クリスマスの夜に想う
今年もまた、色んな所で幸せを見つける事が出来る。
最寄り駅の中や、帰り道のスーパー、コンビニ、ファストフード店。
いつもの道を歩いていると、
"お母さん!チキンが食べたい!"
小さい子がお母さんにおねだりする様子を見て、幼き頃を思い出す。
自分にもそんな頃があったなと、思い出す。
去年は、彼女とお姉ちゃんが来て料理を作ってくれたな。
??:○○!
○○:うわ!お姉ちゃんか、びっくりした
??:「うわ!」って何、てゆうか、何してるの。
この人が僕の姉の史緒里だ。
重度のブラコン要素が詰め込まれている。
本人には自覚は無いみたいだけど。
史緒里:ほら、早く帰るよ。
○○の家に彼女待たせてるんだからね!
そう言いながら、僕の腕にくっつく。
他の人から見たら恋人に見えているのだろうか。
それとも、姉弟だろうか。
○○:もう家に来てるのか、連絡くらいしてくれたら良かったのに。
そう思いながら携帯を確認する。
??L:今日、仕事が早く終わったからクリスマスパーティーでもしない?
??L:まだ仕事中かな?先に家に入っとくね?
??L:ご飯用意しておくね!
??L:少し手が離せないから史緒里さんにお迎え行ってもらってる!
しっかり連絡は来ていたらしい。
史緒里:どうせ「連絡くれたらいいのに~」とか思ってたんでしょ
あの子がしない訳がないじゃん。早く帰るよ?
特に予定を決めていたわけでもなく、いつも通りの道をいつも通りに帰る。
今日だけはみんな誰かの帰りを楽しみに待っているのだろう。
そして、お姉ちゃんと家までの道を並んで歩くのはいつぶりだろう。
他愛もない話をしたり、彼女とどんな感じなのかとかか色んな話をした。
話してるうちに家に着いて扉を開ける。
ガチャ
その音と同時に彼女が僕に向かって飛び込んできた。
??:おかえり!メリークリスマス!
○○:ただいま、和
てか、、、どうしたのその格好
普段の和からは到底想像も出来ない服装に、直視するのもかなり恥ずかしい。
和:どうかな、、、似合ってるかな?
○○:うん、すごく似合ってるし、可愛いよ。
玄関先でやりとりしてると後ろから
史緒里:お姉ちゃんもいるんだからね!
と後ろ槍を刺してきた。
いつも1人の部屋に彼女とお姉ちゃん。
見慣れた景色も見慣れない景色に変えてくれる。
リビングには和が手作りで作ってくれたであろう料理が沢山並んでいた。
和:少し張り切りすぎたかな?笑
○:去年もだけど、今年もありがとう
史:私も頑張ったんだよ〜?
○:お姉ちゃんはそんなに料理上手じゃないじゃんか笑
史:何か言ったかなぁ?えぇ〜聞こえなかったなぁ〜?
和:史緒里さんが居てくれてとても助かりましたよ!
お迎えもしてくれてありがとうございます!
史緒里:和ちゃんは良い子だね〜ナデナデ
和:そんなことないですよ///
○:いつまでもイチャイチャしてないで、早くご飯食べよ。
和の手作り料理が冷める前に!
その一声で2人はソファに座り、僕はワインとグラスを人数分持って行った。
○○:僕が楽しみにしてたワインを2人にも飲んで欲しいんだよね。
史緒里:相変わらずワインは飲んでるのね、お酒が強いのは誰に似たんだか笑
和:史緒里さんは、、、弱いですよね笑
でも、姉弟でここまで違うものなんですね?
○○:確かにね笑
あ、このワインかなりキレがあって美味しいからオススメだよ。
2人とも僕が注いだワインの香りを味わい、一口。幸せそうな顔に、ほっぺたも少しばかりか紅く染った。
和:おいしい。料理とも相性良くて良い感じ
史緒里:○○はどこでこんなに美味しいお酒を見つけるんだか。不思議だね、
○○:取引先の人とかから色々教えてもらうんだ。
こんな会話をしながらまたご飯を食べ進める。
○○:あ、そういえば、、、2人に渡したい物が、、、
僕はバックの中を探る。
○○:はい、お姉ちゃんと和に
和には小さく縦長な箱を。
お姉ちゃんには小さく四角い箱を渡した。
和:これは?
不思議そうに僕の事を見つめる
○○:クリスマスプレゼント。
2人にはいつもお世話になってるからね。
史緒里:え!ほんとに!開けてもいい?
○○:うん、喜んでくれるといいな
2人は箱を開けた。
すると、顔の表情がいつもよりも更に柔らかくなった。
和:これ前私が欲しいって言ってたネックレス!
○○:そう、だからお揃いにしたかったし僕も買ったよ
首元のボタンを外してネックレスを見せる。
史緒里:私のはイヤリング?
○○:うん、お姉ちゃんにはいつまでも綺麗で居て欲しいからね
史緒里:○○〜グスン嬉しいよ〜
○○:2人に喜んでもらえて幸せだよ
ふと窓の外を見ると、雪が降り始めていた。
恋人であろうがなかろうが。家族であろうがなかろうが。自分の周りの人が幸せならそれでいい。
いつまでもそう思えるクリスマスになりますように。
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