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拝啓、6年前のジブン

2012年2月25日の片山直也。

こんにちは、2018年2月25日の片山直也です。今こっちは、中学生棋士が国民栄誉賞の棋士に勝ったり、平昌五輪フィギアスケートで23歳が金メダルを2冠したり、年下がすげぇよ。俺もアンタに負けへんようにせんと。

今日は大学受験の二次試験やったな。にも関わらず5日前、お前のじいちゃんは天国に旅立った。不安かい?そりゃそうだ、大学を休学して、仮面浪人やもんな。もし落ちたら、どんな顔して前の大学のクラスのみんなと会えばいいかわからへん。こんな時に死ぬなよな、じいちゃん。何も手つけへんやんけ。

でも、大丈夫や。3月のはじめになって、大雨の日の午後1時5分。ぐずぐずしながらベッドから起きて、アンタ泣くねん。声をあげて、わんわん泣くねん。どんな重いもん背負ってたんや、ってぐらい泣くねん。それがアンタの人生初の嬉し泣き。声にならない声で、母親と2人の親友に電話して、「受かった」と報告する。高校では学年で下から5番やったやつが大したもんやで。

アンタは、大阪府立大学 地域保健学域 教育福祉学類というところに入学する。大学のボラセンを訪ねて長髪のお兄さんと出会ったことをきっかけに、岩手県の沿岸部の被災地にいって現地のお父さんお母さんと話したり、真面目に塾講師やテニスコーチのバイトしたり。先生も先輩もアツいからな、食らいつけよ。

それからアンタはまた休学して東京いって、シェアハウスに住みながら社会起業家のかばん持ちしたり、若者の機会創出のためのビジコンを運営するインターンをしたりする。ネットで記事書いたり、コピーライターになるための講座に通ったり、起業家プログラムに参加したりするやもしれん。大学に帰ってからは卒論を書くんやけど、休学してる2年の間に経験したインターンシップをテーマに書くやもしれん。TEDxというイベントの代表をするやもしれん。

いろんな選択肢があるから。世界を広げられるのは今しかないと思って、徹底的に動き回るんやで。自分は自分の中におる。点と点は線になるもんで、いま振り返ってみると、25年なりに線になってるんや。

え?学びたかった国際支援のことじゃなくて、ようわからん学部やし、第一志望じゃないけど大丈夫かって?心配すんな。府大とか教育福祉学類にはな、アンタのことを理解してくれる仲間と先生と職員さんがおるぞ。休学届け出し忘れてても、許してくれる。ちゃんと学びたいことや志事みたいな職業と出会える。いまの理想通りちゃうかもしれへんけど、大丈夫。汗かけば、ものになるぞ。

まだ何者でもないアンタに、大人になったアンタがどんな道に進むか教えたろ。広告系のベンチャー企業に就職するんや。「面白法人」というキャッチコピーで、面白がって働きながら、面白い広告とか企画をつくる会社や。思ってもないやろうけど、「面白い芸人が人々を一番幸せにしてる」 って考えてるアンタからすると、あり方としては、外れてないかもしれへんな。納得いくまで汗かけば、おのずと道は拓けるもんよ。

あ、「直也」っていう名前、大切にしろよ。素直・正直・実直。これから6年間、その「腹のなさ」ばっかり褒められるんや。また5年後に会いに来るよ。

長かった大学生活ももうすぐ卒業です。最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。誰に向けての言葉かって、あなたとわたしです。

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