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個人的ブルべ記録 BRM622 千葉 もてぎ400

5月に600kmブルべの記事を書きましたが、その続きで今回は400kmの記事を投稿します。


SRをめざして

今回の400kmは自分にとって今年度のSR(Super Randonneur)がかかった最後の1つになる。
SRとはなんぞや?という人は以下のリンクを参照。
簡単に言えば、同一年度内に200、300、400、600を完走するとSRになれるよってこと。

で、自分にとってはこの要件のうち400kmが最後に残ったということになる。
「600kmを走れてるなら400kmも行けるのでは?」と思われる方も多いかもしれない。でも実際の体感では400の方が難易度が高い。

ブルべは制限時間内での完走が求められるが、600の場合は距離が長い分、途中で時間に余裕がない状態になっても後で取り戻せる場合が多い。主催の方もコースを意識して設計していて、300km×2のように組んでいる場合が多いので、その間で宿泊をすることも可能になる。
400の場合はそうはいかず、よほど走れる人以外は走り続ける必要がある。
安全に走るためにどこでどう休むかのマネジメントが大切になわけだ。自分はこれが苦手で、上手く休めないのが400をいちばん難しいと感じている理由になっている。

さて、そんな苦手な400kmの今回のイベントを振り返る。

スタートまで

今回参加するブルべAJ千葉のもてぎ400。
ただし、もてぎとはいっても茂木町には行かない。同時開催している600が茂木町折り返しになるので、このタイトルになっている。600は時計回り、反時計回りの2つ、それに400と300を合わせたブルべが同時開催となる一大イベントだ。
400は一瞬だけ茨城県に入るものの、そのほかは房総半島をぐるっと一周するようなコースになる。

近頃の仕事が多忙で、袖ケ浦市内で前泊したのに朝から眠いという状況・・・先に書いたように、400は休憩が大事になる中、果たして睡眠のコントロールができるのか・・・!?

前半戦(PC3まで)

スタート地点の袖ケ浦公園から幽谷通りを経由して、袖ケ浦フォレストレースウェイの横から丹原林道へ。
この林道は抜け道でも使われることは知ってたけど、車でも自転車でも自分では使ったことがなかったので新鮮だった。路面が前日の雨でだいぶ危ない感じがあったけども・・・
県道168号線に出てからは高滝湖、そこから鶴舞、県道284号線で原田のセブンイレブンまで。ドライブでも自転車でもおなじみのルート。
そして33.6kmと早々にPC1となったので、最低限のドリンクだけ買ってすぐに出発した。

PC1からはうぐいすラインを北上する。
さんざん走ったコースではあるんだけども、よく考えると土砂崩れで通行止めになって以降は初かも・・・?その土砂崩れが2018年だそうなので、だいぶしばらくぶりだったらしい。
うぐいすラインを過ぎてしまえば、しばらくは北総のフラットな道が続いて、93.4kmでPC2へ。
この日はどうも足が回らない感覚が強かったので、緩めに回しながら走ってきたところに、気温が上がってきて結構つらい感覚があった。

それでも100kmも来ると、残りも頑張るかーという気持ちになったので、自分の中で区切りのようなポイントを置いておくと個人的にはいいのかもしれない。

PC2を出てから10kmあまり走ると、今回のコースで唯一、他県(茨城県)を走る区間に入った。若草大橋から入って、神崎大橋でまた千葉県に戻る約20kmを走った証明として、この短い区間にフォトチェックが2か所設けられていた。

いい笑顔。
オタクはこれで頑張れる。

再び入った千葉県、成田のちょっとしたアップダウンを越えながらたどり着いたPC3で軽く補給。

こんなこと書いてるけど、腹減りで、暑さも増してきてだいぶフラフラ気味だった。
そんなわけで、ブルべでもちゃんとお昼を食べる!のを楽しみにしているので、今回は成田市内でお昼を食べるために入店して、目についた冷やし中華を注文した。

理想的な冷やし中華・・・!!!具材のチョイスもバランスもすべてが好き。
町の食堂という感じでいろんなメニューがあって、いろいろ気になったからまた機会を見て行ってみたい。お店はこちら。

食事後、成田空港を離発着する飛行機を横目に南東方向に向かう。
芝山はにわ道に入ったところで、気になる名前の工場を発見・・・

古いオタクなのでつい反応してしまう

後で調べたら、りんごの加工会社らしい。なるほど。

太平洋側に合流してからは海沿いに南下するルートで、一宮まで。
この区間、ひたすら南からの向かい風でペースが伸びず苦戦・・・それでも今季の600で向かい風に対するメンタルが鍛えられたのが大きい。
無理せずマイペースで踏み続けて、PC4、199.9km地点、つまりほぼ折り返しに到着・・・この時点でほぼ3時間の貯金ができていたので、少し長めに休憩した。

後半戦(ゴールまで)

ここから海を離れて、房総半島の内陸側へ。

緩いアップダウンを繰り返しつつ、養老渓谷に向かうルートなのだが、途中で疲れと睡眠不足からか、眠気が強くなって走行が厳しそうなので、仮眠することにした。まだ明るい18時前なんだけどな・・・いや、人のせいにするわけではないけども、途中のベンチで仮眠している参加者を見たのもあって誘われるように眠気が増してきたのもある。
いすみ鉄道の駅前にちょうどベンチを見つけたのでそこで少し横になる。

しっかり眠れた、とは言えないけども20分くらい横になって目をつぶるだけでだいぶ眠気が飛んだ。お世話になっておりました。。

そこから20kmほどで、このブルべでも有数の登りとなる三石山の登坂が始まった。
三石山の登りは序盤こそ緩いものの、林に囲まれた区間から一気にきつい勾配が連続する上に、周辺の明るさも奪われて気持ち的にも登りがとてもきつかった。ここまでしばらく一緒に走ってきた参加者と坂に対する文句を言いながら登ったのでだいぶ気分は楽だったけども・・・
途中、コンクリートの区間もあったからまだ雨が降ってなくて良かったと思うことにする。

なんとかたどり着いた三石山の上でフォトチェック。

トイレをバックに撮るのはなんかイマイチだけど明るさからしてこれがちょうど良かったので…
そして下りも問題だ。初の山道で、しかももう周辺が真っ暗、荒れた路面とくればスピードを出せるわけもなく。途中のグレーチングはロードのタイヤがハマるくらいの隙間もあったので、ゆっくり走って正解だった。

ここから房総スカイラインに出て鴨川方面に向かうルートになる。途中、濃溝の滝のところで駐車場入りの大混雑。こんな夜に大型バスまで来ていてなんだろう?と思ったらあそこは夜、蛍の観察スポットになるらしい。知らなかった。あんなに人がいたら風情もなんもないと思うけど、いまや蛍が見られるところなんてそうそうないもんなあ…

鴨川まで下ってきたところで、久々の「街」を感じる。

21時前。ここから本格的な夜の走行。

ここで夕飯にしたかったのだけど、狙ってたお店が閉店時間間近だったので見送り。雨が降るまでに少しでも進むことにした。

一宮以来の海。
ただし真っ暗でなんも見えない…

海岸沿いに進む中で、21:30ごろ遂に雨が降り始めた。降りが弱ればそのまま進むところだけど、それなりに雨量が出てきたのでルート沿い和田町のコンビニで補給をしつつレインウェアを装備した。

道の駅ちくらで雨宿りしつつの仮眠を交えて、PC4となる白浜のセブンイレブンに到着したのが23:30近く。

この頃には雨の振りがいったん弱くなって、レインウェア無しでも走れるくらいのコンディションになっていたけど、防寒も兼ねてきたまま進んできていた。
なんとか3時間弱の貯金を持ったまま進めているので、上出来か。

それにしても海岸沿いに立つリゾートホテルの横を通りながら、「あの中ではふわふわのベッドで気持ちよく寝る宿泊客がいるというのに、俺は一体なにをしているのか」とつい考えてしまう。
でも真夜中のコンビニで小雨に降られながら食べる沖縄そばは美味い。

PC4でしばらく休んでから出発早々、短い登りが連発して登場して深夜に坂道に文句を言いながら登る。さらには4km弱と千葉県にはあるまじき長い坂、長狭街道の登り返しと、思い返すと足が削られ続ける区間だった。
ちなみに途中、三芳村の道の駅のベンチでまたしても仮眠していた。屋根があるベンチは雨がしのげてありがたい…!

よくわからない写真だけどベンチ

鹿野山の登り前に設定されたPC5には3時前に到着。
こんな時間に営業してくれて食べ物を買うことができる日本のコンビニに感謝…!

補給をそこそこにしてから、遂に今回のブルベのKOMであり最後の長い登りである鹿野山へ。
鹿野山も何度も自転車で登ってきた山だけど、未明の時間帯に、さらに言うと350km走ってきてから登ったことはさすがに経験がない。勾配がきつい区間で膝に違和感が出たのでしばらく押し歩きで登ることにした。一昨年に参加した400でも最後にこういった勾配がきつい山を登ることになって、完走後に膝を痛めていたことがあったので無理はしないでおく。時間の貯金もあるから気持ち的には余裕が持てた。

そんなわけでストラバでこのセグメントの記録を見ると、自分のPRから倍近い時間かかってようやくマザー牧場の牛と対面…!

終わったよ…登りきった。あとは下って街の区間を抜けてゴールするだけだよ…

と、思ったら、日の出時間ごろからまた雨が強くなって、残り15kmくらいからは大雨に…

レンズが湿度にやられてる

ラストのフォトチェックは袖ヶ浦海浜公園で。

この看板前の路面が苔むしてて雨でありえんくらい滑って、転倒死するかと思った…

最後はさらに雨が強くなる中をゴールに向けて黙々と走って、スタート地点の袖ヶ浦公園に戻ってきた。スマホも水没気味で、ブルべカードの写真は撮れなかったけど、無事完走して400kmのメダルも購入!

最後に

アップダウンや悪天候に苦しみながらも24時間強、400kmの旅が終わった。ガーミンのクライムプロ対象の登りは17ヶ所でストラバ計測で獲得標高が3000mくらいと、千葉県がいかに細かいアップダウンがあるかがわかる。
今季のSRを考えると1500kmの旅が終わった達成感。
このブルベの中でも、1500kmのうち残り何kmかと考えることで、自分の気持ちを切らさないようにしていた。

そして、今季どうしてもSRを取りたい理由があったのが、今回頑張れた要因にもなっている。

去年の11月。峯田茉優さんのバースデーイベントに参加したときのこと。
いま好きなものテーマに参加者がメッセージを書いて、それを峯田さんが読み上げてトークテーマにする企画があった。
この時に、自転車を頑張ってます!と書いた自分のメッセージがイベント内で読み上げられてオタクの俺が爆死するという出来事があった。
(自分のTwitterにはイベント参加した人にしかわからないように書いたけど)

峯田さんに「すごい!」と言ってもらえたのが嬉しかった一方で、2023年度は自転車的に何か達成できたことがなかったので、実は自分としてはモヤモヤした部分が残ってしまった。
これは「自転車を頑張ってる」なんて書いた自分が招いたことなので、今年は自分なりの結果を何かで出したかったというわけで、それがBRMの SRだった。
実をいうと2023年度の結果からして、ブルべはしばらくお休みしてもいいかな・・・?と思っていた節があった。200kmならともかく600kmは長い時間もかかるし、何より身体的によくないことをしている感がすごいw だから一度、離れてやりたくなったらまたやろうかな?くらいに考えていたりもした。
そんな中、「自転車頑張ってるオタクとして認知された」と(勝手に)自分でプレッシャーをかけて、何かを達成したいと思えるようになったのだった。まさかこんな出来事から自分のモチベーションが復活するとは思わなかったけども。
自分のメッセージを箱から引いて読んでくれて、しかも話を広げてくれた峯田茉優さん、改めてありがとうございました。
感謝のためにこれからも応援しますね!

そんなわけで、今年2年ぶりのSRとなった。

たくさん600とか400を走りたい人ではないので・・・
今年の残りは気になる200や300もいくつか走って楽しもうと思います。
(1000はやらないです・・・)




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