見出し画像

初めてオンコール勤務をした日

私はこれまで
変則二交替の勤務しかしたことがなくて
夜勤の時も
夕方出勤して朝には終了
その間に
よほどじゃなければ仮眠も食事休憩もあった
1ヶ月のシフトが出たら日勤の日や休みの日に予定を入れて
休みの日は当然なんにも気にせずどこへでも出かけた

けど

4つ目の病院にして初めて
結構いい年になってから
「オンコール勤務」というものを初めて経験する

この「オンコール」というのは
電話1本でホイサと駆けつけるやつで
原則的に病院から30分程度の場所に暮らして
なんなら若手は病院から5分位の場所に住んで
電話が鳴り次第ダッシュする

最初は電話がいつならないかと不安で
お風呂入る時もドキドキして
ガヤガヤしたスーパーなんかで音が聞こえなかったらどうしようとか
常にそわそわして
でも3回目くらいで気づく。

こんなん気にしてたら生きていかれへんわ。

そう気づいてからというもの
電話を身体の近くに置いておく以外は
特に何も気にせず過ごした

オンコールは月に10回くらいあって
なんといっても緊急手術で稼いでるようなハートセンターだったので
呼び出し頻度はそこそこあった

ご飯食べてる時
まだ寝てる時
寝てすぐ
シャワー中
などなど
今目の前の事を電話1本で中断してダッシュした

他にも

例えば予定手術もやってるさなか
夕方に緊急オペが入ったとしたら
そのまま深夜0時頃まで働き
ヘロヘロになって帰宅したら
また2時間後くらいに別のオペで呼び出し

とかもある

休日オンコールの日は
朝の8:30から翌朝の8:30までの当番だから
美容室に行けない
遠出できない
お酒飲めない
※30分以内に病院必着※
が守れない行動はしない、という修行の身の様な休日を過ごす

朝出勤し
日勤帯にはしっかり仕事をし
夕方入った緊急手術が朝まで終わらなくて
また翌日出勤してきた日勤と挨拶する
みたいなこともある

--------------------------

それでも
オペが好きで
特に緊急オペが好きだ

だいぶドMなのかと思いきや
どっちかというとドSだと思う

スクリーンショット 2020-04-10 21.57.02

車で急いで駆けつけて
ダッシュでスクラブに着替えて
既に人工心肺を組みはじめているMEに軽く挨拶する
(MEは当直してるので準備が速い)

最短時間で症例の概要を把握する感じも
何時スタートであっても全員が同じ目をして
同じ手術プランを思い描いて同じモチベーションになる感じも
文字通り超緊急で駆け込んで来て
生きるか死ぬかの修羅場の中で
入室からわずか10分後にポンプに乗せるスピード感も

少々のことでは出なくなったアドレナリンが
密かに漏れ出る瞬間だ

とはいえ

深夜4時とかに
全然緊急そうじゃないやつで
明日の朝でも全然大丈夫そうな感じの症例で
下っ端の先生の情熱のみで呼び出されたりした時は
絞り出そうにも出ないアドレナリン・・・

どんな手術にも優劣はないけど
どんな手術の価値も同じだけど
でもきっと、何かがほとばしる瞬間や
好きな流れや
ゾクゾクする場面は個々で微妙に違う気がする

そんな手術室でのオンコール勤務は
究極のオンとオフの連続でした

スクリーンショット 2020-04-10 21.42.48


それではまた。

Nバク

「Nバクの活動を応援したい」と思って頂ける方は、是非サポートを!!!!! 「頑張るナースに捧ぐ」ための活動資金に当てさせて頂きます。