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久しぶりに乗った飛行機が火を噴いた回(2020.12.4 JAL904搭乗記)

こんばんは。生きています。
皆さんは飛行機で事故って死んでしまう確率ってご存じですか?
米国家運輸安全委員会(NTSB)の調査によれば、航空機事故で死亡する確率は0.0009%らしいです。グラブルのピックアップじゃないSSR引くよりもだいぶ低いです。
でも実は他の交通手段よりも格段に低く「(実は)最も安全な乗り物」と言われているらしいです。
今回は遭いたくも無い貴重な経験を忘れないためにもこの時に思っていたことでも書いておこうと思った次第です。

※写真は全て自分で撮影したものです。許可無く転載、転用を禁止します。他の人も同じような写真を撮って報道機関とかに出しているのでそんなことする人はいないと思います。
※内容に関しても許可無く転載、転用等を禁止します。人が死んでいなければこんなニュース1・2日で報道されなくなるのが今の日本なので多分心配しなくても良いと思います。

2020.12.4 午前7時30分
起床。今日の仕事は有給。でもいつも起きる時間に毛が生えた位の時間に起きてしまう。出発は午前11時30分なので余裕がありまくる。どうやらグラブルに新コンテンツが追加されたみたいだからやろうかって感じでダラダラとグラブルをやる。

2020.12.4 午前10時00分
そろそろ時間だなってことで家を出る。ほぼ1年ぶりの東京なのでかなりウキウキで家を出発。

2020.12.4 午前10時30分
モノレールにて那覇空港着。空港が近いのとても助かる。鬼滅の最終巻が発売されているらしいけど沖縄ではまだ売られていないらしいし、鬼滅の広告が載った新聞も沖縄では売っていなかった。コロナ前は趣味が乗り鉄ならぬ乗り飛行機だったのでJALのサクララウンジで久しぶりのタダビールをいただく。

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2020.12.4 午前11時20分
JAL904便に搭乗。ラウンジでゆっくりしていたので優先搭乗を逃す。今回は空席があったので足場の広い前方窓側のクラスJに設定。運がいい。これがあの写真を撮ることのできる絶好のポジションであることを僕はまだ知らない。

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2020.12.4 午前11時30分
ほぼ定刻で離陸。約1年ぶりの飛行機で色々大変だなぁってことを思いつつ、このときに「万が一事故でも起きたら……」とかよくないことをうっすらと考えていた。これは脚色でもなくマジな話で、飛行機に乗る何回かに1回はこういうことを考えてしまう癖がある。

2020.12.4 午前11時51分頃

ラウンジビールのおかげもあってうとうとと寝ようとしているところにいきなり「ドーーーーーーーーン!!!!」という爆音と上下に揺れるような振動が襲う。今までに経験したことのない音と振動、気流か?いやそうじゃない。と思いつつ右を見たら酸素マスクが出現していた(写真の時間午前11時51分)。初めて見た。改めて見ると意外と絡まって出てくるんだなぁ……と思った。この間も飛行機はずっと上下にガダガダ揺れ続けている。

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2020.12.4 午前11時52分頃
窓の外を見るとエンジンの外壁が剥がれているのが視認できた。ここで初めて「とんでもないこと」が起きているということに気づく。場所は名護手前の洋上くらいだったと思う。

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2020.12.4 午前11時55分頃
隣のおじさんに「何が起きてるんですか?」って言われて窓の外を見せる。とても驚いていた。僕自身、飛行機には少し詳しいので「確実に那覇に折り返す」「片発でも飛べるので安心です」と説明した。どうして起きたのです?って言われても僕がわかるはずないだろ。

2020.12.4 午後0時00分頃

まだ機内放送での説明はなかったと思う。いきなり後ろから、男性2人が前に歩いてくる。「お、クレーマーか?」って思ったら首にはJALのストラップが掛かっており業務外で搭乗している社員さんだった。このあたりで左側のエンジントラブルという放送が流れる。そして、僕の席が前が広いこともあり、社員さんが覗きに来る。ここで「社員さんですか?」って質問をして答え合わせができたってワケ。しかもパイロットだった。その業務外パイロットさんに僕が「エンジンカットしているんですか?」って聞いたら「はい」と答えてくれた。普通の乗客はエンジンカットって言葉は使わない。そのパイロットさんも「安心してください」と言っていた。客に騒ぐ人が1人もいないのも意外だった。

2020.12.4 午後0時??分頃

普段はフライト情報とか地図とかよくわからない旅番組が流れるモニターの到着時刻が「12:20」に変わっていた。この便の羽田定時は13:40だったと思うのでここで那覇に引き返すんだなってことがわかって隣のおじさんにも説明をした。放送はそれから数分後に流れた。ここでネットの記事にもありましたが「我々はこういう時のために日々訓練をしています。どうか落ち着いて席にお座りください。」という機長から落ち着いた声でアナウンスが流れた。当然と言えば当然なのだが「こういう時」に冷静沈着に対応できるのがやはりベテラン機長なのだろう。

2020.12.4 午後0時24分

那覇空港第2滑走路へ無事に着陸した。着陸前はいつもよりもキツくシートベルトを締めていたが、着陸の衝撃は普段通りよりかむしろ優しい着陸だった。このパイロットさんやっぱ凄いってここで改めて思った。その後は滑走路途中で停車し、そこから空港の消防車がやってきた。火災の有無の確認を行うためらしい。

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2020.12.4 午後0時??分
火災が無いことが確認されたのでトーイングカー(牽引車)でターミナルまで運ばれるというアナウンスが流れる。僕はその頃、無事に着陸できたこともあって、この代わりの便はどうなるのかな?という心配をしていた。

2020.12.4 午後1時20分

写真のタイムスタンプがこの時間だったので。このとき「なーにが空の旅をゆったりとじゃい!」と自分の心の中でセルフツッコミを入れていた。

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2020.12.4 午後1時26分
トーイングカーによる牽引により駐機が完了した。今まで停まったことのない北側のスポットに駐機。まぁこんな故障機は普通の駐機場に置いても邪魔なだけだしなー。と思ったり。外にはタラップ車が待機しているがなかなかこっちに向かってこなかった。

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2020.12.4 午後1時40分頃
ようやくタラップ車と機体が接続し、機体から出ることができた。バスで移動するらしい。ファーストクラスとクラスJから先に降りることができた。やっぱり1000円多く払ってこの待遇なら全然アリだよなぁって思った。当然外では乗客による撮影会状態でこの飛行機に起きていた「とんでもないこと」をみんな目の当たりにした。素人が説明するのも何なので写真を見てください。とりあえず外壁破損以外にもファンブレードが折れていたりしている。

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2020.12.4 午後1時45分頃
那覇空港の1階のバス乗り場へ到着。どうやらすぐ離陸するJAL910便へ振り替えてくれるらしい。しかもクラスJのままで。この手際の良さはLCCじゃ無理だよなぁと思い、今後も高くてもレガシーキャリアを使うことを決めた。

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2020.12.4 午後1時55分頃
振り替えの影響もあり、出発が30分遅れるとのアナウンスあり。乗客からは聞こえるほどのため息が一斉に漏れ出す。そうだよね。実際ならもう羽田に着いている時間だもんね。予定があるんだもんね。

2020.12.4 午後2時10分頃

JAL910搭乗開始。事故のことは置いておいて、実は初めてのエアバスA350で乗り飛行機が趣味な人としては少し嬉しかった。座席モニターといいすごい良い作りだなーって思った。ちなみにJAL904はボーイング777−200だった。

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2020.12.4 午後4時50分頃
JAL910が無事に羽田空港へ到着。904の離陸から考えると5時間20分の旅だった。無事について本当によかったとこの瞬間は思った。外に出ると報道陣が待ち構えていた。搭乗もしないのに制限エリアに入れるんだな。保安検査受ければ大丈夫なのか。そりゃそうか。僕はそんなのに関わりたくないし、予定が押し押しなので無視して移動。

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以上があの日の一連の流れだった。
ちなみに僕はこの日、宇都宮で行われるUNISON SQUARE GARDENのライブに行く予定だったが、間に合わずに断念した。そのための旅行だったのに何しに羽田に来たかマジでわからない感じになった。2020年はUSG始めもできなければ納めることもできなかった。

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さらに余談だが、910降りた後に904の乗客は空席待ちカウンターに案内され連絡先等を控えられるとともに1つの封筒を渡された。中身はお詫びの文書と(察してください)が入っていた。ライブはプライスレスだし、悔しさが収まるわけもなく、その日の夜はホテルの周りで飲んだだけだった。まぁ生きていればまたライブは見られる。今回はダメだったけどまた次回。生きていることにありがとう。

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まとめ
報道記事を見ると「死を覚悟した」とか「死ぬかと思った」という思いを持っている乗客が多かった(そういう言葉の方が記事になるっていうのもあるけど)が、僕はそんなことも無く自分自身が思う以上に冷静だった。隣のおじさんにしっかり説明できるくらいに。別にイキっているわけでもなく、この飛行機が片発でも飛行できることは知っていたし、JALの(日本の)パイロットと整備士と飛行機の質を信用していたし、何とかしてくれるだろう、という気持ちでいた。でも実際後日の報道で火を噴いたとか主翼にも損傷があったっていうのを聞くとちょっと怖いなとは思った。飛行機は地上の整備士・スタッフやCA、パイロットがかけ算になって飛ぶものでそこがしっかりと繋がっているからこそこのような緊急事態にも冷静に確実に対処できるのだと感じた。
JALの安全への信頼度が10下がって11上がったのが今回のまとめでした。

僕はこれからも飛行機に乗ります。