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ああ、これでいいのだ…と、思ったのでした

Oct 10, 2005(楽天blogより)

ああ、これでいいのだ・・・と、思ったのでした

鬼怒川温泉に行ってきました。

年一回、舞台芸術学院 (舞芸)の親睦会の一泊旅行で、
今年で六回目になります。
舞芸の教師たちはすこぶる個性的で、現役の表現者が揃っており、
日舞あり、話法あり、体操あり・・・で、そこに事務局も混じっての
楽しい連中です。

一つ一つそれぞれの表現手段は違っていても、
表現についての基本は一つと言う認識があり、
舞芸という場から言えば、
目指すは 表現者を育てる という点でも一つです。

おかしいのは、他に話すことはあるだろうに
「旅行に来てまで何とかならないの」と顔を見合わせるのは
いつも決まって必ず舞芸の生徒の話になることです。

”自分たちが大切にしていることを生徒に伝えられているのか?”

”今、生徒は何を考えているのか?”

”それにしても、具体的に一人一人の生徒がどんな問題を抱えているのか?”

そして最後には決まって、

”イヤ自分たちに何か足りないところはないのか・・・?”

と、実に熱心な教師たちです。


しかし、温泉旅行でなんと言っても楽しいのは、
露天風呂でからだをを伸ばしている時です。
湯元まで分け入って、老舗の旅館までやってくると、
森林の鬱蒼とする山と川に囲まれて、
自分のからだも温泉に溶けてしまうような感覚になります。

脳みそも「私のからだは生きた水袋」のなかに溶けてしまい、
自然の一部となるのが感覚されます。
ああ、これでいいのだ… と、思ったのでした。

この実感は、
体操でいい動きと出会えたときの実感とほとんど同じです。

「命の洗濯ね…」

と傍らの親子づれが深い息と共に言いました。


「体操とは からだの中身の 洗濯である」
            野口 三千三


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