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【ポケカ】ハイランダーアルセウスを本気で考える・巻ノ一

まえがき

初めまして。

「のの」というものです。
最近ポケカに復帰し、あるデッキを握って、ジムバトル等の大会で着々と入賞したり、しなかったりする人生を送っています。

《ハイランダーアルセウス》の構築についてすぐ見たい方は「基本コンセプト」からご覧ください。ハイランダーという概念を知りたい方は「ハイランダーとは?」からどうぞ。デッキ構築の背景などを知り交歓したい方は「回顧」からどうぞ。

回顧

 一旦ポケカをやめる前は、結構なガチ勢で、貧乏学生ながらまぁまぁの額を投資していました。握ってたデッキは所謂「ピカゼク」というやつで、最速先行2ターン目に150点出しつつ3エネ加速でインチキして、次の3ターン目に200+160点ぶっ放して、TAG TEAMとカプテテフか何かを2体ぶち抜いて、サイド5枚とってほぼ勝ち!みたいなデッキです。懐かしい....

 さて、ポケカに復帰した理由は色々ありまして、新しい生活環境でポケカが盛んであったり、高騰や転売が落ち着いたからであったり…..
 しかし、私が復帰した最たる理由は、今から紹介するこのカードの無限の可能性に溺れたからです。

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神々しい
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強い (小並感)

 これ。【アルセウスV】ラインです。久々に寄った家電量販店のポスターで、コイツの性能に目を配った時に、目ん玉剥き出しながら驚愕し、冷めやらぬ興奮を覚えたのです。

 今からするアルセウスの強さの説明は、普段ポケカに興じられている方々にとっては冗長この上ないと思われますが、今一度このカードの強さを語るとすれば、

  • 三神と同等の追加効果を持ちながら、かたや奴らは水鋼無という高難易度の要求エネルギーなのに対して、こちらは無3つで運用可能で、さらに200ダメージも出ちゃうわざを、特にデメリットなく打てる

  • 試合中一回とはいえ、2枚の確定サーチにより、ゲームコントロールを決定づけかねない特性を、特にコストなく打てる。

  • 進化を要求するからか、異常に高いHP

  • なぜか軽めな、逃げエネ2 (正直ここが地味にエグい。)

  • ここまで大盤振る舞いで、サイド二枚しか取られないという謎仕様

インフレを感じると共に、「ポケモンカードにも分かりやすく強いカードが来たな!」と思いました。

 で、ポスターに釘付けになった後、すぐさまその店でスターバースを2BOXほど購入してしまいまして。(後日談として、このスターバースを買ったのは2月中旬で、友人曰くその時期にこれが売れ残っていたのは奇跡としか言いようがなかったらしい。)
で、運悪くも2BOXで出たのはアルセウスV一枚だけだったので、追加BOX購入やシングル買いやらでアルセウスラインを揃えたのです。

 で、なぜこんな衝動買いを決行したかというと、子供の頃から、「ある系統のデッキ」を作れば、ポケモンカードは最強なんじゃないか。と常々考えていたからです。あるデッキタイプ、それはハイランダーです。

ハイランダーとは?

ハイランダー (Highlander)
ハイランド人のこと。彼らは、スコットランド北部のハイランド地方の住民。イギリスでは、
ブラックウォッチやスコッツ・グレイなどの精鋭部隊を始めとするハイランド人で組織された連隊は、
ハイランダーズ(Highlanders)と呼ばれ、粒揃いで強力な軍団であったとされる。

 原義は以下の通り。簡単に言えば有象無象の強い奴らということです。  
 TCGでいうところのハイランダーとは、
GoodStuff (優秀なカード)を複数ピン刺ししたデッキ」のことを指します。いいカードがいっぱい入ってるから強いよね、的なノリです。
あらゆるTCGでのハイランダーデッキの基本コンセプトとして、

  1. うまいことサーチやドローを繰り返し、手札などのリソースを確保

  2. 確保したリソースから、特定の状況で繰り出せば超強いカードを、的確に当てていく

という戦法を取ります。
 某クリーチャー系TCGだと、「何かしらの自分のカードが複数枚見受けられる状況の時、このカードは墓地に行く。その代わり、めっちゃ強い。」みたいな、ハイランダーデッキのためのカードが、あるほどです。

 ハイランダーという概念を、ことポケモンカードに当てはめたら、何をするデッキなのか?ということを考えると、
相手の弱点のタイプを、的確に当てていく」
 という結論が、得られやすいかなと。これが、ポケカにおけるハイランダーの常套手段となり得ます。

 この常套手段は、うまくいけば強いことは、誰の目にも明らかです。
こう思えてしまうのは、弱点を突くとダメージ2倍という、一見競技性を全く度外視した、手の込んだジャンケンみたいなルールが、現代までオメオメと残ってしまっているからに他なりません。

 しかし、ちょっと前の時代のポケカでは、この考えは机上の空論でした。
なぜなら、ポケカには、「エネルギー という色当てはめ要素」があり、カードに対して、正しい色を正しい数当てはめないと、アドバンテージを一切取れない仕様だからです。
そして、当てはめる色の種類が多ければ多いほど、正しく当てはめられる確率は指数的に減っていくのはあたりまえで、どんどんアドが取れず不利になっていきます。
 よって、昨今まで、デッキに入れるタイプは2種類くらいで、特性目当てで使えないタイプのポケモンを出したら置き物になる・みたいな風潮が、定石として定着してしまっています。
 
これは、まぁ正しいと思います。タイプは絞った方が、色当てはめが容易になるし、特性が強いポケモンは置物になってでも、デッキに入れたいです。しかし、そのセオリーの代償として、メインアタッカーの弱点タイプが、デッキの弱点としてそのまま露呈するのです。

 
さて、複雑な色当てはめは、どうやったら実現できるか。先人たちは色々な方法を模索しましたが、最適解はやはり、「山札からエネルギーを持ってきて貼っつける」系の所謂デッキからエネ加速を使うという結論に至ります。
 しかし、デッキからエネ加速効果を持つカードには、きつい制約があることがほとんどです。あの頃、簡単に3エネ加速できて超かっこいいピカゼク、インチキなGXワザとエネ加速で誰がどう見ても強い三神でさえ、前者は雷エネルギーを加速することに限定であり、後者は技を打つために必要なエネルギーが多色で複雑・という制約がありました。

 よって、ハイランダーは今までカンペキな机上の空論で、実現不可能なことが分かりきってしまっていて、実現したい気持ちは残りながらも、諦め、その葛藤を抱えながらも、ピカゼクを握り続け、やがて一時引退をしたあの日。
 そして今、偶然にも巡り合った正真正銘の救世神。それがアルセウスなのです。

基本コンセプト・展開

 まず、ハイランダーアルセウス (5/6追記:アルセウスバレットと言うデッキ名の方が有名らしい)は、現時点で以下の2タイプに分類されます。

  • れんげきハイランダーアルセウス

    • 「れんげき」ポケモンで構成されたカード。純粋にカードパワーが高い傾向にあり、打たれ強いが、ダメージばらまき系の技が多く、ベンチ狙撃に対して防御を貼る【マナフィ】を明確に天敵とする。

  • Vたね軸ハイランダーアルセウス

    • 「れんげき」よりカードパワーとHPなどを犠牲にするが、枠に若干の余裕が生まれ、多様性がある。【ライコウV】【エンテイV】【ガラルファイヤーV】【ガラルサンダーV】などといった、要求エネが軽くインスタントに使いやすいカードを【オーロラエネルギー】でとりまとめる。

どちらにせよ、ハイランダーアルセウスがやる基本的な展開は以下の通りです。

  1. アルセウスがトップバッターが理想展開

  2. 初ターン、相手のポケモンを見てデッキタイプを予想し、有利なタイプを見極め、該当するポケモンを着地させておく。

  3. 次のターン、アルセウスVSTARで後ろの有利ポケモンにエネ加速 (スターバースを使えば自ずと安定する)

  4. 次のターン、有利ポケで殴っていく。

という展開を理想とします。

デッキ構成

 前節にて、ハイランダーアルセウスには2つのデッキタイプがあると申しましたが、この巻ノ一では、れんげきタイプを紹介します。

 れんげきハイランダーアルセウスを構築するにあたり、いくつかの調整を経て最初に「落ち着いた」と思えた構築は以下です。

デッキコード:vkkkfk-mg6TAi-5FkkF

 このデッキを構築するにあたり、意識していることは2点あります。順に紹介していきます。

ニンフィアVの重要性

 このデッキにおいて、ニンフィアV、ニンフィアVMaxの高いハイランダー適正は看過できません。

先行1ターン目での「ドリームギフト」は強力。
ハイランダー適正の高い「ダイハーモニー」を持つ。

 まず、【ニンフィアVMAX】は、ベンチのタイプの種類数に比例してダメージが上昇するわざ「ダイハーモニー」を持ちます。ハイランダーとの相性は言わずもがなです。無色3つで打てる点もデカく、余ったエネルギーはとりあえずこいつに貼っつけとけという展開もあります。
また、このデッキの中でバトル場に最も大きいダメージを出せるのは、このニンフィアVMaxであるため、弱点をつけるポケモンがいない時はこいつを出します。

 下敷きとなる【ニンフィアV】も相当注目しています。

 【ニンフィアV】の特性「ドリームギフト」は、先行での動きを一段階洗練させてくれます。
 一見ターンが終わるというデメリットに目が行ってしまいますが、先行でアルセウスとニンフィアを立て、アルセウスの方に1エネ手張りし、ニンフィアで【しんかのおこう】をサーチすれば、2ターン目に、【アルセウスVSTAR】をおこうでサーチし、進化させ、そのまま「スターバース」で【ダブルターボエネルギー】とその他必要カードをサーチするという、お決まりの流れが成立してしまいます。

 この安定感は非常にクセになります。

 【アルセウスVSTAR】は強力ですが、このカードに頼り切りすぎると、展開が思った以上に遅れたり、最悪何もうまくいかなくてお通夜モードな状況になることもあります。ニンフィアを使うことで、相補的に必要なカードを収集し、場をととのえつつ、ニンフィア自身も、進化すれば置物になりづらく、殴っても普通に強いアタッカーに変貌するところが、評価が高いです。

 もう一つ【ニンフィアV】のいいところとして、鋼弱点という点が挙げられます。超タイプの最近の逆風として、悪タイプの猛烈な強化がありますが、その時流と一切無縁のところに位置しているのが、イケてます。

ハイランダーの基本理念として、確定サーチで状況に応じたカードを持ってくること・それらをちゃんと運用できる地盤(要はエネ貼り)は超重要です。それができないとただの有象無象なので。
ニンフィアは、それを後押ししてくれる、可愛くて偉いカードなのです。

2022年春時点での環境の意識

 現時点での環境は、《ミュウVMAXデッキ》《パルキアVSTARデッキ》が
他と比べちょい強めな印象があります。前者は悪弱点、後者は雷弱点になりますが、この2つをどちらも上手い感じに突けるデッキは現状存在せず、あちらを取ればこちらに負ける、いわゆるトレードオフを迫られます。

その点、この《ハイランダーアルセウス》が見ている環境デッキは多岐にわたり、2強もそこそこ見れるようにできています。また、デッキのバランス関係などを考慮し、あえて見ていないカードもあります。

環境の主要カードと、当てるカード

また、各タイプの担当者は、採用基準としては、わざを打つために必要なエネルギーのうち、無色エネルギーの割合が多いものを優先して採用しています。その方が、事故率が少ないです。

《ミュウVMAXデッキ》《パルキアVSTARデッキ》を両方見るために、この2つのデッキに対する担当者は慎重に決めなければならないです。

まず、ミュウに対しては、ここは無難に【クロバットV】がおすすめです。

そもそもクロバットは下敷きの特性「ナイトアセット」が強いため、どんなデッキにも出張していますし、普通の出張であれば、特性を使ったら置物になりやすいところを、このデッキではとたんにVMAXにしてやることで、相手の計算を狂わせることもできます。
唯一痛い点として、「ダイカッター」が悪悪無である点です。ですが、ミュウ相手に使えれば確定で気絶を狙えますので、目をつぶっています。
(むしろ、悪無無とかだったら、ダブルターボエネルギーで160点になってもワンパンなのがやばそう)

次に、パルキアに対しては、以下の3体が候補になります。

パルキアのコンセプトに相乗りできるライコウ

 パルキア単体を見るなら、ライコウが強いです。特性「しゅんそく」は無難にアドバンテージを得られるし、パルキアデッキのコンセプトがライコウのわざ火力に勝手に貢献してくれるので、相性がいいです。お互いのベンチにポケモンが合計6体並べば、パルキアを倒せます。
…と思っていたのですが、実際はそうでもないです。ライコウを立てると、パルキアは真っ先に【ボスの指令】で、ライコウを狙ってくるからです。

【なみのヴェールマナフィ】がいなければ、実質最高火力のゼラオラ

 次にゼラオラです。私はこれを採用しています。理由としましては、「脅威感」を相手に押し付けるためです。ウーラオスなどで盤面を散らかした後に、ゼラオラでダメ押し、は、結構強いです。
ウーラオスの「キョダイレンゲキ」で120、クロスフィストで160でちょうどパルキアVSTARを瀕死にできるのも、美しいです。(というかこの計算を試合中の相手にさせて、脅威感を演出している。)
天敵としてはマナフィです。此奴は採用率を上げているので、ゼラオラ採用だと、厳しい展開を強いられます。

体力が多く、火力も高いサンダースVMAX

 最後は、【サンダースVMAX】です。進化の手間がありますが、それに見合う膨大なHPの獲得により、パルキアにワンパンされづらくなります。必要エネルギーと火力のコスパも良く、終盤をまくる性能は、十分にあります。
基本的にハイランダーアルセウスは序盤はアルセウスとウーラオスで盤面を散らかす展開が多いので、サンダースが出る頃には手負いのポケモンが相手のベンチにいることは多いです。
こちらも、マナフィがきついです。

 自分は、マナフィの採用・不採用は時流によるものがあると思っていますので、状況を見てライコウを取るか、 ゼラオラ or サンダースを取るかと言う感じでしょうか。

サポート・グッズ選択

 真っ先に発動したいサポートは、【冒険家の発見】一択です。

ハイランダーの要。VでもVMAXでもVSTARでも何でも持ってこい

アルセウスの「トリニティノヴァ」が打てるタイミングで、冒険家を打ち、有利を取れるタイプのポケモンをガーッと並べてあげましょう。地味に進化後Vも手札に抱えられるので、後続の安定感がぐぐーんと上がります。

2ターン目にトリニティノヴァを打ちたいので、初ターンでアルセウス以外がバトル場に突っ立ってしまった場合のケアとして、【ふうせん】や、【ポケモンいれかえ】も重要です。これらは、【れんげきウーラオスVMAX】の「しっぷうづき」とも相性がいいので、大量に採用しても腐りにくいです。

最強のグッズ。スタン落ちしたらどういうものに互換されるんだろう…
某王様TCGの法則:テキストは短いほど強い。


課題

こないだ、ジムバトルで《ミルタンクデッキ》にあたりまして、見事に完封されました。なんだあのデッキは…
このままの構成だと明らかに天敵なので、非Vを採用しなければいけません。
また、同じく非Vデッキで、《ミノマダムデッキ》もちょっと厄介です。ニンフィアを立てづらくなるためです。デッキの中にVMAXが多めなので、【グラエナ】や【かがやくルチャブル】なども天敵になります。

さいごに

 TCGという遊びとしてのハイランダーの長所として、今後の新弾で出てくるカードをいろいろ入れ替えながら、その有象無象を無理矢理に運用できてしまうところにあります。
 これにより、最新弾が出るたびに出てくるGood Stuffをこのデッキに出張させ、遊ぶことができます。

 更なる改良を重ね、より洗練され強いハイランダーを構築する所存ですので、次の更新をお楽しみに。

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