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闘う人を見てプロレスはパーティーだと感じた日(2024年7月9日、P.P.P. TOKYOを観戦して思ったこと)

 特等席のお客さんにお酒を注いだり、お相伴したり、選手の入場をエスコートしてリングインに華を添えたりする綺麗なお姉さんたち。何という眼福か。
 P.P.P. TOKYO観戦でまず驚いたのは彼女たちの存在だった。
 試合前の撮影タイムも、彼女たちは選手に寄り添って被写体になる。その後速やかにリングから去り、選手のセコンドには付かず、特等席のお客さんのおもてなしというセコンド業務に従事する。
 とてもプロ意識を感じる姿だった。

 そんな華やかなムードの中、「3、2、1、Let’s party!」のかけ声で試合開始。

 第1試合は、水波綾 & Droog-K & 小橋マリカ vs 夏すみれ & リアラ & 真琴。熱量と艶やかさがぶつかり合うさまは、パーティーの開幕を一気に盛り上げる。確かに試合で、プロレスではあるのだけれど、同時にショーでもある。そんな気がした。

 第2試合は、ガイア・ホックス vs 翔太 vs エンデル・カラの3WAYマッチ。綺麗なお姉さんたちとリングインしたホックス選手と翔太選手とは対照的に、カラ選手は誰も引き連れずにクールに入場して孤高さを見せつける。技の切れ味も鋭く、場外への飛び技も華麗に決めていた。

 第3試合は、ちゃんよた & ZONES vs まなせゆうな & 笹村あやめ。筋肉と意地がぶつかり合う試合は白熱し、キャリアの長いまなせ選手たちにちゃんよた選手が捕まりっぱなしの展開になるも、何度も底力を発揮してフォールを返す姿が素晴らしかった。時間切れドローも納得の試合だった。

 第4期試合は、八須拳太郎 & 田中将斗 vs 三富兜翔 & 石川修司。エスコートする綺麗なお姉さんたちとの体格差が際立つ石川選手、パワーも存在感も圧倒的だ。三富選手はP.P.P. TOKYOの総帥だけあって、独特の雰囲気を纏っている。
 対する田中選手と八須選手は歴戦の猛者の存在感。
 ショーでもあるけれど、試合、シバキ合いの要素がやや濃いめの、力のぶつかり合いにゾクゾクした試合だった。

 メインイベントは大谷譲二 vs 大門寺崇。会場で流された煽り映像を見る限り、2人ともプロレスが好きで好きで仕方がなくて、だからこそリングでぶつかり合うことを決めたレスラーの印象だ(端的に言うなら、これ以上ない褒め言葉としての「プロレス馬鹿」の印象)。
 体格でやや優る大門寺選手に、大谷選手のチョップが音高く叩き込まれる。名楽器と名奏者と表したいくらい、響き渡る凄い音だった。徐々に圧していく大門寺選手に、大谷選手は何度でも肩を上げ立ち上がりぶつかっていく。大谷選手への声援が会場を満たす中、リングサイドに駆けつけた三富選手が大谷選手を激励する。大門寺選手のセコンドのカラ選手にも掴み掛からんばかりの勢いだったのが印象深い。
 プロレスに全てを捧げる者同士の闘いは、ショーでもあり、儀式のようでもあり、競技でもある。声援を送らずにはいられない熱量を発している試合だった。

 プロレス観戦を楽しむスタイルとして、パーティーという様式はありなんだなぁ、とほろ酔いで思ったことも確かだ。
 そんなことを思った試合だった。

 さて、次はどんな試合を観られるかな。

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