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星のカービィ ディスカバリー レビュー 3Dでもカービィ感あふれる冒険

本編シリーズとして初の3D化でこのカービィ感。2作目ではない。最大の驚きはそこだ。

記事執筆時点で私の進行状況はワイルドモードでプレイ、エンディングを2回見て、達成率は86%。プレイ時間は15時間程度だ。

プレイ後の第一感は「マリオオデッセイ並みの面白さ」
要するにかなりの好感触だ。これから、星のカービィ ディスカバリーについて語っていきたい。

カービィはわりと好きなゲームだと思っていたが、これまでの私のカービィ体験をまとめてみると本数としては少ない。
・星のカービィ 夢の泉デラックス
・星のカービィ 鏡の大迷宮
・スーパーカービィハンターズ
これ以外にも触れたことのある作品はいくつかあるが、本腰を据えてプレイしたのはこの3作。ハンターズはバトル重視の外伝的作品なので本編シリーズという意味では2作。

カービィ本編シリーズのイメージを箇条書きにしてみる。
・ホバリング
・コピー能力
・吸い込み→吐き出し
・調子に乗ってミスる
もちろんこの4つを満たしたからといってカービィになるわけではないのは留意されたし。

さて、問題はホバリングだ。ジャンプアクション主体の3Dプラットフォーマーにホバリングがあったらゲーム性が台無しになるのではないかと常々思っていた(マリオシリーズにホバリングがあったら、と想像してほしい)。3D化にあたってそのホバリングをどのように使うかが注目だ。

本作では、ホバリングができる高さ及び時間に制限がある。たとえば階段状になっているところでは、ひとっ飛びに最上段まで飛ぶことはできない。

この位置からだと空き缶のある上段までひとっ飛びできない。
一旦右側の段まで行ってから、上に行く形になる。

高い塔の場合は直接飛んでいけないので、何かギミックをこなす必要がある。2Dでは画面上部がホバリングの限界地点だが、3Dだとその限界を提示すると違和感が出てくる。

しかし、それは僅かなもの。
というのも旧作もそうだが、ホバリングよりジャンプを連続したほうが早く上までたどり着ける。特に時間制限ありのミニコース「トレジャーロード」では、時間短縮のためホバリングの使用は控える。ホバリングを連続使用するシーンは、少なくとも私のプレイではあまりなかった。

これは時間制限もなく、高さ制限もなかったはずの以前の2Dカービィでも同じことなのではないか? ホバリングはたしかにカービィらしい動きだが、緊急回避的に使うことも多く、使用時間としては意外と短かったのかもしれない。
最大の懸念点だったが、プレイしてみるとそこまで大きな問題を感じなかった。

続いて、コピー能力は12種類が登場した。
夢の泉デラックス、鏡の大迷宮では20種類以上あったので、数という意味では少ない。本作では2段階3段階と強化することができるが、成長というよりあくまで強化で基本的な使い心地は変わらない。

コピー能力の使い方は基本的にはBボタンだが、連打や長押し、空中で発動など、一つの能力で複数のアクションができる。ファイアは口から出すだけではなく、空中で使うとかつてのバーニングのような動きになる。攻撃のバリエーションはかなりの数があり、物足りなさを感じさせない。
能力の使い方についてはいちいち説明されない。ワドルディの武器屋で教えてもらい、トレジャーロードで実践しながら身につける。

その場所その場に適した能力があり、「この能力を使ってください」という遊びを提供される形はマリオオデッセイに似ているが、オデッセイの方が自然だった。

マグマの上はアイスの能力で進むことができる。
それ自体はいいのだが、火山の道なのに雪タイプの敵があからさまに配置されてるのは違和感。

能力を持ったままステージに挑むことができるが、私は新しいステージに入るなりコピー能力を捨てることが多かった。能力とステージのミスマッチを避けるためであり、相性の良い能力でプレイをすることが楽しいと判断した。
各ステージには隠し要素があり、1回プレイするだけですべてを回収できるわけではない。2周目以降では、そこで用意されているコピー能力以外を使っても面白いかもしれない。



次に、何かを吸い込んで、吐き出す攻撃はカービィの基本的アクションだ。それはカービィ感を構成する上で重要な要素だが、コピー能力が魅力的なので裸のカービィを使う機会は、意識しない限りあまりない。
その中で、本作のトピック「ほおばりヘンケイ」は吸い込みアクションの新たな形だ。カービィが車を吸って車になるなら分かる。吸い込みきれなくて車を頬張ったまま疾走するのはかなりおかしい見た目だ。でも当たり前のように受け入れてる自分が恐い。「まあカービィだし……」と納得できる。これまでの作品になかった要素だが、これもカービィ感を感じさせる。
コピー能力があるのにモノを吸い込めるのは、ちょっと気になった。コピー能力と吸い込みはトレードオフじゃなかったのか? 

これがカービィ。



以前のカービィでは、ホイールで調子に乗って落下した記憶がある。常に浮遊してるUFOの万能感も覚えている。
本作では、少なくともメインシナリオを進めている間はあまりミスらなかったが、それは鏡の大迷宮プレイ時より私が成長したからか。
むしろ敵の多彩な攻撃を食らった時カービィがどういう反応するかを見たくなる。そういう意味で一番自傷行為をしたゲームでもあるかもしれない。


それ以外の点について、
ゲーム開始時のチュートリアルでは基本的な操作方法しか教えてくれない。ZL/ZRを押してガード、そこからスティックを倒して回避。敵の攻撃をギリギリで回避すると時間が遅くなるベヨネッタみたいな演出があることを教えてくれない。ステージ選択画面ではZL/ZRを押すと高速移動できることも教えてくれない。
そこら辺は自分で気づけというデザインだ。

CERO:Aで全年齢対象、子供でも大人でも楽しめるが、それは懇切丁寧な説明があるというわけではない。とりあえずゲームをプレイしてもらって、なんなら基本的なテクニックだけでもクリアできるゲームデザインの柔軟性が本作の魅力だ。

(まあ、クリア後のボスはジャスト回避前提の難易度なんだけど……)


さて、話をまとめる。
ピンクの塊がハチャメチャに動き回り、吸い込み、世界の危機を救ったりする。
3D化という革新的なことをしておきながら、革新的さを感じさせないカービィ感が得られる。

私もみんなも、さも当たり前のように3Dカービィを受け入れてる。プレイ前に感じていた「カービィっぽくなかったらどうしよう」という思いはどこへやら。当たり前のカービィゲームがそこにあった。


コントローラーのジャイロ機能を使って遊ぶタマコロはかなりの難易度。やりこみ要素に事欠かない。


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