虐待死事件について思うこと。

※これは2018年6月に、目黒区の虐待死事件のニュースを知ってFacebookに投稿したものの再掲です。

思いついたことをつらつら述べてるだけなので、脈絡のない文章であることをご了承ください。


まず、5歳児がこれだけの文章を書けることにびっくりした。このくらいの子だったら、ひらがなを覚え始める子やまだ書けない子がいるくらいなのに。小学校で習うから5歳でマスターする必要ないのに。
5歳でちゃんとした文章を書けるってことは、相当厳しく練習させられていたんだろうな…
「あそぶなんてあほなことしません」
って、遊ぶのが仕事って言われるような年齢なのに…大学生や社会人でさえ、たまに遊ぶことは許されているのに。
そして、あまりに残酷な現実、結愛ちゃんの悲痛な叫びが聞こえるようなノートの文章、ネットニュースで見たとき涙が出そうになりました。もっともっと知りたくて、大学の図書館で複数の新聞を読みましたが、ネットニュースで見たときより詳しく書かれていて、あのノートの全文を見たとき、思わず涙が溢れていました。
今回の事件は世間から広く注目されました。短絡的に考えて批判する人が多くいたことが残念です。(ここで友達になっている人に言っているのではなく、あくまで世間への意見です)ただ、子どものためのNPO団体が出している見解は、やはりすごく参考になるものでした。
最近は「イクメン」という言葉が流行ったように、子育てを協力しながらやっていく風潮も出てきましたが、日本ではまだまだ「子育ては母親がするものだ」という考えが根強く残っています。
それが母にプレッシャーを与え、子育てへの負担の重さとそのプレッシャーがストレスになるのです。そのストレスが過剰に積み重なると、つい子どもに手を上げてしまう親も出てきます。
私だって妹に手を上げたことはないものの、イライラしてるときにわがまま言われたらつい怒鳴ってしまったり、冷たい反応をしてしまったことがあります。
そして、今回知ったことですが、世間が親を批判する意見を目にして、「虐待はいけないと分かっているけど自分をコントロールできない」と悩んでいる親が児童相談所に連絡するのをやめてしまうそうです。(詳しくは、私が以前シェアした「KAKEKOMI」さんのノートに書かれています)
子どもを産んだこともない、違う分野の学部に所属する大学生が育児について語っても信憑性はないかもしれません。しかし、少なくとも今までいくつか関連する本を読み、「SOS子どもの村福岡」さんのイベントやセミナーに参加して色々なことを知りましたし、10歳年下の妹の世話もしてきたなかで気付いたこともあります。
私は、結愛ちゃんの以前の「ママは優しいけどパパは怖い」という発言といい、虐待に積極的に関わってなかったことといい(ネグレクトはしていたけれど)
なんとなく、母親は本当は子どもを守りたかったけど勇気が出なくて守れなかった気がしています。
「自分の立場が悪くなるのが怖かった」
周囲の目を気にしてしまいがちの日本人ならではの発想だと思う。困窮しているのに周りの目が気になって生活保護を受けるのをためらう人がいる。
「自己保身より子どもが大事でしょ」「自分を犠牲にしてまで子どもを守るのが親でしょ」
確かにそうだけど、世間に批判されるのは怖い。誰だって自分が大事。自分より子どもを優先できる親もいるけど、そうでもない親も多いはず。
私だって、妹のことが大好きだから、食べたいお菓子を我慢して妹に譲るとか、妹のために時間を割いて面倒を見るのは平気だし、妹が風邪引くぐらいなら自分が風邪引いた方がいいって思う。だけど、命を捧げてまで妹を守れるかって言われたら、そう言い切れる自信がない。
もしかしたら、母親は夫に逆らったら見捨てられるかもしれない、自分がDVを受けるかもしれない、という恐怖に怯えていたのではないかと思った。
「それならそういう人と結婚しなければいい」
結婚する前は優しくて、結婚してから本性を出したのかもしれない。
父親も、いきなりパパになって不安だったかもしれない。子育てのやり方が分からないかもしれない。最初は優しかったけど懐かなくて不安になって暴力に走る人もいるから。
継父がすべて悪い訳ではない。
再婚して幸せになっている人も多くいる。再婚相手との子どもが産まれても、実子と平等に扱ってくれる継父もいる。ステレオタイプで物事を判断して、批判しないでほしい。
ただこの両親が最低な人達だったかもしれないし、追い込まれていたかもしれない。真相は分からないけど、「虐待」は決して許されることじゃない。
親を責めるだけじゃ何も変わらない。
児童相談所や警察の対応にも問題があった。
2度も一時保護されたのに解放されたとか、香川の児童相談所から品川の児童相談所へ引き継ぎが上手くいかなかったからとか。警察と連携できていなかったとか、品川の児童相談所の職員が家庭訪問した際に子どもに会わせてもらず諦めたとか。
児童福祉司は1人で100ケース以上抱えているという。そういう状況なら、重大なケースを見落としてしまうのも無理はない。児童相談所の人員不足も大きな問題である。
そもそも育児不安を抱えてもすぐに相談できる場を提供する必要がある。だから、私は困難を抱える子どもたちを、親を含めて支援していきたい。
児童虐待は、親1人の問題じゃなくて、社会問題だと思っています。この社会を、変える必要がある。
今は報道されたばかりで関心があると思うけど、しばらくするとこのニュースは忘れられ、世間から注目されなくなるだろう。しかし、それだとまた同じような事件が起きてしまう。このニュースのことをどこか頭の片隅に置いていただけると助かります。おそらく、私にとってはターニングポイントになりました。元々児童福祉に興味があって、虐待の問題をどうにかできないかな、と思っていましたが、今回、「絶対に私は児童虐待の問題に対処するために行動したい」と思いました。今この瞬間にも苦しんでいる子どもたちがいる。迷っている時間はありません。

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