なんでそれは誕生したのシリーズ『デザイン』
こんにちは。渋谷の制作会社で働くcazです。
僕自身、デザイナーでもなんでもありませんが、デザイナーと一緒に働いていて思うことがあります。
それは、一般的に普及している、さらには僕自身を含め、デザインについて誤解していたことが多いということです。
今回はそんな誤解を解いて、デザインに対する理解を深めるために、デザインという考え方がどうして生まれたのか。ということを軸にお話したいと思います。
ちなみに、デザインの歴史の話を持ち出すとどうしても、偉大なデザイナーの名前を数多く持ち出さなければならなくなるのですが、そうすると、デザインの面白みを感じないまま、デザインに対して難しい印象を与えてしまうと思ったので、なるべくそれを感じさせない内容になるよう心がけたいと思います。
デザインとは何か
デザインとは「関係の構築」です。
おっと...なんだか早速難しそうですね。
たとえば、一般的に普及している、誤ったデザインに対するイメージとして「装飾」が挙げられます。
何もない壁に、ペンキを取り出し、美しく装飾すること。
この行為自体はデザインではありません。
しかし、何もない壁の一部に穴を開けたい時、その箇所を指し示すために目印として色を塗ること。これはデザインです。
つまり、デザインとは、それ自体で完結するものではなく、対象としているものに対して私たちがどういう行為をすれば良いかの判断を助けるものです。
これが「関係の構築」の意味です。
"デザインのセンスは人それぞれ"は誤り
よく、「デザインセンスは人それぞれ。良し悪しの判断もみんな違ってみんなよい」といった声を聞きます。僕自身にもその考えはありました。
しかし、デザインとはセンスではないのです。
デザインと絵のうまさは違います。
先ほども言ったように、デザインとは「関係の構築」です。
「関係の構築」に必要なものは、センスというよりも、"リサーチ"と"追求"です
対象と人間をどのような関係にする必要があるのか?それを実現するために対処すべき問題はなにか。
これを追求することで、より良いデザインは生まれます。
デザインは、外に目を向けて行う行為です。内にあるセンスのみで行うものではありません。
デザインとアートの関係
最後に、デザインとアートの関係についてお話したいと思います。
よく似たようなもとして扱われてしまう両者ですが、性質は全く異なります。
しかし、アートはデザインを行う上で非常に参考になる分野なのです。
アートとは、優れたアーティストが自身の中にあるまだこの世にはない感覚を表現したものです。
アーティストは、自身の複雑過ぎる感性に形を与えるべく、表現に対して多くの実験を行っています。
アーティストの作品を"なぜ?"で紐解いていくと多くの示唆が見つかります。そして、そこでは人間の根本的な欲求を見けることができます。
人間が行動する際には、欲求の存在があります。その欲求を知ることで、より機能するデザインを編み出すことができるのです。
アートは、デザインに必要な表現手法だけでなく人間の欲求を知ることができる、とても優れた教材なのです。
(アート作品を見て、あなた自身が心踊ったとき、その気持ちだってデザインの参考になるでしょう)
デザインについて、わかりやすくお伝えすることはできたでしょうか?
今回のお話は、僕自身が仕事の中で感じた、本当のデザインについてのお話ですが、一般的に普及しているデザインの解説本と比べても、大きく違ったことは言っていないように感じます。
デザインを勉強している方の参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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