ブルーオーシャンは見えたのか?
名古屋青年会議所が国際ビジネスを推進する例会を開催
2021 年 4 月 20 日、名古屋市公会堂で名古屋青年会議所が主催する「国際ビジネスを推進する例会」が開催された。
国際ビジネスの必要性は感じつつも、様々な障壁から踏み出すことができずにいる参加者に、挑戦する気概について訴え、現状に一石を投じることとなった今回の例会。
本記事では
1.国際ビジネスを推進する例会当日の様子
2.主催者インタビュー
こちらの2点についてまとめていく。
18 時 15 分、例会開始 15 分前に会場に到着した私たち取材班は、撮影もそこそこに席へと移動。席への移動中に目についた検温装置やアルコール消毒、1 席ずつ間隔の空いた座席、座席番号と必要事項を回答するアンケートの QR コードなどから主催者の徹底した感染症対策が伺えた。
そして 18 時 30 分、名古屋青年会議所第 71 代理事長寺田氏の挨拶と興奮を掻き立てられる素晴らしい映像が OP を飾り、いよいよ例会が始まる。
基調講演を務めたのは、世界的建築家の安藤忠雄氏。安藤氏は 1941 年に大阪で生まれ、高 校を卒業すると建築について独学で学び、1969 年には安藤忠雄建築研究所を設立。世界を股にかけて活躍し、様々な賞を受賞している。現在は建築家としての活動の傍ら、東京大学の名誉教 授も務めている。
冒頭、まずスクリーンに映し出されたのは「青いリンゴ」。自身の経歴を紹介しながら、「自由」、「勇気」、「好奇心」といったキーワードと共に青いリンゴのように生涯現役で生きたいと語った。
続いて、世界でしてきた仕事について紹介する安藤氏。その中で、「難しいことに挑戦したら必ず 先があるのだが現在の日本は難しいことができない」、「若者に元気が無い」と日本の現状を憂いていた。
数多くの仕事の中で安藤氏が何を思い、考え、実行に移していたのか、軽快なトークで例会参加 者を飽きさせることなく講演は進行していった。
終盤には「社会を動かすために、子ども達が本を読み前を向くようになるために、自分のお金で図書館をつくりたい」と大阪の子ども図書館のお話をされました。
そして最後に、子どもたちが元気で長生きするために、皆さんは何ができるのかと問うと、「この国をもう一度立て直すためにも50歳以下の人が立ち上がらなければいけない。皆さんに対する期待の大きさを自分の中にしっかりと留めておいてほしい。」と締めくくった。講演予定時間を超過する熱いトークに会場の拍手は熱を帯びていた。
続く第 2 部では、第 1 部にて講演された安藤忠雄氏と名古屋で実際に国際ビジネスに挑戦している経営者、株式会社グローバルシルクロードのシニアアドバイザーである社本洋典氏と株式会社JAVIS JAPAN の代表取締役である、内藤宗拓氏を招いてのパネルディスカッションが行われた。
国内だけでなく海外で仕事をする魅力について聞かれると、「世界を放浪した経験から地球は 1 つだ。だから地球で仕事がしたいと思うようになった。外国と仕事をしないと面白くない。日本は技 術のレベルは高いがあまり変わったことができない。」と回答した安藤氏。
日本を人間に例え 1960 年代は 20 代、元気なことができたがそこから年を取ってしまった。だが、日本と世界どちらにも良い部分があるのでどちらでも仕事をしたい、講演でも話したが 95 歳未完と生涯現役でいたいと語る姿からは安藤氏の想いがひしひしと伝わってきた。
そして安藤氏の今後の展望を聞かれると、依頼されて仕事はするけれどもそれに加えて社会を豊かにするパブリックな仕事をしたい、子どもたちが元気な姿を見たいと語った。
第 3 部では、第 2 部にも登壇されていた社本氏と内藤氏の経営者としての経験談についてのパネルディスカッションが行われた。こちらのディスカッションでは国際ビジネスだけでなく ICT についても触れ、ベトナムと現地中継を繋ぐ場面もみられた。国際ビジネスに挑戦するきっかけや利点、国際ビジネスに挑戦する上での課題など実際に経営者としての経験談から説得力のあるディ スカッションが行われた。
また、事前に名古屋市民に対して行われた意識調査から国際ビジネスに挑戦するために感じる障 壁についてのお話で、社本さんがおっしゃられた「障壁を感じる部分、これはおそらく同業他社す べてが直面する壁である。であれば裏を返すとその壁を乗り越えることは同業他社に対する優位 性を得ることと同義である。」という言葉はそういう考え方はしたことがなかったがなるほど、と筆者 自身とても勉強になった。
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