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需給派「株は需給」←!?

ファンダ派、テクニカル派などのように、株式投資・トレードにおいて何に重きを置くか、何によって株価が動くかについては諸派ある。
そして中には「株は需給」ということで「需給派」なるものがあるらしい。

しかしながら、そもそも上場企業の株価というのは需要と供給によって決まるものである。「株は需給」という言説には何ひとつ付加価値がない。

「株は需給」などと言って需給派を名乗るのは、「野球は相手より点数を多く取った方が勝つ」などと言って「点差派」を名乗るようなものだ。
「需給こそ株の真髄なり」が通るのなら、100m走の真髄はタイムだし、大学入試の真髄は点数だし、競馬の真髄は着順だ。
別に間違ってはいないが、解像度が低過ぎる。

「株は需給」なのは当たり前。問題は「株の需給が何によってどう動くか、何による影響が最も大きいのか」である。

財務指標を見るにこの銘柄は割安だから今後買いが強まり株価は上がる(=需要が増える、供給が減る)はず、チャートのここがこうだから今後株価は下がる(=供給が増える、需要が減る)はず……これらは需給の話である。

ファンダにしてもテクニカルにしても、突き詰めれば需給の話をしているのだ。ある意味みんな「需給派」と言えるかもしれない。


マクロ的な経済の状況、買越や売越、貸借倍率、機関投資家や大株主の動向、ロックアップ、ストックオプションなどを見て「需給が〜」と言うのは、言わんとしていることは分かるし、重要な要素のひとつであるとも思う(それにしたって「株は需給」はどうかと思うが)。

一方で、話題になっている銘柄をトレードして「大口が集めてる」やら「供給が絞られてる」やら「全員参加型」やら「売りたい人が売り切った」やら「需給のバランスが崩れた」やら、碌に根拠も示さずその場その場で語るだけの「需給派」も見かける。

後者のような煽り屋かイナゴの2択みたいな人々は、需給派というよりも「マインド派」、「雰囲気派」、「印象派」などの方がしっくり来る。
(個人的には、雰囲気というか大衆心理というか、そういったものが株価に与える影響は決してバカにできないという認識ではある)

(画像引用元:「バカが考えた株の漫画」)


繰り返しになるが、「株は需給」なのは当たり前で、問題は「株の需給が何によってどう動くか、何による影響が最も大きいのか」である。
需給派はその点を……自分が本当は何派なのか解像度を上げて考えてみるとよいのではないか。

「印象派」も、初めは酷評されても次第に受け入れられ、やがては高く評価されるかもしれない。それこそ本来の意味における印象派のように。


(余談)
見出し画像はnote株式会社(証券コード:5243)の日足チャート(投稿日時点)を印象派の絵画風に変換したもの。

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