【本×詩】ねじまき鳥クロニクル
本の内容を元に詩を書く試みです。書籍の説明や解説ではありません。
望んで井戸の底に降りた僕
君は昇るためのロープと陽を取り上げた
望むところだ
僕は僕自身と深く向き合わなければならない 静寂の闇は相応しい場だ
そして見つけなければならない 進むための光と手繰るロープを
そうすればきっと出られるだろう
井戸の底の闇は既に僕が心に持っているものだった
答えは既に心にあった
足りなかったのは選びとる覚悟だった
今度こそは選んで掴んだロープを
擦れて皮膚が擦り剥けようが離さず 手繰って陽に昇ってゆこう
こんなところで独り朽ちるわけにはいかない
「出してくれ」
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