見出し画像

トヨタ式 カイゼンの会計学

こんばんは。Nishiiです。
今回はBookOFFで出会った220円の良書を紹介します。

会計を勉強する今日このごろ。
下記に掲載する問題を見て、会計学の中でもこの考えは絶対必要だな。
と思って即購入しました。皆さんも一緒に考えてみてください。


「馬」と「豚」どちらが「儲かる」でしょうか?

【馬】情報
・仕入 1頭5万円
・飼育代 3,000円/月
・2年後に25万円で売れる

【豚】
・仕入 1頭1万円
・飼育代 1,000円/月
・1年後に4万円で売れる

ちなみに僕はぱっと読んで「馬」だと思いました。さて合っているのか。
本を読んでみると評価方法(考え方)でどちらが儲かるかが違うようです。

①単純に粗利で比較

「馬」の粗利=
25万円-12.2万円{5万円+(3千円/月×24ヵ月))}=12.8万円
「豚」の粗利=
4万円-2.2万円{1万円+(1千円/月×12ヵ月))}=1.8万円
結論:「馬」

②仕入れ値の違いを考慮

それぞれの仕入れ値粗利率=粗利÷仕入値
「馬」の仕入れ値粗利率=12.8万円÷5万円=256%
「豚」の仕入れ値粗利立=1.8万円÷1万円=180%
結論:「馬」

③売値の違いを配慮

売上高利益率で比較するため、それぞれの粗利÷売値
「馬」の売上利益率=12.8万円÷25万円=51%
「豚」の売上利益率=1.8万円÷4万円=45%
結論:「馬」

ここに時間の概念を入れて評価してみる。
これが著者が大事にする会計学「Jコスト論」


④飼育時間の違いを配慮 時間評価

仕入れ時間を縦軸、飼育期間を横軸にして、お金を使っている状態を図に表してみる。

「馬」の仕入れ価格5万円は「豚」5頭分にあたる
「馬」の飼育期間は2年で「豚」は2回飼育ができる
ということは、「馬」1頭を飼育して売るまでに「豚」は10頭を飼育できる

「馬」12.8万円×1回=12.8万円
「豚」1.8万円×10回=18.0万円
結論:「豚」

⑤飼育期間の違いを配慮 時間評価パート2

先ほどは「面積」を同じにして粗利比較をしましたが、「面積」の形を問わずに比較する方法がこちらになります。

「馬」粗利÷「面積」=12.8万円÷(5万円×24ヶ月)=0.11/月
「豚」粗利÷「面積」=1.8万円÷(1万円×12ヶ月)=0.15/月
「馬」0.11/月×12ヶ月=1.32/年
「豚」0.15/月×12ヶ月=1.80/年
結論:「豚」

⑥月々の飼育代も配慮して評価 時間評価パート3

先ほどは定期預金のような評価でしたが、飼育代も入れて積立預金のような評価にしてみます。四角形ではなく、台形のような形です。

「馬」の三角形(飼育代)の『面積』
=(3千円×24ヶ月)×24ヶ月÷2=86.4万円・月
「豚」の飼育代の『面積』
=(1千円×12ヶ月)×12ヶ月÷2=7.2万円・月

「馬」の長方形の『面積』
=5万円×24ヶ月=120万円・月
「豚」の長方形の『面積』
=1万円×12ヶ月=12万円・月

最後に三角形と長方形を足した台形の『面積』あたりの『儲けの評価』
「馬」の『儲けの評価』=粗利÷台形の『面積』
=12.8万円÷(86.4+120)万円・月
=0.062/月

「豚」の『儲けの評価』=粗利÷台形の『面積』
=1.8万円÷(7.2+12)万円・月
=0.094/月

結論:「豚」 しかも「馬」よりも約5割増で儲けられる。

どうでしたか?ついてこれましたか?
正直、私は一度読んで数値まで納得できませんでした。
ただただ、時間感覚を取り入れる重要性はわかりました。


「時間の経過」=「儲け」の能力を「ムダに寝かせている」

Time is Money
という言葉がありますが、まさしく時間経過もお金がかかっているという認識を忘れてはいけませんね。

不動産の投資分析にも「IRR」というのがあります。
所有しているときの利回り計算のみではなく、買ってから売るまでの収益性を表す指標になります。1年単位ではなく、5年10年の長期的な考えがビジネスチャンスを教えてくれます。

以上、「トヨタ式 カイゼンの会計学」でした。