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コストを最小限にしてオンデマンドで出版する③ ついにキンドル出版で小説が発売された!

情報サイト「プレジデントオンライン」に、日本で最も権威のある美術展の日展と、上下関係が厳しく、金銭体質と言われている書道界の実態を追ったレポートを書きました。お時間のあるときに読んでみてください。

「週刊文春」の取材を受け、宝塚歌劇団を傘下に持つ阪急阪神ホールディングスのコーポレートガバナンス(企業統治)についてコメントさせていただきました(2024年1月4・11日号)。タイトルは「宝塚『闇の金』」です。お時間のあるときに読んでみてください。

「プレジデントオンライン」という総合情報サイトで、宝塚歌劇団と阪急阪神ホールディングスが改革すべきこと、急務の問題について記事(第2弾)を書かせていただきました。お時間のあるときに読んでみてください。

「プレジデントオンライン」という総合情報サイトで、女性の社外取締役や女性のアナウンサー、アスリート、タレントとの関わりについて記事を書かせていただきました。お時間のあるときに読んでみてください。

「プレジデントオンライン」という総合情報サイトで、宝塚歌劇団の劇団員の死や宝塚歌劇団の記者会見、阪急阪神ホールディングスの会長や社長の減給処分について記事を書かせていただきました。お時間のあるときに読んでみてください。

今回書いたの小説の底流をなすテーマは、中国の春秋時代の故事を由来する「蟷螂とうろうおの」だ。蟷螂はカマキリのことで、斧はカマキリの前足、カマの部分を指している。蟷螂の斧とは、力のない者が、自分の実力も顧みず、相手がどんなに強くても立ち向かうことのたとえで、小説のタイトルにも、この故事を盛り込んでいる。

本の表紙をデザインするに当たって、デザイナーには小説のタイトル、帯のキャッチコピー、背表紙のキャッチコピーなど、入れるべき要素を書き出し、カマキリが前足を上げて威嚇しているフリー素材のイラスト2点を添えて依頼した。

もう1つ重要なものが、ペーパーバックの表紙の正確な寸法を示すデータ。表紙全体の大きさである全表紙の幅と高さ、背表紙の幅と高さなどを伝える必要がある。背表紙に本のタイトルや著者名を入れる際に、文字の位置や大きさを判断する材料になる。「表紙計算ツールとテンプレート生成ツール」に必要な情報を入力すると、自動的に算出してくれる。

本文タイプ(白黒かカラーか)、用紙タイプ(白かクリーム色か)、ページめくりの方向(左から右か、右から左か)、本文の判型、ページ数を入力すれば、コンマ2桁(小数点以下2桁)のミリメートルの数字が算出される。

小説の本のサイズは四六判(128×188 mm)が多いので、サイズは127×188 mmを選んだ。算出された本のサイズの情報もデザイナーに送った。本のページ数が変わると、これらの数字が微妙に変わってくる。

自分が思い描く表紙のイラスト案を伝えた。歌舞伎作者の河竹黙阿弥が書いた歌舞伎の演目の「土蜘つちぐも」に、土蜘の精がクモの糸を放って相手を攻撃するシーンがある。カマキリのイラストとクモの糸を組み合わせて表紙を構成できないか、と書き添えた。

デザイナーからデザイン案が送られてきた。デザイナーがフリー素材のカマキリのイラストを独自に見つけ、私が提案したイラストと比較できるように2種類の表紙案が出てきた。

私は、カマキリのイラストを赤色に変えて、黒色のクモの糸で攻撃されるシーンも面白いのではと考えていたが、全く予想していなかった提案だった。白の点描を散りばめた黒地を背景にして、立ち上がって威嚇する緑色のカマキリを組み合わせたものだった。

黒一色だけの背景だと陰影がないが、まだら模様にすることで深みが感じられた。文字の色や本の帯の色も工夫してもらい、表紙や裏表紙を仕上げてもらった。

ペーパーバックはアッという間に発売へ

キンドル出版で本を出した経験者のレポートを読んでいると、本文の原稿、表紙の原稿を送って、アマゾン側の審査があり、何度もやり直しをして大変だったといった体験談が語られていた。

キンドル出版されたペーパーバックの本を買ったことがなく、手元にサンプルがなかったので、表2(表の表紙の裏側)以降の本文がどうなっているのか、奥付にどのような要素を入れるのかも分かっておらず、情報もなかったが、通常の単行本の要素に準じて、見よう見まねで作成。審査の過程で何らかのアドバイスがあり、修正すればいいと考えた。

表4のバーコード、ISBNコード(国際標準図書番号:International Standard Book Number)、定価をどのように表記するのかも知らなかった。審査の過程でアドバイスをもらい、修正する機会があるものと思っていた。

電子書籍には発売開始時期を設定できるようになっていたので、発売予定日を奥付の発行日にした。ペーパーバック版には発売開始時期を設定できる機能がなく、原稿の審査が通ったら、即、発売となる。

実際に、アマゾンのサイトを見ると、ペーパーバックはすでに販売中になっていた。セルフ出版は大変で、時間がかかるものと思っていたので、意外に簡単に販売できたというのが正直な感想だった。完成した原稿でなければ、アップしてはいけないということだ。

電子書籍とペーパーバックを同時販売するにはどうすればいいのか、キンドル出版の問い合わせセンターにメールで尋ねた。回答はすぐに返ってきた。参考になると思うので、引用しておく。

(回答の引用)
ペーパーバックの場合、発売日をご指定いただくことはできません。
そのため、電子書籍の販売に合わせて8月21日以降の発売を希望される場合は、一旦該当の作品のペーパーバック版の出版を停止いただき、再度21日以降にご出版いただく必要がございます。

お客様のペーパーバックを出版停止するには、次の操作を行います。
1.https://kdp.amazon.co.jp/bookshelf で「本棚」にサインインします。
2.出版停止する本の横にある「プリント本のアクション」の省略記号 (...) ボタンをクリックします。
3.「出版停止」を選択します。

24 ~ 72 時間以内に、そのプリント本の印刷の受け付けが停止されます。プリント本が完全に出版停止されるまでの間は、販売が継続され、受け付けられた注文に対するロイヤリティが支払われます。

ただし、そのプリント本の中古本を、第三者が Amazon で販売することは引き続き可能なので、本の詳細ページは Web サイトにオンラインのまま残ります。しかし、出版者がそのプリント本を再出版しない限り、読者が新品を KDP で購入することはできなくなります。

なお、出版を停止したプリント本を再出版するには、次の操作を行います。
1.https://kdp.amazon.co.jp/bookshelf で「本棚」にサインインします。
2.[CHOOSE: 再出版/更新]する本の横にある「プリント本のアクション」の省略記号 (...) ボタンをクリックします。「プリント本の詳細情報の編集」を選択します。
3.本の詳細情報を必要に応じて更新します。
4.販売区域での権利を確認します。
5.必要に応じて価格を更新します。
6.「プリント本を出版」をクリックして、再出版手続きを完了します。

出版関連のタイムラインについては、以下のヘルプ ページをご覧ください。
https://kdp.amazon.co.jp/help/topic/G202173620

出版後に編集可能な内容について詳しくは、以下のヘルプ ページをご覧ください。
https://kdp.amazon.co.jp/help/topic/G200736410
(以上、回答の引用)

これまで、本を販売することを誰にも告知していなかったので、ペーパーバックを購入する読者もいないだろうと考え、ペーパーバックの出版停止、再販売という方法はとらずに、販売中の状態を続けることにした。そして、電子書籍の発売と、ペーパーバックが本格的に販売される日を迎えた。

アマゾンの本のストアで、著者名を入力すると、本の表紙が現れた。Kindle版 (電子書籍)¥0  Kindle Unlimited会員は無料の文字が目に飛び込んできた。(敬称略)

アマゾンのキンドル出版で、2023年8月、ペーパーバックと電子書籍の小説が発売されました。「権力は腐敗する」「権力の横暴や不正を許さない」をテーマにしており、お時間のある方はお読みください。
『黒い糸とマンティスの斧』 前原進之介著

2023年9月25日発売の「週刊現代」で『黒い糸とマンティスの斧』が紹介され、9月27日にネットで配信されました。「現代ビジネス 黒い糸とマンティスの斧」で検索すると、記事が出てきます。時間があるときにお読みいただければ幸いです。


この連載記事は、以下のような流れになっています。
1 小説を書きたいと思い立った「いきさつ」
2 どうしたら小説が書けるようになるの?
3 小説を上手く書くために小説講座を探そう 
4 どの文学賞を受賞すると作家になれるの?
5 文学賞に落選。心機一転再スタートを切る
6 多くの人が小説家を名乗れる時代になった
7 POD(プリント・オン・デマンド)での出版を探る
8 自費出版で小説を出すときの費用と注意点
9 コストを最小限にしてオンデマンドで出版する

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