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[ベトナム旧正月料理]バインチュン

普段からもち米を普通に食べる食豊かなベトナムですが正月にはバインチュンという餅米料理が無くてはならない一品となっています。

Bánh Chưngと書いてバインチュン、チュンには蒸すバインはケーキみたいな意味があるようです。

この週末から旧正月の休暇になるため街中大晦日の忙しい雰囲気で、早朝からいつもと違う雰囲気で働いてる人を見かけます。


その葉っぱ、なんですか?

コレなんですかー?と日本語でにっこり質問すると(至近距離なのに)大声で「バインチュン!!」と教えて下さいました。
この葉っぱで包んで蒸しおこわ作るんですね。


バインチュンが送られてきて余計気になってきた

そんななか、妻の仕事関係からバインチュンが送られてきました。

早く食べたいです…

冷蔵庫で出番を待つ。

多分ほかからも四角いのとか丸いとのか来るはず。。太る太る太る


葉っぱを見たので気になって調べたらナイフな画像が。餅米、緑豆、調理済み豚肉に見た葉っぱ。

葉っぱで巻き巻きして蒸せば短期間ならば保存がきくんでしょう。葉っぱには何が含まれているのか??

これまでも何度かいただいて食べましたが豚角煮と緑豆の粉の入った巨大もち米おにぎり的な物でまぁまぁヘビーでした。

上手な切り方

裁縫用の糸を切りたいカットのラインに設置

バインチュン、力技で包丁で切るとモチモチがへばり付いて残念なことになります。
が、糸を使うと簡単に切れます。
1. 切りたいラインに糸を設置(写真
2. 裏返して設置した順の糸で縛り切る
これだけ。レーザーで切ったかのようにキレイに切ることができます。

ベトナムの餅米食文化

ベトナムでらもち米を普段から食べるのですが、特にハノイなど北部では朝には屋台で50円くらいでお赤飯的なものが売られています。※数年前はない20円くらいでした。 ※ベトナムのもち米は本当に美味しいです。 イネの香りが強い長米が苦手な人でも問題なし。

ベトナム語では Xoiソイというらしいですが、お茶碗1.5杯くらいのおこわに緑豆の粉やフライドオニオンがかけてあったり、ポークの塩味でんぶが乗ってたりでかなり腹いっぱいになります。 ピーナッツや豆と蒸してあったり複数バージョンをMIXしてくれるお店もありカロリーがヤバイんです。

お赤飯を自炊

赤飯的なもの、ピーナッツや他の豆でつくった蒸しもち米はどれも美味しく餅米好きにはたまりません

自炊した餅米〜、うまいのなんの

ベトナムは米は日本より激安ですが日本で高いモチ米は更にお得感があります。
スーパーの小さい赤飯とか日本に帰って見るとあまりの高額さに引いてしまいます。。。

米の多様性と豊かさの違い

ベトナムはThailandと並んで米の輸出大国で国内の食も米が中心。でも米ばっかじゃ飽きるよね?って事で米粉から作る麺やライスペーパーを使う料理も多いのはPhoや生春巻きでご存知の日本人も多いと思いますが、餅米や黒米、日本のお米もあり様々な食べ方がされていて米食の本来の豊かさみたいなものを知ることができました。 これは移民がおおいEUやロシアのスーパーでも見る光景ですがEU圏ですとさらに麦や蕎麦などはもっと多く種類が売られていて胃袋何個あるの?くらいの種類、競争もあるようでかなり安っ買ったりします。

ベトナムに1度だけ訪れた大規模米不足

そんな米は売るほどある!!というベトナムですが他の食品もたくさんあり羨ましくなるほど豊かです。
餅米など穀物はもちろんですがよく話題になるコーヒーやカシューナッツ、ドリアンなど特産品やマンゴー、ライチー、グレープ、バナナ、オレンジ。。。そこからくる加工品捨てるほど取れちゃうわけです。
が、そんなベトナムで一度だけ100万人単位で飢饉で人が亡くなったことがあるんだよ、と現地の人に教えてもらいました。原因は太平洋戦争。1945年飢饉と呼ばれ北部中心に、なんと国の全人口の10%ほどが亡くなられたそうです。
日本が進駐して米を消費したり日本に送った事に加え、戦争そのものの被害で国が荒れたことで起きた悲劇だそうで。。。

政治的な見解を書く気は無いのですが一つだけ日本人が知っておくべきなのは、ベトナムの人は決して進んで口に出しませんが皆さんこれを学校で学んでいるということです。
ベトナムの人は多くは過去のダメな話、ネガティブな話を嫌います。楽しく生きよう、という気持ちがとにかく強いのですがだからといって何も知らず笑っているわけではない、ということをベトナム人と関わる日本人はぜひ知っておいてほしいと思います。

※ベトナムの人には見てほしくないのですが、こんな内容だそう。http://www.oshietegensan.com/war-history/war-history_e/3825/

日本について考えること 

日本の米売り場は至ってシンプル。 玄米・米・もち米のみで選択の幅は概ね価格グレードだけ。
日本は国土が山ばかりで食料貧困の時代がほとんどな上に戦中戦後世代の雑穀嫌いや政府主導の食料政策で画一的な米文化になったのだろう、と想像します。

餅米に関しては調べたら毎年20万トン弱輸入しているのでベトナム産を観察的に食べてるかもしれません。

https://www.komenet.jp › r02...PDF
も ち 米 を め ぐ る 状 況 - 米穀安定供給確保支援機構

日本の米はたしかにうまいですが単一の価値感で様々な色や形、食感や味などは無く一つの価値の中でのグレードになっています。
料理に合わせて米野種類そのものを帰るアイデアも出ようがありません。(現在はパエリアを作るのであれば長米を買うことも出来なくはないですが文化として根付いていないという意味で)
供給側の都合でそうなってるい感じが強く工業の時代の価値観、生産量が命題だった時代の正義でシステムが作られてたまま変化せずに来ています。

今では本格的な中華料理やインドカレーやパエリアなど別の品種と米が合う料理も一般的で更には五穀米、発芽gaba米のようなプレミアム米や野生米などより多様な栄養価構成を求めて高額な米を買う層も存在しますが、一般的な米売り場の多様性は極めて貧弱で海外のスーパーに来るとその豊かさに驚かされます。

所得水準の低いベトナムでもプレミアム米は売っています


共通しているのは新分野への投資の少なさ

これがすべてを語るわけではないですが…日本の人材への投資は以前と比べて質量ともに低いと感じます

こういったことは技術の世界でもあって自分の専門のソフト開発を例に取れば、日本では人気の言語PHPが他の国では(習得が楽で労働出役的なので)移民のする安い仕事だったりするのは10年前に海外の仕事で経験をしました。 
Pythonにしてもブームは15年くらい前で日本語のWeb記事になるときには世界的に移民とか安い仕事としてシフトが始まっていることが珍しくありません。 
日本はとにかく多様性や新しいチャレンジを嫌う傾向が顕著かと思います。

これは社会や経営者が投資より目先の収穫、利益を重視して同じ作物の収穫を繰り返して時間が立ってしまったからではないしょうか。 皆で同じことをするのですぐレッドオーシャンになり人件費を安くする発想でしか経営をしないので人も育たずイノベーションどころではない悪循環も。

日本人はねっからの農民マインドの人が多く作業者としては真面目に黙々と働くが優秀なマネージャー、経営者が少ないというのはよく見る分析ですがITの様に知的と思われている分野で目立つようになったのはそれだけ陳腐化して価値も低くなったのでしょう。

そんなわけで日本は20数年若い人への投資を怠って来ましたがベトナムなど成長国はその一点だけは集中して全力で行っているように見えます。教育システム諸々人的資産が厚くなるまでは時間がかかりそうですが多くの人が海外へ大学留学をしバイトをしながら学んでいる状況は30年前の中国とそっくりです。 30年後はかなり高い確率で日本はベトナムより人的資産では下になる可能性が高いと見ています。

葉っぱの話から少し真面目になってしまいましたが、ベトナムから学ぶところはたくさんあるのです。
とくに社会のことは広い時間的な視野がないと見えないのだと気付かされます。

正月モードのお寺



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