異世界というか地獄

幼少の頃から見えない存在と会話していたらしく変わった子、おかしな子、不思議な子と言われながら育ち友人はもとより家族とも普通の関係を築けない人生に疑問を持つようになる。

高校を卒業し進学のために隣県へ。半年くらいで不思議な感覚に巻き込まれるようになる。不思議などというとまだ可愛く聞こえるが実際は異世界の渦に巻き込まれたようだった。幽霊が見える、毎晩幽体離脱。抱いていたぬいぐるみが苦しそうにもがいて目を覚ます。そんなことは日常茶飯事で、だんだんと心が荒んでいった。

そうしているうちに全身の激痛。頭頂から足の裏まで稲妻が走るようなエネルギーの串刺し状態。燃えてるような熱さもあり床に突っ伏したまま痙攣を起こす。過呼吸なんて言うのは当たり前。気付けば呼吸が止まってることもしばしば。

一番は何故か歯。高校を卒業したあたりから何故か歯が欠けるようになっていき、隣県に来て半年の間にボロボロと欠けるようになっていった。しかもいきなり神経まで達し、穴が開くだけ、欠けるだけで痛い。耐え難い痛みでテナントに入っていた歯医者に駆け込んだのは3連休前の午後。休診だった。再開は連休明けからだという。親元離れたばかりの学生、緊急外来で他の院を探す選択肢はなかった。もちろん歯の痛みに加え、全身の強大な痛みは、3日間で終わるはずもなかった。ちなみに3日間痛みで寝れず通い始めた歯医者からはその後数本の歯を無くされることになる。笑われながら。

自分探しの旅

進学で出たもののこのような痛みや幽霊が見えるなど、とても勉強どころではない。わからない、教えてほしい。頼ったのは占い師だった。占い師なら人生経験も豊富だろう、歯医者の件もあり医者は信用してなかったから精神科には行かなかった。そもそものこの不可思議な現象は精神のものではないと薬を飲んだから治まるとも思えなかった。そこから運命学や宇宙学に興味を持つどころかのめり込んでいくことになる。藁にもすがる思いで原因の追究に奔走する。何のために引っ越しをしたのかもはや目的が埋もれ、結局望んだ道にも阻まれる。最大の暗黒時代。試験も結局は駄目だった。


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