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株式投資、どうやって学んでいく?

「はじめに」のセクションCにおいて、「相場は、誰にでも平等な美しき残酷な世界」だ、と述べました。これから日本株は上昇の時代を迎えるのですが、かと言って手放しで儲けられるほどこの世界は甘くありません。

特にこれから投資家デビューしようと考えている人には、老婆心ながらぜひお伝えしておきたいことが幾つかあります。

A:完璧な理論武装を目指すのはやめよう

さぁ投資を始めよう!と意気込んで証券口座を開設してみたものの、まずはどんな銘柄をどう選んでいいのかさえわからないと思います。だったら「まずはしっかり本で勉強してから投資を始めよう」と、理論武装を最優先に考える人がとても多いです。むしろ、大半の人がそうだと思います。

しかし残念ながら、そんな人たちは既に落とし穴にはまっている可能性が高い。理論だけ先に体得しようしても、相場に対する経験や下地が何もない初心者の方々には、理論の背景にある細かいニュアンスが伝わらないのです。はっきり言って効率が悪く、せいぜい相場の1~2割程度のことしか理解出来ないと思います。理論武装をいくら頑張っても、実践においてはむしろ「理論がこちらを裏切ってくることすら多い」のです。初心者の方々が想像している以上に、投資の世界はイレギュラーの連続です。例えば、

○教科書的な理論を学んでも、大口投資家(ファンド)はそれを逆手に取って個人投資家を騙してくる(特にチャート)。

○10年の間に相場の景色は4回変化する(相場サイクル論)ので、一つのやり方では対応出来なくなる。なのに、相場サイクルを教えてくれるテキストや理論は非常に少ない(10年以上相場で生き残れる人が限られているから、相場サイクルに関する技術や知識は伝承されにくい)。

○実際に資金を投入して株を保有すると、精神状態や気持ちに予想以上の影響が出る。「買値から2%下がったら損切りする等、ルールを決めましょう」なんて簡単に解説している人も多いですが、これは想像以上に難しい。

つまり投資の世界では、絶対に「理論」だけでは太刀打ち出来ません。「理論」だけを徹底的に学ぼうとしても、イレギュラー要素を潰すだけでも時間が膨大にかかってしまいます。結局、証券口座だけ開いたまま、理論武装で早々に挫折した、というパターンの人も非常に多いです。

それでも、もし根性のある人が理論武装を徹底追及出来たら、果ては経済学者や経済評論家の様にだってなれるかもしれません。しかし投資家を目指すなら、これも努力の方向性としては正しいとは言えません

また、正直言って「実践」ではあまり役に立たない「理論」も世の中にはたくさん存在します。学者を目指すなら必要な知識も、投資家を目指すには不要な場合もあります。特にあなたが選んだ投資スタイルによっては全く役に立たないどころか、足を引っ張るような理論さえ提唱されています。「実践」で投資の世界を体感しておかないと、何が大切な「理論」で何がどうでもよい「理論」なのかという分別もつきません。

B:理論と実践を同時並行で学んでいく

理論が不要だと言っているのではなく、「理論」と「実践」を平行して学んでいく必要がある、と述べています。せっかく理論をインプットしても、実践で随時アウトプットしていかないと、生きた経験値が生まれません。理論、実践、経験・・・これが投資に必要な三要素です。

相場は待ってくれませんから、初心者の人たちはなるべく余計な時間をかけずに、理論と実践を同時に学んでいく方が効率的で正しい勉強方法だといえます。今までに「まずは本でも読んで勉強してから投資を始めようと思うんだよね」という人で、ちゃんと投資家になった人を見たことがありません。勉強漬けになるのではなく、まずは100株、数万円程度の株を投入し、実際に値動きを肌で感じ、自分の精神状態がどう変化するのかを「実践」で体感する必要があります。自分はどれくらいの含み損であれば精神的に負担にならないのか、焦ったりしないのか、まずは体感しましょう。そして少しずつ、覚えたばかりの小手先の理論を「実践」の中で自分のものにしていくのです。実際に株を買ってみると初めて気づくことがたくさんあります。

今から徹底的に理論武装しようと思っていた初心者の方々は、少し考え直してみてください。本を買うなら、中古の本を1冊か2冊買って、基本的な用語やルールを知る程度でOKです。

C:まず最初に知ってほしい理論は相場サイクル論

しかし、季節の移り変わりのように相場は随時変化していきます。日本の四季は1年間で4つの季節に変わっていきますが、相場の季節は10年間で4つの季節に変わっていきます。これを相場サイクル論といいます。私の投資理論の根底にはいつもこの相場サイクル論が存在していますので、まずは内容をよく理解して頂きたいと思います。

10年を4つの季節が巡ると考えると、1つの季節は2年~長くて2年半程度です。もしも運よく、あなたがどこかで学んだ理論がたまたま今の季節にマッチしていれば、幸か不幸かその期間は稼げてしまいます。

しかしそこからもう2年もすれば、相場の様相は一気に変化します。運良く勝てていた人もここで壁にぶつかります。「今まではその理論で利益が出ていたのに、今度は全く利益が得られなくなった」。こんなことは本当によくあるのです。季節が変われば、我々投資家にもスタイルの変化を求められます

このような変化は一朝一夕で学ぶことは出来ません。時間が必要です。だから本当は最低でも10年は相場を経験しないと、相場の楽しさも苦労も恐怖も一通り体験出来ません。たった数年稼いだ程度では、中堅レベルの投資家すら名乗れないのです。まずは長生きしないと、相場の本当の姿を見ることも許されない世界です。

投資熱が上がっている昨今は、YOUTUBEで相場解説する人も登場しました。たくさんの若手投資家が稼ぐ投資方法をレクチャーし、多くの初心者がそれに群がっています。中には腕の良い若手もいるでしょうが、彼らが10年の季節変動を理解しているかどうかは疑問だし、どれくらい長生きできる能力があるかは別の話です。

D:私が皆さんにお伝えする内容と手順

まずは騙されたと思って、相場サイクルのイメージをしっかり覚えてみてください。この考え方を最初に学んでおくと、他の理論や応用を学んだ時の学習効果は桁違いに良くなるはずです。

次に、投資スタイルの考え方に関するコラムを読んでみてください。相場サイクルに合わせて、いろんなスタイルを試す必要性や、投資が上手くなるには相当時間が必要であることもわかると思います。そうすると、第三段階として、自然とファンダメンタルズの重要性に目が向くと思います。

つまり、「相場サイクル論に関するコラム」⇒「投資スタイルに関するコラム」⇒「ファンダメンタルズに関するコラム」の順に読んでもらえれば、投資家としての成長イメージが描けると思います。

投資家の成長とは、知識を増やすだけでなく、知識同士のリンクを増やしていくことです。リンクさせて初めて投資の世界がわかるようになるし、自分のスタイルが本当の意味で確立していきます。「理論」と「実践」を何年も続けていくと「経験」が積み重なっていきます。「経験」は、体得してきた「理論」を強化し、「実践」を更に効率的にさせてくれます。そして、投資家としての「勘」をも鍛えてくれるのです。投資家の成長とは、理論、実践、経験の繰り返しです。


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