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ファミリーメモ 2

今回の大学病院は急性期病院のため、病床にも比較的重症の患者さんが入院している。

脳神経外科の6人部屋で、左右に入院している方々は相当重度の病で入院されているのだろう

まったく動くことが出来ないのか、じっとこちらを見つめているだけ。
なるべく目を合わせないように通り過ぎる。

重い空気

4日後の手術当日、前の手術が遅れていて、予定よりもかなり遅くなるとの説明を2時間くらい待った後に言われた。

午前中から病院で待機し、手術に向かったのは午後16時を回っていた。

術後、意識も比較的すぐに戻り、右手右足は麻痺が残り術後のMRIでも脳が腫れているようだった。

脳って腫れるんだ。と改めて思った。

手術は成功し、膿自体は確実に取り去り膿のはいてっいた袋は自然にしぼんでそのうちなくなるだろうとのこと。

そして、手術3日後くらいからリハビリが開始された。
リハビリといっても、麻痺がある状態で寝ている状態から起き上がる。などの日常的な動作から始めて、徐々に立ち座り、歩くなど動作が増えていくらしい。
脳梗塞とかだと20日以内とか入院も期間が決められているという話を聞いた記憶がある。
義母は、脳膿瘍だったのである程度リハビリが進めばリハビリ病院に転院することになるらしい。

お見舞いするたびに、病棟の看護師さん達が、忙しそうに動き回っているのを見て、医師もそうだけど、看護師も志あってのお仕事だなと思うと共に、医療従事者というのは、ほんとうに尊い仕事だなと感心してその姿をいつもながめていた。

私には到底無理そう

ある日、休憩スペースにいると恐らく整形外科からリハビリスタッフと少し病院内を散歩してここにきたのか、車イスの男性が目に涙を浮かべて、時に涙を流しながら外をじっと眺めている。頭も足も、手も包帯だらけだった。事故か何かだろうか。
片側の足が・・・見当たらなかった。

胸が締め付けられて、その場を立ち去った。

一緒にいたリハビリスタッフはどんな言葉をかけてあげるのだろうか。

こうして、医療従事者は病気を治すだけでなくてたくさんの人々(患者)の辛さや悲しみも受け止める場面があるのだと感じたので。

早く良くなり少しでも今までと何ら変わらない時間を過ごせるようになりますように。
心から祈るぐらいのことしか思いつかない。

義母は、リハビリをものすごく頑張り、医師や看護師も驚くほどの快復を見せていた。

(つづく)

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