データの海を漂う小瓶

電波が届きづらいコンピュータを弄んでは
今日も孤独、今日も孤独と、心はつぶやく。

誰とでもつながれるからこそ
理由がないとつながれない。

会いに行ってもいいですか。
話をしてもいいですか。
顔を知ってるあの人も、顔も知らないこの人も。

こうやって、祈るように世界へ発信する投稿は

データの海に、ぼちゃんと落ちた。

回収するのも難しいほど
流れ、流れたその投稿は
まるで手紙入りの小瓶なのです

小瓶はいつか無人島で寂しさに押しつぶされてる誰かの元へ、たどり着くのだろうか。

実際に、私の元にはたくさん届く。
誰が流したのかわかる小瓶も、わからない小瓶も

私の島にはいくつもの小瓶が流れ着いて、

どの小瓶の手紙を見ていいかわからない

私は寂しいくせに、なんだか疲れて

小瓶はあまりにたくさんありすぎて

もう拾うのも嫌になってしまう

耳を塞いでうずくまり、誰か見つけてと泣いている、
それは私か、それとも誰か。

今日も小瓶は流れてる。



2020年、コロナ禍で出発した大学生活の最中に書いたものです。