ワクワクを追った先にある”新たなワクワク”
私には子供の頃から大人になった今でも変わらずワクワクするものがあります。
アニメです。
なぜいまアニメにワクワクするのか
私は1年間ポルトガルのリスボンに留学していました。そこでできた1番仲の良い友達はアニメつながり。ポルトガル人だけでなく様々な国から来た留学生とアニメを通じて友達になることができました。
世界中が夢中になるアニメというコンテンツ。 その尊いものを自分の国が生み出している事実にワクワクするのだと気付きました。
海外収入前年比120%増、圧倒的な成長率
アニメというとひと昔前までは子供の娯楽というイメージが先行していました。しかし今や消費の中心は子供から大人に移り変わり、またその市場は国内に止まらないことは周知の事実でしょう。
事実、アニメ産業レポート2018によると、現在のアニメ市場は国内外を合わせて2兆円を突破しており、またそのうちの約半数は海外市場がまかなっています。
日本と契約している国もほぼ全土に渡り、アジア・北米・欧州がほとんどのシェアですが、少ないながらもアフリカや中東といった国々にも人気の余波は広まっています。
従来のアニメ市場では、日本で作られたアニメを海外で放映する、いわゆる「アニメの輸出」が基本でした。
しかし今や新しい形でのアニメ×海外が進行しているのです。
日本アニメ×海外の新たな形
では海外アニメ市場では、今どのような試みが行われているのでしょうか?
ここでは私が衝撃を受けた2つの事例を紹介します。
①サウジアニメエキスポの開催
中東に位置する石油王国サウジアラビア。厳格なイスラム教の国として知られるこの国では、近年それまで禁止されていた娯楽サービスの提供ができるようになりました。なんでも皇太子が根強い日本アニメのファンだとか…
とはいえ、数ある宗教の中でも厳格なイメージがあるイスラム教において、様々なテーマを扱う日本のアニメが受け入れられ、人気を博しているというのはとんでもなく衝撃的なことでした。
今までは規制され海賊版などでしか楽しめなかったアニメが、公式の場で楽しめる喜びはひとしおだったに違いありません。
公式ということに関連すると、サウジアラビアでは現在日本との協力のもとサウジアラビア国産映画の制作に取り掛かっています。サウジアラビアの古代文明をテーマにした映画で2020年の中東、日本公開を目処にしています。
成功すれば中東では例を見ない前代未聞の出来事となります。
お互いのサブカルチャーを通じた文化交流。アニメというツールを利用することで、難しかった文化の理解もとっかかりやすくなることでしょう。アニメを通じた外交なんてものも笑い事ではなくなるかもしれません。なんだかワクワクが広がっていく感覚がします。
②中国アニメ市場の台頭
国をあげての国産アニメづくりに定評があるのは中国です。2004年、中国では国産アニメ奨励のため海外アニメを3割に規制するという荒業をやってのけました。そのかいあってか今では中国産アニメは国外に輸出されるまで人気になっています。日本も中国との関係においては「アニメの輸入」を行なっています。
そんな中国では先のサウジアラビアの例とは逆に、新たな試みとして日中でのアニメ共同制作が行われています。こうした合作での作品であれば規制の対象外ということもあり、日本アニメの根強いファンを取り込む画期的な試みです。
他にも、日本に会社を構え、日本のアニメーターを雇って中国産アニメを作り、中国で放映するという試みも行われています。
原作:中国⇨制作:日本⇨放映:中国
というような新たな日本アニメ×海外の形が生み出されているのです。
日本一強から競合の時代へ
サウジアラビアの例と中国の例、2つの例は進むスピード感は違えども、アニメ市場における日本一強を覆す一歩目であることに変わりありません。
アニメの海外市場における事例を見たことで、新たに感じたワクワク。それは競合の時代がやってくるということ。
今まで国内だけでまかなっていたアニメは、独自に発展してきたとはいえ、この先成長していくために海外市場との競合は必要不可欠でしょう。他国との競争により、さらに作品の幅を広げ、質を高めることになる日本のアニメに、ワクワクを感じずにはいられません。
また競い合うからこそ質の高い作品が生まれる、これは「働く」ということにも通じるものでしょう。
1人で努力し続けること。これは大事ですが、ここにおける成長には限界があります。
他の人と切磋琢磨しながら自分のパフォーマンスの質を上げていくこと。ここにおける成長は相手がいる限り無限なのでしょう。
11月から始まった課題。12月から始まる研修。たくさんの同期たちと切磋琢磨して、自分の幅を広げることに今からワクワクが止まりません!
自分のワクワクを追っていたつもりが、他の場面でも通用するワクワクを見つけてしまいました。
ひょっとすると、ワクワクポイントはそこかしこに散らばっているものなのかもしれません。
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