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「私たちは買われた」⇔「私たちは買わされた」

本記事では、売春防止法における「売春」だけでなく、援助交際、パパ活、風俗等も広義の売春として扱う。
また、売り手:女性、買い手:男性の場合について述べる。

「私たちは買われた」

「私たちは買われた」。

自主的に売春しておきながらこのようなことを言って被害を訴える人を見ると、自分としては当然「あなたたちは売った」と思ってしまう‬。
「彼女たちは買われた」などと言って被害者扱いする者についても同様。

これは売ったこと自体を責めているのではない。
自らの意思で売ったにもかかわらず、買った側を一方的に悪者とするような態度に違和感があるということ。

見返りを期待して賄賂を渡した側が、受け取った側を指差して「強盗にお金を奪われた」と主張しているように見えるのだ。しかも見返りを得た後で。

性を売り物にして散々利益を享受した後、搾取されていたと主張して更なる利益を得ようとする、いわゆる「〇〇〇二毛作」か?

女性が売春しなければ男性は買春できない。
男性が買春を持ちかけるにしても、成立するのは女性が応じる(=売春する)からこそ。
女性側の合意がないならそれは強制性交等罪などとなり、また別の問題となる。「買われた」などと言っている場合ではない……というかそれは「買われ」ていない。

貧困だろうが何だろうが、脅迫や洗脳などをされておらず自主的に売春した者は、買春した者と同様、いわば共犯者。なぜそこで一方的に被害者意識を持つのか。
互いのニーズが噛み合ってそれぞれが欲しいものを得て、Win-Winの関係ではないか。

被害を訴えるとしたら、合意した金額を払ってくれなかった、ゴム有のはずが無理やり生でされた、その後付きまとわれた……といったことになるだろうか。

自らの意思で売った以上、「買われた」ことは被害ではない。これはもう本当に当たり前のこと。
「被害に遭った」ではなく「後悔している」とかなら分かるが。

生活に困っていたから、もっとお金が欲しかったから、誰かに承認されたかったから、ムシャクシャしたから……。
こういったことの解決策として、あらゆる選択肢の中から自らの意思で売春を選び、それに応じた結果(=「買われた」)が生じただけ。理不尽なことは何も起きていない。

もし理不尽があるとしたら、売春を決意するに至るまでの過程にあったのかもしれない。
しかしそれは買った側には関係のない話。「卑劣な男たちから性被害を受けました」みたいな態度はさすがに虫がよすぎる(買った側が糸を引いて女性を追い込んでいたのならともかく)。

それに、行き場のない女性による売春の場合、責めるとしたらむしろ「買春男以外」ではないか?

他の人は何もしてくれなかったのに、買春男だけは必要なものをくれた。
動機はどうあれ、その日その女性に居場所や食事やお金を提供したのは、行政でも支援団体でもなく買春男である。

Win-Winの関係なので過度に恩に着る必要はないと思うが、何も仇なさなくても……。
「困窮した人間は、全く助けてくれなかった人よりも少しだけしか助けてくれなかった人を恨む」みたいな話だろうか?


「私たちは買わされた」

この手の話でよく出てくる「権力勾配」にしたって、どちらに傾いているか分かったものではない。

買う側の男性は、お金に物を言わせて女性をいいように従わせているのかもしれないし、女性の誰にも相手にしてもらえないからなけなしのお金を差し出して懇願することしかできないのかもしれない。

男性が優位な側に違いないというのはいわゆる「アンコンシャス・バイアス」であり、男性の金銭的資本と女性の性的資本、どちらが優位にあるかは意外と難しい。少なくとも性別だけで画一的に決まるものではない。

大体、女性側が「私たちは買われた」などと言うなら男性側だって「私たちは買わされた」かもしれないだろう。

性欲がどうしても抑えられず、1人では解消できない、かといってパートナーもいない、このままでは性犯罪してしまう、あるいは気が狂って死んでしまう……そんな男性がいるかもしれない。
「体を売らざるを得なくなった」女性のように、「女性を買わざるを得なくなった」男性だっているかもしれない。

お互い主体的に行動して合意があっても「弱みにつけ込まれて男性から性的搾取された」と女性が被害を主張するのは、男性が「性欲につけ込まれて女性から金銭を搾取された」と主張するようなものだ。

上記について、自分は男女どちらの言い分も通らないと考える。どちらも条件に合意して、納得して、自らの意思で行動し、利益を享受しているのだから。

もし女性側の言い分を通すのなら、男性側の言い分も通さざるを得ないはず。両方通すというのもおかしいと思うが、片方だけ通すのはさらにおかしい。


最後に

売買春において、女性は「売って」いるし、男性は「買って」いる。
双方の合意に基づいている限り、そこには被害者も加害者も存在しない。

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