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『BLACKOUT』the brilliant green(思い入れのある曲シリーズ)

今日はthe brilliant greenについて。

the brilliant greenはイギリスみを強く感じるアーティスト(バンドでもグループでもないよなぁ実質)で、初期にヒットした楽曲にはブリットポップのミディアムテンポの曲のような雰囲気のものが多い。

そのため、何となく穏やかな音楽を作るアーティストというイメージを持っていたのだが、今回取り上げる『BLACKOUT』は一転してロックの激しさを感じさせてくれる楽曲になっている。

冒頭の王道F#mリフからして往年のHRを感じさせるような仕上がりの中、ボーカルの川瀬さんの良い意味で力の抜けた声が入ることでボーカルとバックの演奏との不思議なギャップが感じられる。
これもthe brilliant greenならではといった感じだ。

Tommy heavenly6も似たようなロックサウンドを主軸に置いているが、どちらかというとTommy heavenly6は新しめのサウンド、the brilliant greenはよりオールドスクールなサウンドという印象がある。
年代で言うと2000年代以降のものとそれよりも前のものという具合に、ある程度住み分けをしているのだろうと思った。

そしてこの曲、というかアルバム全編を通して、異常に音質が良い。
アルバム発売当時のインタビューでカセットレコーディングだかアナログレコーディングだか、普段とは違った特殊な手法でレコーディングしたと奥田さんが語っていたような記憶がある。
その効果は覿面で、バンドサウンドはラウドな印象がある中非常にクリアに録れているし、ともすればバンドサウンドに埋もれてしまいそうな川瀬さんの歌もしっかりと前面に出てきている。

この時には既にギターの松井さんは脱退していたので、ボーカルは川瀬さん、ギターとベースは奥田さん、ドラムはサポートミュージシャンの佐野康夫さんという3人が出した音で全てが成り立っているであろうこの曲。
演奏の派手さという面では佐野さんのドラムが1番目立っていると言っても過言ではなく、特にラストサビ前のフィルなど、さりげなくカッコイイフレーズが散りばめられているのでドラムにも注目して聴いてもらいたい。

この曲『BLACKOUT』が収録されている同名のアルバムは同様のロックな曲も多く収録され、一方では従前のようなメロディアスなブリットポップ的な曲も共存している非常に聴きどころの多いアルバムなので、是非アルバム単位で聴いてもらいたい。

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