試運転を行い駅のホームと車体が擦っていないか、踏切が一連の動作をするか確認しながら走ります。

隣を走る京急線の所属車両でも、機器類が変われば集電後の深夜になる。
画像は2021年3月5日に出場した新1000形1890番台。
この車両も新たな制御機器が導入された為、第一編成は深夜の出場となった。

J-TREC横浜事業所の横を走る京急線でも例外ではなく、新しい機器を採用した車両はほぼ必ず終電後の深夜に出場し、久里浜工場信号所までの区間にある全ての踏切に一旦停止し、係員が踏切へ向かい車両通過まで交通整理をする模様です。
※2021年3月の京急新1000形1890番台が最近の事例となります。

2023年5月16日現在において、新型バッテリー牽引車が金沢八景〜池子間を走ったという形跡がなく、この試運転をクリア出来ない限り工場の外へ出る事は不可能と考えられます。

2つ目として考えられるのは、従来とは全く異なる機器を採用している為に調整に時間が掛かっていることです。
従来の牽引車は電車及びディーゼル機関車となっています。
しかし、今回の新型牽引機関車はリチウムイオンバッテリーを使用した車両という全く異なる車両を採用しています。
この為に、調整に時間が掛かり今回の出場まで間に合わず、従来通りのディーゼル機関車と電車のコンビで出場したものであると考えられます。

しかし、新型牽引車機関車の導入が公式から発表された今日、今後従来のディーゼル機関車と電車のコンビが見られるのも限られた回数になるものと思われます。

数多の新型車両の後方支援を努めている7200系。
この後方支援が見られるのもそう多くはない。


・Y_TREport 2023年に出場しそうな車両を設備投資計画から読み解く

この項では毎年恒例の今年度出場車両予想ですが、今回は昨年と異なり、この辺りが出場するではないのかなという新型車両を各鉄道事業所車の設備投資計画から読み解こうという企画です。

・設備投資計画とは?

事業者が1年間でどの設備を幾ら投資するかを決めるもの。
多くの鉄道事業者は当年4月〜翌年3月までを1年間とする為、前年度決算時期と重なる5月に今年度に大規模に投資予定である様々な計画が発表される。
主に投資家(株主)が今後株式投資計画を吟味する資料となるが、鉄道事業所は車両の新造や更新等が掲載される為、車両の置き換え計画も読み解くことが出来る有用な手段である。

・各社の設備投資計画から読み解く2023年度J-TREC横浜事業所入出場予想

ここでは、各社の設備投資計画を読み解きながら2023年度に入出場予想をしてみましょう。

・JR東日本

まずは、親会社であるJR東日本。
JR東日本の2023年の設備投資計画で注目される車両新造計画は、中央快速線(E233系0番台)グリーン車とE8系新幹線。

昨年度より登場した中央快速線E233系グリーン車、昨年度は2編成のみの出場となったことは当noteでもご紹介しております。
昨年から年跨ぎで作りかけで動きが全く無い同系グリーンが鎮座している状態から今年度は数編成脱却出来るのか注目されます。
今年度出場するのはほぼ確実かと思われますが、果たして何編成出場するのでしょうか。

この他にも昨年度予想して見事に外れてしまったE8系新幹線。
第一編成は兵庫県にある川崎車両で製造されました。

今後も川崎車両がメインで製造されるかと思いますが、横浜で製造する可能性もゼロではないと信じたい所です。

・東急電鉄

続いて「元」親会社である東急電鉄。

前年度は相鉄・東急直通線開業による目黒線輸送強化を目的とした増備中間車を中心に、東横線導入予定であるQシート車両と中間車が多く製造されました。

新線も無事開業を迎え、今年度は落ち着くと思いきや、設備投資計画にて多くの東急ファンと共に注目したのは、大井町線車両の車両更新です。

9000系は2013年まで一部を除き東横線で活躍し、9020系は2019年まで2000系として田園都市線で活躍した車両です。

画像上:9000系
画像下:9020系(元2000系)
どちらも同じ顔であるが、製造コンセプトが若干異なるために床上、床下機器に差異がある。

共に1980年後半から1990年前半にかけて製造された車両であり、製造から30年以上経っても機器更新等も実施されていない原型をほぼ保っている車両です。

恐らく、老朽化による更新時期を迎えているかつ、東横線、新横浜線に続くワンマン運転を視野に入れて車両更新を行うものと思われます。

この為、今年度は大井町線の新型車両が出場するのではないかと予想しています。
現在、大井町線を走る最新型車両は6020系ですが、この車両は急行列車専用車両であり、各駅停車用の9000系及び9020系とは大きく異なります。
6020系をベースとした車両になるか、完全新型車両になるか不明ですが、今年度注目車両の一つとして考えて良いかと思います。

・京急電鉄

今度はお隣を走る京急電鉄。
昨年度は新造された車両はありませんでしたが、今年度の設備投資計画では新車導入が予定されています。
内訳は8両編成と6両編成各1本ずつ。

2023年初頭から川崎車両で目撃情報がある為に、どちらかが川崎車両製造となる模様です。
しかし、線路幅の関係で川崎車両から直接京急線の線路に入ることは不可能である故に、一旦横浜に入場し京急線で走る台車に換装後出場という流れになると思われます。

他社製造になりますが、一旦横浜へ入出場するということで今回取り上げています。

1号線直通協定の関係で、都営浅草線に直通する京急所属車両は必然的に1000形となりますが、前前年度の1890番台で付番がインフレ気味である為に、新形式及び600形以来の例外的な別形式になるのか、1000番台の空いている番号を無理矢理付番するのか注目されます。

今年度置き換え対象となるであろう1500形の4両編成。
昨年度は110km/h対応の鋼製車が全廃となったが、今年度は120km/h対応のアルミ車にも廃車対象に入る模様。
出場前試運転時の1500形4両編成(1525編成)。
1521編成がここ数年久里浜での検査を行っていない為、このまま行くと4両編成1500形最後の出場前試運転となる。
なお、今年度から6両編成の1500形も少しずつ置き換え対象となる模様。

・京王電鉄

ここで京王とは意外かと思われますが、現在京王ライナーで運転されている5000系は横浜で製造されています。

昨年度はリクライニング機能付き京王5000系が1編成出場しましたが、2023年度設備投資計画においても、昨年度同様5000系1編成が製造される予定です。

中身も昨年度同様にリクライニング機能付き車両となる模様であり、線路幅が京急線及びJR線と異なる為、陸送での出場になると思われます。


・まとめ

今回は5月16日現在で発表されている各鉄道事業者の設備投資計画の中から過去にJ-TREC横浜事業所で製造されている鉄道事業者をピックアップし2023年度における設備投資計画を読み解いて行きました、この他にも静岡鉄道A3000系、阿武隈急行AB900系等地方向けに車両の出場も予想されます。

この結果は、来年の3月頃に答え合わせが出来ればと思いますが、今年は牽引車を中心に色々と変化する年になりそうです。

4月より今年度の活動はスタートしておりますが、変化がありましたらTwitter及び当noteで随時報告する予定です。
今年度も当Twitter及びnoteのご愛顧賜り申し上げます。

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