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早い時間に、目が覚めた。 空をみてみると、朝焼けがはじまった頃だった。 毎日 太陽が昇り、 沈んでいるのに。 人生で何回 空の変化を こんな風に ゆっくりと ながめるのだろう? 夕焼けをみながら友が言ったことを、こんな時はいつも思い出す。 また一回、みることができたよ、と思う。 朝焼けをみた日、夕焼けもみる。
ちいさな虹をみつけた。 高いところにある窓が きらきら光を反射していた。 床をすうっと照らして ちいさな虹をつくっていた。 ゆらゆらみえたら とけるかのように 消えてしまった、 ちいさな虹。 それから ちいさな虹を探している。 けれども みつけることができない。 5月まっすぐな光の日に 窓辺に水を、置いてみた。 ゆらゆらと あわあわと、色かさなる。
2020年の4月は、自分の日常の中、自分の住んでいる、ごくごく近くを、見つめるような時間だった。 そこにしか居られなくなったことによって見つめてみると、ささやかだけれど、これまでは気がつくことができなかった発見がある。 空が広がる 雲が流れる 風が吹いた 影が揺れる 鳥の鳴いて 空気をすう。 もし、どれか一つでも欠けてしまったら、どんなに淋しいものだろう。 そして、今私が居る場所と違う場所、そこに居てくれている大切な人、もの。 どちらも尊い。 そんなことも考えた4月。