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戯曲と演劇の関係性について①

「名前のない星」戯曲賞を創設するにあたって、代表としてさまざまな思いを語る必要があると感じてnoteをはじめました。 ここでは「戯曲」について、歴史の流れを追いながら語ってみたいと思います。 演劇は世界最古の芸能だと言われています。 それは演劇は宗教であったことを意味します。 宗教であったということは法律(規律)であったことも意味します。 法も何もない狩猟採集時代でも「獲物を嬲り殺しにすると天災が起こる」などの「規律」がありました。それはいわゆる「原始宗教」と同じもので

    • 「名前のない星」戯曲賞 創設への道④

      「名前のない星」戯曲賞は「若手による若手のための戯曲賞」であると明言しています。  ここでは、なぜあえて「若手」という縛りをつけた戯曲賞を創ったのかを語ってみたいと思います。  ひとつ目としては、月並みですが、次の世代を作っていく若手が面白いと思う作品がどういうものか見てみたいからです。  なんだかんだ言っても、ここが最大のポイントです。  マーケティング的に、今の日本の最大購買層は60代以上の老人です。  ライトノベルなども、もっとも買っているのは40代~50代だっ

      • 「名前のない星」戯曲賞 設立への道③

         この世の中には数多の賞があります。  僕が公募の「賞」に応募をはじめて二十数年が経ちますが、その間に小説の公募賞は驚くほど増えました。  当たり前の話ですが公募賞は増えれば増えるほど、多様性が増します。  それと同時にカテゴリーエラーによる落選が発生しやすくなるという弊害もあります(例えば女性向け恋愛小説を求めている賞に熱血バトルものを送っても受賞できない)。  ただ、これは些細な問題にすぎないと思っています。  例えば公募の賞がふたつしかない場合、ほぼ全てのジャンル

        • 「名前のない星」戯曲賞 設立への道②

           その講座から二十年近くが経過し、日本の小劇場の戯曲というものは、とても偏ったものばかりになったように思う。  戯曲賞を獲るためには、不条理を書かなければいけないのだ。そうならざるを得ない。  それともうひとつ。  その講座の時から言われていたが、戯曲賞を獲るには「継続性」が重要視される。 「続けない奴に賞をあげたってもったいない」  戯曲講座でも講師はそう言っていた。 「結局のところ、賞はあげたいと思える奴にあげる。そういうもんだ」  うーん。言っていることはわかるのだ

        戯曲と演劇の関係性について①

          「名前のない星」戯曲賞 設立への道①

          「戯曲講座」なるものを受講したのは、人生で一度きりしかない。   時はAAF戯曲賞の第二回募集が行われていた頃。  場所は関西の端っこにある市の文化施設。  そこが主催している講座で、関西を活動拠点とするプロ劇団の主宰・劇作家が講座の講師だった。  僕はまだその頃、数本しか戯曲を書いたことがないペーペーで、技術不足を補うためと、どうしたら戯曲賞を獲れる作品が書けるかを知りたかった、というのが受講理由だった。  その頃はまだ、小説を書こうなんて微塵も考えていなかった。  演

          「名前のない星」戯曲賞 設立への道①