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インデックス投資×IPOチャレンジポイント投資

インデックス投資において、多くの人は現金(安全資産)と株式等(リスク資産)の比率や金額を決めており、ある程度の額を現金で保有していると思われる。「現金比率50%」、「半年分の生活費は確保しておく」などがそれだ。

許容度に応じてリスクに備えるのは必要である一方で、せっかくお金があるのに寝かせておくのはもったいないと感じる人もいるのではないか。

個人的には、そんな人にはSBI証券のIPOチャレンジポイント投資が選択肢の1つとしてあるかと思っている。これなら「現金」として確保したまま有効活用できる。
※自分はSBI証券の回し者ではない。


IPOとは……みたいなことを詳しくは書かないが、「基本的に儲かるが、一般の人が買うためには抽選等に申し込んで当選する必要がある株」といったところか。

SBI証券のIPOチャレンジポイントシステムは、IPOの抽選に申し込んで外れるとポイントが貯まり、貯まったポイントを使用すると当選しやすくなる、というものだ。

SBI証券では、IPOの購入枠を一般投資家に配分するにあたって「抽選で配る枠」と「使用ポイントが多い者に配る枠」とで分かれている。
外れたら使用したポイントは返ってくるので、抽選に外れ続けていると(システムが変わったりSBI証券が潰れたりしない限り)いつかはポイント枠で当選することができる。

なお、「いつか」については、狙うIPOの人気度(必要ポイント)にもよるが、現状だと5年くらいはかかるのではないか。
え、そんなに!?という感じだが、リスクが極めて低いやり方なので仕方ない。それが嫌ならもっとリスクを取るべし。


さて、そんなIPOチャレンジポイント投資だが、必要な金額としてはできれば20〜30万円、50万円あればほぼ万全か。

というのも、IPOは基本的に100株(1枚)単位で申し込むことになるところ、たいていのIPO銘柄は1株3000円以内、高くても5000円以内くらいに設定されることが多いのである。
SBI証券でIPOを申し込むには実際に当選した場合に株を買うお金がないといけないので、5000円×100=50万円あればほぼ万全となる。

※SBI証券では申し込む株数が多ければ多いほど当選確率が上がるので、証券口座には50万円だけと言わずお金があればあるほどよい。


実際にやることとしては、ポイントが貯まるまではとりあえず「週1・2回SBI証券の取引ページをチェックし、申込可能な全てのIPOで1枚ずつ申し込む(ポイントは使用しない)」でよい。目論見書の精査などは全く不要(これはポイントが貯まってからも同じ)。

当選したら初値予想サイト等を複数確認し、上がりそうな銘柄なら購入手続、下がりそうな銘柄なら辞退の手続をする。
当選しても辞退が可能(手数料等不要)なので、最終的に買うかどうかは当選してから考えてもいい。

(下がるかどうかは完全には分からないが、サイトを複数確認することで大体掴むことができる。
ただ、ポイントを使わず1枚しか申し込んでいないのに当選するような銘柄は下がることが多い印象。不人気だから1枚注文でも当選したのでは、と疑ってかかるべきだろう。)

購入した場合は、上場日以降で最初に取引が成立する日の寄り付きで売るだけ。現金が拘束されるのは当選時最大2週間程度、落選時は現金の拘束一切なし。当選時以外はいつでも出金可能だ。そうそう当選するものではなく、ほとんどずっと出金可能と思ってよい

※本当は、予め初値予想サイト等を複数確認した上で、初値上昇の見込みが強ければできるだけ多く、見込みが弱ければ1枚だけ申し込んだ方がよいが、見返りの割に手間がかかりすぎる。
加えて、他の証券会社にも口座を作ってそこからも申し込むとなおよい(SBI証券と違って申込時に現金余力が不要な証券会社もある)が、これも面倒すぎる。


IPOチャレンジポイントは数百ポイントくらい貯まるまでは使わない方がよい(人気のIPOなら尚更)。
ポイント枠ではなく抽選枠で当選した場合も、ポイントを使用していればポイントを失う。中途半端にポイントを使うのは無駄でしかない。

いざポイントを使う段階になったら、申込前に各銘柄の初値予想や主幹事をチェックし、納得できる銘柄で枚数もポイントも限度いっぱいまで申し込むのを繰り返す。2枚以上の当選を狙う観点から、主幹事はSBI証券だと特によい。

ポイントを使用して、あるいは超運良く人気のIPOに当選すると、儲けは2桁万円が当たり前。50万円以上になることも。
当選に何ポイント使用していくら儲かるか、つまり1ポイントの価値は基本的に数百円程度、よければ1000円前後。

SBI証券から申し込むことができるIPOは、ここ数年は年間90社程度。全て外れても実質的に「ポイント数×数百円」分、将来の利益が積み上がっているようなものだ。年間で数万円分に相当する。


ただ、IPOチャレンジポイント投資はインデックス投資と比べて手間がかかるし、長期的なリターンがインデックス投資より上かというと怪しい。

そのため、インデックス投資全振りなら別にそれでよく、わざわざIPOのために現金余力を確保する必要はない。元々現金で持つ予定だった場合・金額のみIPOに振り分けるくらいがちょうどいいのではないかと思う。

今の自分はリスク許容度が高く、余力をほぼ全てインデックス投資にぶち込んでいるので、IPOチャレンジポイント投資はもうやっていない。現金は財布以外だと引き落とし等に必要な最低限の額を銀行口座に残しているだけ。

noteのIPOでポイントを使って(絶対にポイント枠だとは言い切れないが)当選し、そこからインデックス投資全振りとした。

※noteのように株価が低めのIPOは値上がり率が高くても実際の利益は少ないので、本来はポイントで狙うような銘柄ではない(SBI証券が主幹事でもなかったし)。
ただ、当時インデックス投資全振りに移行したかったこと、せっかくなので貯まっていたポイントを使っておきたかったこと、奇しくも後々各種記事投稿を考えていたnoteが上場するタイミングだったことなどから、このように立ち回った。


数十万円の元手から数十万円の利益を狙えて、初値が下がりそうな銘柄は概ね事前に分かる上に、当選しても辞退が可能。IPOチャレンジポイント投資は「超低リスク、ミドルリターン」といったところか。
インデックス投資のお供として、面倒でなければやってみる価値はあると思う。

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