お母さんが旅立った日
11月は毎年なんとなくソワソワする日が多いように思う。
今日は母の命日だ。
特に何かするわけではないけれど、この日はやっぱり特別で、
毎年母のことを思い出しては、喉の奥がぎゅっと詰まる。
私から見ると、母はとにかく「尽くす人」で
私を産んでからは仕事を辞めて父の自営業を手伝いながら
3人の子育てをしていた。
母がご飯を作るのは当たり前、自分のために何かしてくれるのが当たり前になっていた私は
家族に尽くしてばかりいる母をあまり尊敬できずにいた。
いかに自分が恵まれているかを考えもせず、「もっと自分のやりたいことをやればいいのに」なんて思ったりして。(昔の自分を叱りに行きたい)
末っ子の私が大学卒業間近となった頃、癌になってしまったので、
本当に家族を支えることが中心の人生だったように思う。
「お母さんは幸せだったのかな?」何度となく頭をよぎったこと。
もっと自分の時間を持って、やりたいことをやる人生を送って欲しかったと。
母に聞いてみたい。それは今でも思う。
母が亡くなってからは「ごめんね」という感情ばかり湧いて、後悔ばかりの日々だった。
可愛げのない娘で本当に申し訳なかったな、とか、
もっとたくさん話をしておけばよかった、とか。
「お母さんは、そんなに幸せじゃなかったのでは?」
そう思ってしまうと、辛くて仕方がなかった。
でも最近になってやっと、母はちゃんと幸せだったんじゃないかって思えるようになってきた。
それは、私も子供を育てるようになったからだと思う。
子供が元気に生きてくれているだけで私もめちゃくちゃ幸せだから。
どんなに生意気でも、なんだかんだ可愛くてしかたないから。
子供を3人も育て上げた母は、すごい。
今更だけどめちゃくちゃ尊敬する。
友達が泊まりに来た時に美味しい朝ご飯を作ってくれたこと、
すごく誇らしかったよ。
孫の顔を見せてあげたかったなぁ。
すっごい可愛がってくれただろうな。
育児の相談もたくさんしたかったな。
今でも会いたくてしかたがないときはあるけれど、
それはいつかのお楽しみに。
私が急に旅立ったりしたら、きっと息子も同じようなことを知りたくなるだろうから、
私は「幸せ」ということをたくさん家族に伝えていこうと思う。
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