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パパどうしてイギリスはEUから脱退したの?

ポンちゃん(娘。小学校5年生)に教えるパパ(昭和生まれ)のシリーズ。今回は未来コラム「イギリスのEU脱退について」です。

「パパ、イギリスの国民投票の結果は出てないけど、どうもEUから脱退しそうだね」
「うん仕方ないけど、しばらく世界経済が混乱しそうだねえ」

「そもそもどうしてイギリスはEUから脱退したいと思ったの?」
「これはとても複雑でシンプルな問題なんだよ。要するに漁業や農業や金融や製造業とか、自分の職次第で残留派か脱退派に分かれてしまうんだ」

「え、じゃあイギリス人はみんな同じ考えじゃないの?」
「そうだよ。例えば金融や大学関係だとEUに加盟していた方が得だから賛成だし、漁業とかはEUに加盟していると規制が多くて儲けが少なくなって不満が多くなってる」
「うん。じゃあ業界ごとに脱退か残留かは違うんだね。それじゃあ話し合いは意味がないんじゃないの?」
「そうだよ。利益の相反が根底にあるから、国民投票では脱退派の業界が多くて脱退する道を選んでしまった」
「脱退派の業界の人は、本当に脱退するとビジネスがよくなるの?」
「そんなの分からないさ。でも今の閉塞感が相当強いんだろうねえ」

「イギリスの若者に残留派が多いのはなぜなの?」
「奴らはまだ働いていないから、どこの業界にも属していないからさ。今までEUだったから変わるのが嫌だ、という気持ちとやっぱり『欧州共同体』という明るい未来を信じている人が多いからね」

「今回、脱退が決まった一番大きい理由は何なの?」
「やっぱり難民の受け入れだね。メチャクチャな数が流れ込んできてしまった。イスラム国のテロリストやスパイも多く入っている。これが『残留でも脱退でもどっちでもいいか業界』の人たちを脱退に向かわせてしまった」
「そっかーやっぱり難民問題かあ」
「ドイツも適当すぎるよね。いくらでも受け入れるなんて言っちゃって、いまや前言撤回だからね。トルコとの難民送還交渉もうまくいっていないことが大きいね。まず自分たちで何とかしないと、難民の流入が止められないっていう危機感がある」

「でもロンドンの新しい市長はイスラム教徒だよね?これは影響しないの?」
「うん、選挙結果は約131万票対99万票の大差だったけど、これはゴールドスミス氏の失言も大きいね。『カーン氏がイスラム過激派を支持している』とかウソついちゃったからね。カーン氏はEU残留派だけど、難民受け入れの対策は取りにくいね。だから影響は少ないと思う」

「EUから脱退して、イギリスはどうなっちゃうの?」
「半分は無茶苦茶になるね。特に日本や外国企業が一斉に撤退する可能性が高いねえ。EUに輸出できなくなるので、他のEU加盟国に工場を移すと思う」
「じゃあイギリスは半分くらい貧乏になるね。日本は円安になるの?」
「いや、メチャクチャな円高になるね。たぶん1ドル=100円ラインかなあ。パパは輸出で儲けているからうんざりだよ。でもまあ、思った以上に国がムチャクチャになると、またイギリスでEU加盟の国民投票があるよ。5年後に再加盟するんじゃないかな?」
「もう、パパは適当だなあ!」

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