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戦々恐々?ベトナム日系オフショアがchatGPTで喜ばないわけ

表紙の画像はBingで作成してみました。パソコンを使うベトナム女子、でオーダー。すごく便利ですね。
余談ですがここまで露出はして無くても、フリフリのワンピースを着てくるベトナム女子、普通にいるので驚きます。人生は楽しく!ということででしょう。


界隈の雰囲気

ソフト開発界隈よりも他の職種、ITでもエンジニアが要らなくなるのでは?などと議論が盛んです。 日本ではライトコンテンツやWebなど非理系かつプログラマーでない人たちのほうが話題沸騰している感じもするchatGPTですが、ベトナムオフショアからはあまり反応がない気がします。

ベトナム開発者の雰囲気は?

もともと学校を出て作業者として従事する人が多く、マニア度や情報量が先進国と比較にならない上、基礎教育もあまり良くないため知的な会話にはなりにくい界隈ですが、ベトナムではまだopenaiが公式に使えない(VPNや海外のSMSが必要)なため日本の様な沸騰は有りません。(FBやTikTok全盛で普段からそれほどテックで沸騰はしないのですが)

プログラマー目線で感じること

非常に便利ですが、C++などネイティブでガリガリ書く場合にはエディター支援機能を発達させてほしいとか、codeが重たいんじゃ、という現実的な要望を先になんとかしてほしいというのが本音。

なんと言っても書き出しが楽

しかしWebなどフレームワークを使うことが殆どでコーディングがレスポンスなど「反応」でお決まりのことを書いたり自分でモジュールや構造を書かないケースかつフロントエンドもバックエンドも、など覚えることや要素が多い場合には非常に便利です。そうしたコードは定形処理ですが頭を切り替えて書き出し、という負荷(まさに静止摩擦係数的な。。。)が大きいため非常にはかどります。思い出す手間を省くところが最強。

実際に大きなものの開発では内部で作成した基盤の上に仕様を見て全体のバランスの中で書くわけですが、書く作業はこれらすべての中で時間的には小さい時代になっているのでchatGPTが仕事を奪うというよりは、同じ時間でより多く捗る、という感じです。

オフショア開発ではどうなのか

ベトナムの開発者は即席作業者であることが多いです。一般的な知識は狭く仕様の理解や取り込み速度は日本人平均と比べて極度に低いため、命令されて動く作業者であり「開発」をしていることは少ないのが現実。(とはいえフレームワーク、OSSが発達した現代の制作では開発はごく限られた部分になりますが)
そんな中では非常に大きな底上げになると考えます。

OOOをつくって。 というときにベトナムの開発では言葉と知識難の壁があるため

  1. 仕様書を追記

  2. 翻訳

  3. (読解力がひくいので)QAが読んでコーダーに説明

  4. 皆で一緒に読んでやらないといけない雰囲気を作る

  5. 作業に入ると基本的な質問が再登場

  6. 説明をやりなおす

  7. 実装

  8. 理解しておらず修正、バグも多い

  9. お客さんに見せる、苦情や苦笑いが出る

と言った流れをたどります
1〜6は実装能力が低すぎるため、仕事も苦手であり少しでも先送りしたい、ということもしばしば。
こうした全体の6割位を占めるマネジメントや遅延要因を削減しやすくなりそうです。

ただし仕様はchatGPTが理解するはずもないため、仕様から具体的な質問をBrSEやシニアエンジニアがchatGPTに聞いて、答えを転送する、みたいなマイクロマネジメントになりそうです。

chatGPTはわかっている人が質問をしないと正しい答えが出ない

上記の低位のエンジニア、なんちゃって開発者が大半になりがちなベトナムのケースではchatGPT担当シニアエンジニア、もしくはGPT担当QAという人を(下手をするとお客さんからお金をとって設定する)ことになる未来が現実となりそうな気がします。

なぜならchatGPTとやり取りするには、前提知識が必要だからです。

商売的な問題

工程の6/9で効果があるなら最高じゃないですか!とオフショア利用者の方は考えると思いますが、オフショア側の考えは正反対でしょう。

だって仕事が進んだら売上が落ちますから!(笑

これまではどうでもいいことに時間を使い、コーディング時間は1〜2割(ならかなり優秀)でも良い商売だったのが、そうもいかなくなります。
また大半のベトナムエンジニアは働き者では有りつつも、雇われてする仕事にバカバカしさを感じており「同じ報酬なら少しでも楽に」という意識があります。 これは人間という生物の避けがたい本能で、省エネを目指すのは当然です。要するに沢山仕事をする=頭を使う量が増える=辛い、ということになります。
※知的労働は労働負荷を「感じる」度合いが大きいと言われています。頭脳労働は一般に信じられているより辛い仕事なのです、脳にダイレクトに苦痛が出ますから。自分の利益に直接ならない場合はなおさらですね。

chatGPTベトナム特有のリスク

ほとんどの関係者がまず思いつくことかと思いますが、ベトナムでchatGPTを使う一番のリスクは作業者が更に責任を負わなくなることです。

ベトナムは国の雰囲気として非常に無責任。トラブルが起きた場合の基本ははOOOのせい、というものです。
また他力本願もすごく、課題はとにかく他の人に頼んだり押し付けようとする雰囲気が強いです。

こうしたことは最近の経済問題(地価高騰、住宅問題、コロナ後の観光低迷)を解決できないとなると「外国人にたのもう。。。」という形になります。元々道路も橋も工場も日本や韓国がせっせと作り人だけ狩りていた成長ですから無理もないんですが。

そんなわけで担当者様も管理者も
「chatGPTがこうしろと言うので」 という言い訳に遭遇する日は近いでしょう。

chatGPTのソース流失問題

ベトナムには知財の考え方がまだまだ浸透していないだけではなく法治主義も行き渡っていないため、街にはコピー品が溢れています。
またコードの著作権は企業ではなく作業者にあるため、これについて拘束は日本の企業には限界が自ずとあります。ベトナムに発注する場合はchatGPT云々の著作権という考えはそもそも的はずれであることがわかります。


衰退するか繁栄するか

ベトナムオフショアはここ数年でベトナム資本の企業も増えFPTのように日本に進出して日本人を多く雇い入れるまでに成長している企業すら出ていますが、本質には「美味しい仕事、日本人から搾り取れ」という側面はあるでしょう。日本の発注側の満足度は低く泣き寝入りをしつつ使っていた会社さんが増え、さらにベトナム側の単価が上がり円安になる中で今後シビアな判断も増えてくるのでは、と思います。

オフショアも以前のようにワイワイバイラル広告をする雰囲気が一気になくなっているのはベトナム人の国内犯罪激増もあいまって、モチベーションの低下を強く感じるところです。

ベトナム側には日本のような商習慣やモラルはなく、日本がダメならオーストラリアや韓国、という気分も高いためどうなるのか注視していきたいと思います。


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