生まれてから失明するまでの記憶を、忘れないよう記録として書き留めました。
記憶に基づいた記述のため不正確な箇所や不鮮明な箇所があるかも知れませんが、一人の人間の生きた痕跡として、…
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幼い日の風景(僕が失明するまでの記憶 )2
幼い頃、就寝時に灯される天井のオレンジ色の豆電球を見るのが無性に怖かった。生まれて間もない赤ん坊に記憶などないはずなのに、ベビーベッドに仰向けに寝かされたときの心もとなさが、暗闇に浮かぶ亡霊のような明かりとともに蘇るような気がした。でも、それは確かな記憶というよりは漠然としたイメージだ。はっきりとした輪郭を持った記憶を辿ると、3歳か4歳頃の自宅周辺の風景が心に浮かぶ。
生まれ育ったのは大阪府