チケットシステムの導入
ITサービスマネージメントにおけるベストプラクティスをまとめたITILは仕組みとしては本当によくできている。資格自体はITIL Foundationならばおそらく2週間もまじめに勉強すれば取得できるだろう。
しかし実際にITILを導入となると何から手を付けたらよいかわかりにくい。これにはいくつか理由がある。
1. ITILがあらゆるベストプラティスをまとめているうえに、そのコンポーネントが複雑にからみあっている。
2. 資格ではコンポーネントの理解、プロセスの関連性に焦点を置いている。構築方法についてはあまり言及されていない。
3. 会社によってすでにあるITサービスマネージメント文化が異なる。
ではとりあえずITILについて進めたいのであれば、どこから手を付ければよいだろうか。2つある。ひとつはサービス要求管理、もう一つはIT資産管理である。
サービス要求管理
要するに、ユーザーからの問い合わせをすべて記録すればよい。重要なことはユーザーが自分自身でチケットを上げるセルフサービスは次のステップにして、要求内容をシステムに登録することである。エクセル管理ではない、サービス要求管理システムに登録をする。これにより、チケット内容の履歴、共有、将来的な分析等に対応できる。オンプレミスでシステムを構成することはない。ITILのクラウドサービスを利用して必要な情報のみ登録すればよい。ユーザーからの要求は日々上がってくるので登録するねたはシステム導入の翌日からいくらでも発生する。
IT資産管理
IT資産管理=インベントリ管理である。要するに社内にあるコンピュータ、ネットワーク機器などすべてのリストにしておく。こちらも手を付けやすくさらにITILにおける他のプロセスに対する波及効果も高い。ただしラップトップの台数が多い場合にはインベントリエージェントを導入しないと、記録と実際の齟齬が発生する。
その後は
サービス要求管理とIT資産管理が8割程度回ってくると、その会社のサービスマネージメント要件に応じて、いろいろやりたいことが出てくる。ツールは代用がいくらでもあり、大事なのは、内部のプロセスである。これが名蹴れればいくらツールをそろえてもITILは回らない。
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