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#月

小詩集『月と語らう』

朧月夜  2023/02/06

空の低いところに浮かぶ
まん丸な黄色が朧に隠れている
確かにそこに存在しているのに  見えているのに  見えていない未来に似ている  
ぼおう  と  灯る不安
その弱い篝火を持って夜道を歩こう
物語は先を知らないから頁をめくりたくなる

嘘臭い未来予知なんていらない
絶対の運命があるとしたら俺の生は揺らぐ
一度だけ一気読みして終わる物語だ

知識と体験は違う

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詩集『月』

詩集『月』


はじめに

表紙におれはいない
目が合ったら会釈するよ
何かが引っかかるならば手にして

目次におれはいない
何を語るか紹介するよ
ちょっと恥ずかしいけれど
精一杯を聞いてくれよ

本文におれがいる
実体よりも純粋に研ぎ澄まされた
内に向ける言葉であなたに問いかけよう
無音の対話をしよう

記すべき特別な略歴はない
装える飾りもない
失敗ばかりの何処にでもいる凡夫
来し方と遊びの楽しさ
人格を形

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