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【初めての今ドキ登山】暑っつい! 立山へ行こう!(@富山県立山) その6


 2023年8月12日、立山に登った。その模様はすでに動画でこちらに公開してある。↓

 noteでは、動画で表現できなかったことを書こう。つまり、
 1.撮影しなかった、できなかったこと。
 2.AV、視覚聴覚以外の感覚のこと。
 3.映像や現象の裏にある、理由、感情、背景、歴史。
 4.なぜ山に登るのか、山に登るとは自分にとって何なのか。

以上、前置き終わりです。


 室堂まで下りると、すでに下界同然の暑さだった。13時18分、室堂平まで無事帰りついた。ふり返ると、つい一時間半まえまで立っていた立山山頂は、雲に隠れて見えない。雨が降るかはわからないが、ベストの下山のタイミングだったのだろう。

 室堂ターミナルで14時発美女平行きのバスを待つ。長蛇の行列になっているが、これが15時、16時になるともっと長くなるから、これでいいんだろう。この全員が立山に登ったわけではない。黒部ダム方面から来る人、ただ室堂周辺を散策した人もいるだろう。もちろん北アルプスの山々を何日もかけて縦走してきた人もいる。
 家族が多い気がしたが、時々女性一人の登山者ルックの人を見かけた。彼女たちは、中年から老人の域に見えたが、そろってスタイルがよく、ほどよく痩せていて、足がカモシカのように引き締まっている。
ーー どんな生き方をしているんだろう?
 とてもカッコいい❤

 バスを待ちながら水筒に残ったお茶を飲む。お茶がなくなって氷だけになったので、残っていたペットボトルのスポーツドリンクを水筒に移し替えて、また飲む。喉が渇くというか、やたらと冷たいものが飲みたい。
 山の上では、1時間に1回と決めた、行動食をとる短い休憩のときに、1口2口水分をとるだけで済んでいたのに。だから、山中では、6時間歩き続けていたのに、500mlのスポーツドリンク1本とお茶少々しか減らなかった。
 室堂に着いてからは、飲む飲む。暑いせいもあるが、下山して緊張が解けたせいだろう。山頂に水場はない、水は貴重。遭難する危険性も考えれば、水は節約すべき、という考え方が芯から沁みついているらしい。

 14時に立山高原バスに乗りこむ。満員のバスが来た道をゆっくり下っていく。朝と同じ雄大な風景だが、少し光が落ちているような気がする。私は少し眠ろうとした。サングラス越しでもまだ光が眩しい。そして自分の脳が興奮していて、眠気を感じるのに眠れない。

 美女平駅に到着。ケーブルカー待ちの人で駅からあふれるほどに混雑している。ケーブルカーに乗る順番は、室堂ターミナルのバスに乗りこむ時に配られた整理券の順番と決まっているから、焦ってもダメだ。
 標高977mの美女平だが、もう暑い。下界と変わらない。駅の横には、トンボの群れが宙に浮いている。

 ケーブルカーを待つ間、少し気持ち悪くなって、それをごまかすために冷たいものを飲もうとした。美女平の自動販売機は、ミニペットボトルのカフェオレが180円。山は空気を運ぶのにも金がかかる。

 ケーブルカーの番が来た。この時にはぐったりとしていて、満員の車内で立っていられずイスに座ってしまう。ケーブルカーが急斜面を下りだした。振動が腹にくる。ヤバい。吐きそう。気持ち悪い。立山駅まで保つか。
 あ、本気で苦しい。がんばれ。自分、保ってくれ。

 立山駅に着く。ケーブルカーを下りる時には、もう喉まで上がってきているが、人が多すぎて前になかなか進めない。トイレ、トイレはどこだ。あった。飛びこんで大便器を探す。もう口まで上がってきた。ギリギリセーフで便器の中に吐いた。中が茶色の液体に変わる。量の多さからみて、美女平のカフェオレだけでなく、室堂で飲んだものも、全部出したようだ。

 苦しい。吐き気は少しおさまったが、眠気も続いている。昨夜ろくに眠れなかった反動が、ここで来たか。まずどこかで休まないと動けない。

 立山駅の待合室には冷房がかかっていた。ここのテーブル席に腰を下ろす。冷水のサービスがうれしい。ここには食堂がついていて、うどんとかカレーとか軽食が食べられるが、そんな気分ではない。登山用品も売っている。大画面の液晶テレビでは、高校野球が流れていた。

 待合室で少し休んで回復した私は、汗まみれの体をそのままにしておけず、予定通り、ホテル森の風立山へ行く。日帰り温泉があり、入浴料900円。ニホンザルが出迎えてくれたのは、動画を見てください。

 風呂の中はさすがに撮影できなかったので、説明する。浴場はとても広かった。白のタイル貼り。ふつうのお風呂、冷泉、ジェットバス、中で立てるほど深くて、円形の中をぐるぐる歩きながら、足や腰にジェット水流で刺激を与える風呂もある。サウナはあったが使えるか、わからない。外の露天風呂に出ることができる。露天風呂はぬるい。今朝から登ってきた立山連峰は見えないけれど、緑の山々を正面に眺め、青空の下、湯につかる。体がほぐれていく。疲労がとれるといいな。

 温泉のお湯はぬるぬるしていた。あとで確認すると、ここの温泉は、あわす野温泉といい、Ph9以上の強いアルカリ泉だそうだ。強アルカリ泉は、皮膚の汚れや角質を落とすのに効果があり、肌がつべつべになる美人の湯だ。
 温泉で登山の疲れがかなり取れて、この後の長距離ドライブができそうなところまで体調が戻った。ありがたい。私が美人になったかどうかは、読者のご想像にお任せします(笑)

《……to be continued》

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