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ガンダムという名前の兵器

私はガンダムという名の兵器に興味がある。機動戦士ガンダムという作品にはガンダムという兵器がいて、主人公は大体ガンダムに乗って戦う。これはガンダム作品全般に言えることで、このガンダムはエース格の働きをし、味方の士気をあげてきた。

いわゆるファーストと言われる「機動戦士ガンダム」に出てくるガンダムはガンキャノン、ガンタンクと共に対ジオン軍のために開発された兵器だった。このV作戦と言われる計画は見事な成功を収め、アムロの成長とともに多大な戦果を挙げた。ジオンはこのガンダムというMSを「白い悪魔」と呼称し、畏怖の対象だったのだ。

この時の「ガンダム」は兵器の名前であった。ガンダムの余剰パーツで作られた陸戦型ガンダムやG3なども同様である。

しかし、1年戦争が終わると「ガンダム」は兵器の名前ではなくなった。対ジオンの旗振り役、連邦軍の象徴として「ガンダム」の名前が使われるようになったのだ。機動戦士Zガンダムの世界ではティターンズがガンダムMK2を作り、エゥーゴはZガンダムを象徴としたのだ。

1年戦争でのガンダムは高性能だが高コストであったため、数を揃えるため、ジムやボールが作られた。しかし、1年戦争後、ジムの高性能化は進み、ジム系統でもガンダム系統でもない別の高性能機体も出てくるようになる。

1年戦争後、連邦政府と連邦軍は厳しい状況にあったことは伺える。宇宙世紀に戦火が絶えないのはその証拠だろう。だから連邦軍は何度もガンダムを作った。それは高性能なジムや新開発のMSではダメだった。人類が欲したのはジオンを打ち破った「ガンダム」という名前だったのだ。

「ガンダム」の名がつくMSの宿命は象徴だけではない。ガンダムが象徴となり続けることができるよう他のMSには負けてはならないのだ。負ければ士気は下がる。そのため、常に最先端の技術が採用され続けた。ムーバブルフレーム、可変、バイオセンサー、分離機構、重装甲重武装高機動力・・・

逆に、最前線で敵のエースを相手にしない。象徴としない。他に別のガンダムがいる。性能が秀でていない。こうした場合、ガンダムの名前は継承されないのではないだろうか。リックディアス、百式、デルタプラスなどは別のガンダムが他に存在したため、ガンダムの名を避けたのではないかと考えることもできる。

機動戦士ガンダムUCの「ユニコーンガンダム」意味合いが少し違うと私は感じている。宇宙世紀の血塗られた歴史を振り返るにはガンダムでなければならないというサイアムの意思を感じ取れる。ラプラスプログラムもそのためだろう。

あくまでも兵器として「ガンダム」だったのは1年戦争まで、その後は「ガンダム」という名前を利用すべき時にガンダムが生まれてきた。利用すべきときとは戦争の時である。ガンダムが現れる時は、戦争の時と言えるだろう。

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