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生まれてから失明するまでの記憶を、忘れないよう記録として書き留めました。
記憶に基づいた記述のため不正確な箇所や不鮮明な箇所があるかも知れませんが、一人の人間の生きた痕跡として、…
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#卒業
卒業(僕が失明するまでの記憶 15)
1990年3月17日、卒業式の行われた日は恐ろしいほどに空の青さが深く、雲一つない快晴だった。6年間の総決算である式典が恙無く終わり、クラスごとに教室に集められた後、担任が最後の話をしているとき、涙ぐむクラスメイトもいたが、僕には特段の感慨はなかった。何かにつけ子供扱いされる小学生という肩書から開放されることがただ嬉しかった。
別れの挨拶が終わると、名残惜しそうに教室に残るクラスメイトには目