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知らない町

電車に乗って適当なところで降りてみた。というのは嘘で、あまりに人が降りていくので流れに逆らえず降りてしまった。どうせ時間はある、ぶらり散歩してみた。ふらふらしてもなんだか落ち着かず、気がついたら遠くから見えていたイオンモールに吸い込まれていった。

吸い込まれていったのはいいが、いつのまにかウォッシャブルスーツ(上下)を買っていた。裾直しがあるのでまた取りに行かなくてはいけない。

イオンのまわりにはさまざまな人がいる。女子高生が体操着でキャッキャ言いながら化粧品を見ていたり、ヤンキーのカップルが、本来子供が座るようの動物を模したベンチに座っていたり、サラリーマンがスマホに夢中で盛大にコケていたりした。

生活圏内にイオンスーパーがないのでレジゴーというとても便利なサービスがあるのを初めて知った。セルフレジはあまり好かないし有人レジも苦手な自分としてはちょうどいい折衷案で近くにイオンがあったら絶対に使っていると思う。

本屋ではエッセイを数冊立ち読みした。手にとった本のどれもがおもしろかった。それと同時に自分が書いている文章の間抜けさに気づく。僕はただ起きたことを書き連ねているだけだ。しかし本屋に商品として並んでいるエッセイ本は、一つの出来事をさらに細分化した一つの行動に焦点を当てた濃いエスプレッソのような文章。話は紆余曲折しているようで一本道に進んでいく。あくまで目的地に進むまでの(旅行先で見つけた商店街みたいな)寄り道でちゃんと文章の終わりには到着する。書かねばと思ったし読まねばとも思った。

気づけば夕方、みんな輝いていた。なんてことない日なのか、充実した日なのか。ねばねば(ではでは)

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