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19インチラックを導入すればいいはずなのに、なんでこうなった!?

ラックで失敗する例

引越しをする際にポイントとなるサーバー室の設計、その中でもほぼすべての機器を保管するラックは基本を押させておかなければ後々痛い目にある。ちなみに筆者もこれまでにラックに関しては泣かされることがままあった。

ハーフラックを導入したことによる二重作業

1. 導入時の容量設計ではサーバーを置かない予定だったまハーフラックを導入してしまった。
2. その後機器が増えたが対応できず、42Uラックを導入することになった。
3. しかしサーバー室にはスペースが足りないためにハーフラックを廃棄して、42Uラックを導入することになった。
4. ハーフラックにはすでにケーブル機器が導入されている。そのためフルラックを仮設、移行、ハーフラック廃棄、フルラック再度移設という作業となった。

ネットワークラックではないラックへのネットワーク機器増設

1. サーバー用ラック(全面が狭い)にネットワーク機器導入
2. パッチケーブルまで施工
3. 前面が狭くて扉とケーブルが干渉してしまう。

ラックレールとPDUの干渉

1. サーバー機器をすでに導入しているラックに2Uの大型機器導入
2. ラックレールが背部のPDUと干渉するためにレール導入できず。
3. 複数の本番サーバーに対して電源を供給しているPDUを移設

こんな感じで、ラックの選択を誤ると本来一週間もかからない作業がいきなり2~3か月の作業となってしまう。しかもほとんどのケースで自分はラックの選定にはかかわっていないところにやるせなさがある。

新米インフラエンジニアに誰も教えてくれないけど、ラックを導入する際にこれだけ守れば大丈夫なお約束

ラック導入の鉄則としては

1. ラック前面および背面に解放スペースをつくり、扉を開けたときに引っかからないようにする。

サーバー室を設計したときに、スペースを効率よく使いすぎたときに失敗するケースである。ラックは確かにおけているが、ラックの前扉あるいは後ろ扉を開けるスペースがない。扉を開放したときの距離に合わせてラック前面及び背面にスペースをとるようにする。

2. 19インチ42Uラックを基本とする。
ハーフラックなどはあまり意味がない。専有面積としてはフルもハーフも変わらない。変わるのは高さとお値段である。サーバー室構築もしくは引越しの予算から見るとラックの値段など微々たるものである。余計なことは考えずに19インチ42Uラックを基本とする。

2. ワイドタイプ(70~80)を選択する。

19インチラックといってもそれは内寸であり、外寸のスタンダードは60cmである。これはサーバーを保管するには十分かもしれない。しかし昨今HCIといった複合基盤も出ている。そのためネットワークだろうがサーバーだろうがラックマウント型機器すべての対応できるワイドタイプを選択する。

3. 奥行き100cmが望ましい。

ラックの規格では奥行きは決まっていない。これが様々な混乱を引き起こす。短いと60cm奥行き、そこから70, 80, 90, 100cmと10cm刻みでラックの奥行きは設定されている。確かに60cmの奥行きはラックマウントするだけなら十分である。しかしPDUの設置、背面ケーブルマネージメント、ケーブリング、作業スペースなどを考えると60cmは狭すぎる。100cmにするべきである。

結論

ラックをサーバー室に合わせていろいろ考えるとなんとなくインフラっぽい仕事をしている感じになる。しかし将来そのラックにどのような機器がおかれるかはわからない。その時には自分はいないかもしれない。後任のこと、作業ベンダーのこと、導入する機器の選択をかんがえて、マーケットで標準的に売っている中で最大の高さ、奥行き、幅をもつラックを導入するべきである。繰り返しになるがラック本体の値段は引越し全体から見ると微々たるもの(0.1%以下である)。

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