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【コラム】業績相場では200日線と株価位置を徹底分析して効率化を狙う

ツイッターでもお知らせしてきた通り、日本株の相場は本格的な業績相場を迎えました。去る7月1日には業績相場における戦略も含め、銘柄選びの考え方を解説しましたね。ここまで来れば、あとは「タイミングの問題」なのです。どんな銘柄が先に上昇を開始するのか、その判断はどこをどう観察すればわかる様になるのか…これは多くの人にとって大きな関心事でしょう。

今回は、この「タイミング」を観察する方法を記事にしました。具体的には「200日線と株価の位置関係を観察する」という方法になります。

200日線についてはツイッターでも少し解説してきましたが、今回の記事はそれをもう少し深堀りした内容になっています。後半は自分の観測データも使っているので有料になります(途中までは無料で読めます)。

当然、銘柄選びが大切であることは金融相場の時と同様です。しかし、これから迎える業績相場はそれだけでは少し足りません。タイミング=200日線と株価位置の観察力を鍛えることで、業績相場の投資成績は間違いなく向上します

A:金融相場の時よりも「タイミング」が重要になる理由

金融相場は、前回サイクルの逆業績相場で疲弊しきった市場に太陽が登るがごとくスタートします。殆どの企業が弱っているからみんな成績は横並び、ゼロからのスタートです。

だからこれまで解説してきた様に、赤字から黒字に転換しそうな大企業を買ったり、政府が金をバラまいた時に最初に潤う公共系などを買っておけば無難に利益を出しやすいのです。金融銘柄なら三菱UFJ銀行を、素材銘柄なら日本製鉄をピックアップしてきた通りです。

これに対し、業績相場は言わば「午後の部」です。昼休憩が終わってから開始されます。午前の段階で既に成績が悪くて脱落した銘柄もあれば、成績を伸ばして午後を迎える銘柄もあります。だからスタートライン(=株価位置)が異なります。

これにより、銘柄選びは午前=金融相場よりも難しくなります。業績相場における銘柄選びは、四季報で企業の業績を見るだけでは不十分なのです。株価位置も考慮した上で選ぶ必要があります

では、株価位置を見極めるのに必要なツールは何か?それが200日線です。200日線とは何か…については、色んな人が解説しているので今更不要でしょう。200営業日の平均株価の推移を示すチャートだということを理解していればOKです。

B:一番重要なのは、200日線の向き

一番重要なポイントは、200日線の向きです。上を向いていれば、直近200営業日の平均株価が日々切り上げられ、その銘柄は上昇トレンドにあることを意味します。下向きはその反対です。
我々投資家が一番安全かつ大胆に稼ぐことが出来るのは、安定した上昇相場です。安定した上昇相場では、200日線は必ず上向きです。

※今回の解説は、下記のコラムと密接にリンクしています。忘れてしまった人はぜひもう一度読んでみることをお奨めします。

話を戻しましょう。…ということは、200日線が上を向きそうになっている銘柄は、そう遠くないうちに上昇トレンドに移行する可能性が高い、と言えるのです。反対に言えば、下向きであればまだまだ時間を要する、ということです。
当然、サイクル論の流れの様にチャートには波があります。200日線もそれに合わせて下降期、横這い期、上昇期と変化していくのです。

例えば、現在(2022年9月1日)の日経平均株価を見てみましょう。

2021年9月~2022年9月1日現在までの日経平均(日足)

昨年9月の高値以降の調整は約1年続き、200日線は下降期だったことがわかります。下降期の株価は基本的に弱いのです。この時期には下手な銘柄を無理して買い下がっても、買いで利益を出す難易度は高いでしょう。

この夏になってようやく下げ基調が落ち着き、株価位置は200日線を上抜けたところまで上昇してきました。

C:下降期の終了の兆しは、株価が200日線を上抜けること

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