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『君がいるから』菅原紗由理(思い入れのある曲シリーズ)

今日は菅原紗由理さんの『君がいるから』について。

なぜこの曲について書こうと思ったかというと、普段よくいくスーパーでこの楽曲のインストアレンジのようなものが流れていたからです。
地元のスーパーやデパート的なところでよく流れているタイプのあのインストです。

個人的にあのタイプのインストが流れているとついつい耳を傾けてしまいます。
というのも、なんだかあの手の有線って流れている曲のジャンルも年代もまちまちで、不意に思いもよらない懐かしい曲に出会うことがあるからです。
同じようなことを思っている人いるでしょうか?

今回はこの『君がいるから』に再会することができたわけなんですが、この曲には発売当初は非常にドップリとハマっていました。
それがその後恐らく10年ほどのブランクを経ての再聴。
10年経ってもこの曲の良さは不変でした。本当に良い曲です。

この曲はFFシリーズの中でも賛否両論が激しく分かれるFF13の主題歌に起用されていて、筆者もゲームからこの曲を知りました。(筆者はFF13自体も好きです)
ゲームの劇中で流れるこの曲はもちろん感涙ものなのですが、ゲームをプレーしていない方が聴いても聴き応え抜群な曲であることは間違いありません。

まず歌っているのは菅原紗由理さんというボーカリストで、この当時はデビューして間もない頃だったので、誰だろうこの人は?と思ってしまいました。
しかしながら歌唱力は素晴らしく、後述する通り難しいメロディ運びの楽曲を丁寧に歌い上げています。
デビュー間もないのにこれだけのタイアップを勝ち取れるだけはありますね。凄いです。

そして、何よりも素晴らしいのが浜渦正志さんの作曲したこの楽曲のクオリティの高さです。

そもそも浜渦さんはFF13の劇伴を担当しており、ゲーム音楽の作曲家として名を馳せていた方です。
有名なところではFF10やサガフロンティア2の劇伴も担当しています。

その浜渦さんが作曲をしていることもあって、この『君がいるから』、一般的なJ-POPの楽曲と比べて非常に複雑な構成になっているように感じられます。

まず触れておきたいのが、この曲の転調です。
この曲、イントロからBメジャーのキーで始まり、サビに入るタイミングでFメジャーキーに転調をします。
そうなんです。6つ上のキーへの転調なんです。
この転調、他ではなかなか聴いたことがありません。
少なくとも筆者が普段聴くポップスやロックのジャンルの中では登場し難い転調だと思います。
その転調をサビ前という一番注目が集まるタイミングで挟み、それでいて不自然さを感じさせずに壮大なサビに繋いでいる辺り。非常に素晴らしいです。

歌のメロディ、その部分のコード進行も素晴らしいのですが、筆者的に推したいのがサビ後の間奏のFメジャーキーとFマイナーキー入れ替えのような壮大なパートと、イントロの冒頭が急にFm-5(?)のテンションコードから始まるところです。
痺れずにはいられません。

最後に演奏について。
全編を通してオーケストラが入った壮大なアレンジが印象的で、そのアレンジが素晴らしいのは言わずもがなです。
加えて、リズム隊の演奏も非常に印象的で、どっしりとしたタイトなドラムに、ところどころでオーケストラと呼応するようなメロディアスなフレーズを組み込むベースも注目のしがいがありますよ。

ちなみにボーカルの菅原紗由理さん、この楽曲以外はほぼ聴いておらず、勝手ながらその後はあまり活動していないのかと思っていたのですが、調べてみたところアーティスト名をTHE SxPLAYに変えて活動を続けているとのこと。
再会できたのを機会に、別の楽曲も聴いてみようと思います。

こうした出会いをくれるインスト有線、素晴らしいですね。
皆さんもスーパーやデパートに買い物に行く際は、イヤホンを外して有線に耳を傾けてみるのも良いのではないでしょうか。


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