ガストロカメラGT-Ⅰ

世界初の胃カメラ・ガストロカメラGT-I

7月14日は「内視鏡の日」です。今日も自分も3件胃カメラ検査してきました。ヘッダー画像は記念すべき世界初・国産胃カメラ第一号の「オリンパス ガストロカメラGT-I」です。なかなかデザイン良いですよね😉🎵

東京大学医学部附属病院小石川分院外科の宇治達郎医師は「日本人に多い胃がんを何とか早期発見し手遅れになる前に治したい」という思いで、1949年(昭和24年)オリンパス光学工業株式会社(現オリンパス株式会社)と共に胃の中をフィルム撮影できる胃カメラ開発をスタートしました。

胃の中を明るく照らす超小型電球、広い範囲を映し出す超小型広角レンズ、超小型フィルム巻き取り装置、胃カメラに最適な高感度フィルム、体内に挿入する軟らかくかつコシのある管部分の素材選び、水漏れ対策の追及など、ほとんど無の状態から様々な試行錯誤を重ね、開発開始から何と1年後の1950年(昭和25年)に世界で初めて、それまでの硬性鏡や軟性胃鏡ではなく、軟らかく自由に曲がる胃カメラの開発に成功しました。

苦難の中から生まれた胃カメラは、軟らかい素材で出来た軟性管の先端に撮影レンズがあり、手元の操作で豆ランプをフラッシュさせて撮影し、ワイヤで引張り先端に仕込まれたフィルムを巻き上げるものでした。

この世界初の胃カメラはまだ明るさも十分でなく、胃カメラ挿入中に全く観察が出来ないため、とにかく胃の奥まで挿入して、胃カメラを引っ張りながらシャッターを切りまくるというもので、現像して出来上がった写真はカメラの先端が胃壁に接した状態でシャッターが切られてしまうことも多く、そうなると写真全体が真っ赤或いは何も写っていない有様で、まだまだ十分実用に耐えるというものではありませんでしたが、その後の観察しながら挿入が可能なファイバースコープへ発展し、現在の電子内視鏡スコープへと繋がっていきます。

現在は粘膜筋板という粘膜のすぐ下の薄い筋肉の層までがんが到達していない分化型の早期胃がんであれば、お腹を切らずに内視鏡のみで粘膜剥離術のいう方法で完全切除が可能になりました。

今やレントゲン被曝を受けながらバリウムを飲んで検査をする時代ではなく、内視鏡で早期胃がんを発見してお腹を切らずに治す時代です。バリウムによるレントゲン検査では内視鏡で治せるような早期胃がんを見つけることは残念ながら非常に困難です(今はバリウムによる高精度なレントゲン撮影や読影ができる高い技術を持ったDrはとても少なくなってきています)。

最近は鼻から挿入する経鼻内視鏡も性能が大変上がっており、口からの胃カメラと画質や画面の明るさや視野角も遜色なくなっています。経鼻内視鏡であれば、多少挿入時喉や食道の違和感はありますが、ほとんど苦痛なく検査を受けることができます。自分も鼻から胃カメラを去年受けましたが、のどを通過するときに違和感があったくらいで、辛くなく検査を受けることができました。

まずは検査を受けないことには話になりませんので、今まで胃カメラの検査を受けたことがないという成人の方は、一度鼻からの胃カメラで十分ですので、検査を受けてみられることをお勧めします。何も症状がなくても、ピロリ菌による慢性胃炎の状態であることはかなりあります。また、胃がんはよほど進行しないと胃の痛みや食欲不振、体重減少などの症状は出ません(早期胃がんは症状全くゼロです)。

また、最近多い大腸がんも大腸内視鏡検査で早期発見できれば同じように内視鏡的粘膜切除術や内視鏡的粘膜剥離術でお腹を切らずに治すことが可能です。大腸がんもよほど進行しないと便通異常や出血、体重減少、腹部膨満などの症状は出ず、何よりも早期発見が大事ですので、今まで一度も大腸内視鏡検査を受けたことがないのであれば、30歳以降の方であれば症状が無くても個人的には一度検査を受けることを考えてみても良いと思います。何も症状がなくても結構な割合で大腸ポリープが見つかったりします。大きさ6mm以上の腺腫性の大腸ポリープは内視鏡的粘膜切除術で内視鏡的に切除しておくことが望ましいです。

#ガストロカメラ #胃カメラ #内視鏡 #7月14日は内視鏡の日 #症状なくても今まで胃カメラしたことなければ一度胃カメラを受けることがおすすめ #内視鏡検査 #大腸内視鏡検査は30歳を越えたら一度受けることを考えても良いと個人的に考える

ヘッダー写真URL(日本機械学会機械遺産) : http://www.jsme.or.jp/kikaiisan/data/no_019.html

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?