東京生活タイトル

金に汚い男は仕事ができない?

僕の持論だけど、金に汚い男は仕事ができないと思う。
「金に汚い」というのはいろいろあるけど、借りたお金を返さないとか人をだますとかは論外として、「身銭が切れない」というのが僕は嫌いだ。

舛添要一知事が毎週別荘に行く際に公用車を使っていたことについて、本日会見で謝罪した。以前は「公用車は『動く知事室』だ」「ルールに従ってやっており、問題はない」とか言ってたが、これを覆したことになる。

この会見のニュースを僕が聞いて嫌な気持ちになったのは「そりゃ法律違反じゃないけどさ、セコすぎないか?」だった。要するに熱海までの交通費や運転手代を含む移動費を節約したくて、公用車を使っていたという事でしょう?

別荘はプライベートなんだから、遊びにいく時くらいは身銭を切れよ…と僕は悲しい気持ちになりました。舛添氏が仕事ができない無能男に見えたから。まあ僕が知らないだけで、舛添氏知事としての実績や仕事の結果を着実に積み重ねているのかもしれないけど。

「身銭が切れない男」=「仕事ができない男」と短絡するのは極端すぎないか?という意見があるけど、なぜ身銭が切れなくなったかを考えると分かりやすい。要するに仕事で報酬を十分に貰えず、困窮してコンプレックスだけが膨らんだ状態が長年続いているのですね。

逆に仕事ができる男は給料もたくさんもらっているので、「経理処理が面倒だから」と領収書なしでお店の支払いを済ませてしまう。公私を問わず飲食代やタクシー代を自腹で払っても、経済的に特に問題がないからです。またそういう習性が長年身についちゃっているので、ポジションが変わったりプライベートな時でも身銭を切ることにためらいがない。将来もたぶん今と変わらない生活をするので、使える経費が増えたとしても、全部使い切ることがない。

逆に「今しかチャンスがない」「将来はこんな美味しいポジションにつくことはない」と自覚している人は、浅ましくなる。自分の権力を見せびらかし、他人には尊大にふるまい、地位を生かした蓄財をせっせと行う。こういう人間はえてして「自分の今の地位と権力を守ることが自分の最大の仕事」と考え、ポジションに居座るための努力をしてしまうので、有能な部下を遠ざけたりライバルの足を引っ張ったりと、権力闘争に明け暮れる。もちろん、本来果たすべき職責はそっちのけになる。だから仕事ができない。

こんな「権力と経費はあるうちに使わなくちゃ」とダーティーワークにまい進するのは、発展途上国の役人に多い。しかし日本の知事職ともなれば規範性も求められる。知事に許された接待費や交際費・海外出張費をすべて使い切らないと損した気分になると舛添知事が考えているとしたら、困ったことだ。あるいはバカ高い海外出張を繰り返すことで、都民から批判を受けると考えていないとしたら、とても残念なことだ。

僕も東京都民なので、もし舛添氏が知事の仕事がしたいのではなく、知事の権力(自由に使える金)だけが欲しかったとしたら、そんな人間を落選させなかった責任の一端がある。ただあの時は、一番マシな候補に見えたんだよね…(遠い目)。

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