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はじめての患者中心の医療〜コンテキストを理解しよう〜

HAMTライブラリーをご覧いただき、ありがとうございます。「プライマリ・ケア」を担当しています、てつこと長岡哲輝と申します。

 前回は、「患者中心の医療」における「疾患、病い、健康観」についてお話しました。

今回は、「患者中心の医療」のネクストステップ、「コンテキスト」についてのお話。

患者さんの病気をより「立体的」に「深く」そして「本質的」に理解するには欠かせません。個人的に大好きなセクションです。一緒に学んでいきましょう。

コンテキスト(コンテクスト)とは?

 さて、「コンテキスト」あるいは「コンテクスト」(英:context)とはどういった意味でしょうか?

一般的に文脈(ぶんみゃく)と訳されることが多い。
文脈により「脈絡」、「状況」、「前後関係」、「背景」などとも訳される

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

大きな視点でとらえる考え方として生物心理社会モデル(bio-psycho-social model)があります。

これはEngelが提唱した概念で、生物医学的な理解と同時に、2者関係、家族、コミュニティといった側面も理解していこうというものです。

「神経では?臓器では?」とよりミクロな階層で考えていく一方で、「家族内では?地域では?」とマクロな階層で考えていくことができます。
それぞれの階層が互いに影響しています。

https://www.yodosha.co.jp/webg/contents/gtips/vol6.htmlより改変

遠位コンテキストは、地球の生態系、国、地域などを指します。
一方、近位コンテキストは家族、仕事、人生、趣味などを指します。

この両者が影響を及ぼしながら、わたしたち「個人」が形成されています。

病気を抱えている人はこのような複雑なシステムのなかにいることを理解しておきましょう。

この図を見ただけではイメージしづらいので、
実際の症例をもとに、理解を深めていきましょう。

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