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【本メンター #2】 システム思考を活用して問題を分解する技術

初めまして!株式会社LayerXのマーケティング部でナーチャリングとカンファレンスを担当しています山口真由(@myymgc_)です。

本日はLayerXの役員陣と弊社若手メンバー(新卒・第二新卒・インターン)で行う「本メンター」という企画の第2弾です!
第一弾はBizOpsチームのrockyさんとCEO福島さんでした。詳細については「こちらのnote」をご覧ください!

自己紹介

2001年生まれ、大阪出身。高校卒業後にタイミーやソウゾウなど数社でインターン経験後、2022年7月にLayerXマーケティングチームにインターンとして入社。

第二回の推薦図書

私が担当するのは代表取締役 CTOの松本さん推薦本「世界はシステムで動く」です!

松本さんがこの本を若手にオススメする理由

問題を冷静に分解する際に松本が武器にしているシステム思考を学べる本。ここから派生して学習する組織など様々な良書に考え方がつながっている。ボトルネックを見出すために使える知識。

私がこの本を選んだ理由

私の悩みとして、問題をその時点のものとして単体で受け止めてしまいがちなため、問題に対する解像度が低く上手く思考した結果の行動をできていないように感じるというものがありました。
根本的な原因と向き合うことが、仕事においても人生においても大事だなというのは理解していたため、物事を単体ではなく構造的に考えて改善していく方法を吸収したいと思い、この本を選びました。

また、松本さんが以前社内で共有されていた、「楽しいということ」についてのお話で、楽しい仕事を妨げる要素など、分解して考えるという発想は私にはなかったため、スッキリした感覚がありました。このような発想はどこから生まれるのだろうかと気になっていた背景もあり、松本さんの推薦図書を選択しました。

1on1の内容を公開します!

ここからは1on1でお話した内容をご紹介します。

システムと"Bet Technology"

私たちは「ひとつの原因がひとつの効果をきれいに生み出す」と考える傾向があるため、システムにびっくりしてしまいます。私たちはいっときにひとつ、多くてもふたつか3つのことだけを考えたがります。そして、限界については(特に自分自身の計画や要望が関係しているときには)、考えたがりません。

ドネラ・H・メドウズ.世界はシステムで動く -- いま起きていることの本質をつかむ考え方(P.162)

山口:発生した原因にどうしても集中してしまうので、驚くことも当然というか。そこは仕方がないのできちんと理解する必要があるんだなというところが印象的でした。色々思い返してみてもそうだったなと。

松本:これはBet Technology(LayerXの行動指針)にそのまま繋がってくるんですよ。型を作ろうとか仕組みを疑うとか。個人ではなく仕組みを疑って改善するみたいなのは、人を責めず仕組みを疑うみたいなページってありますけどあれはまさにシステムの話をしているんですよね。ミスが発生した時に、間違わないように頑張るとか、注意していない人が悪いとかじゃなくて、もうちょっと背景掘っていくと、ミスをしやすい構造があったりとか、そもそもなんかこの仕事の仕方してると明らかにミスが蓄積し続けるよねみたいな。そうやって仕組みを疑って、じゃあそれを変える方法を考えようという。そうでないと物事が改善しないね、みたいな。

山口:この本はそういう点にも紐づいてくるんですね。

松本:自分にとって考え方のフレームワークになっちゃってますね。システム思考なしに僕の仕事論とかはあまりないですね。

山口:この点を理解していれば、個人的な悩みとか仕事上のどうして行こうかという迷いが生じた時に、まずはシステムに着目するというか、そういった根本的な部分にまずは戻って来れるようになるなと思っていて。

松本:そうですね、ここからさらに発展していろんな考え方に繋がってきますしね。たとえば、結局仕組みで改善しないと習慣化頑張るって絶対できないから、みたいな。筋トレをするとしても、一回サボるとダメだからサボらない仕組みを作る方にエネルギーを活用するということ。

システムを活用して集中する

限定合理性とは、「人は自分の持っている情報に基づいてきわめて合理的な意思決定を行う」ということです。ただし、人は完璧な情報を持っているわけではありません。特に、システムの中でもより遠くにある部分についての情報は完全なものではありません。

ドネラ・H・メドウズ.世界はシステムで動く -- いま起きていることの本質をつかむ考え方(P.172)

山口:限定合理性という前提があるということを理解しておくことで自分の行動って変わってきそうだなとも思いました。業務を行う上でも私のチームとかだと人数が少なく、情報がすごく狭くなってしまうなと思っていて。人にはこういった側面もあるというところを理解しておくのは大事なのかなと思いました。

松本:仕組みで突破したり、集中すべきするところを見つけるって言う意味でもこの本はすごく大切だと思っていて。レバレッジポイントみたいなのがあったと思うんですけど、あれがすごく重要。戦略を考えるときに「集中すべき三つのこと」みたいな言い方を僕とか福島さんとかすると思うんですけど。あれって本当に今集中して改善したら全体が良くなるみたいなポイントが必ずどこかにあって。これがボトルネックだからこれを改善したら伸びるよねみたいな。ここに集中すれば、全部はできないけど前には絶対進んでるみたいなポイントをシステム的に整理して洗い出して。あとは、もうこれしかできないんだからあとは諦めようみたいな。そう言う諦めを作ると自分のエネルギーを無駄にせず、全部使えるんで。何でもかんでもやると、頭の中がぐちゃぐちゃになってしまう。

山口:そこを正しく理解するというか、把握した上で判断するというのが大事なんですかね?

松本:そうですね。頭の中に整理して、こういうシステムの中で重要なことはまずここのパーツを、このシステムを改善することだから、とすれば、じゃあ今他のことはもう忘れちゃおうみたいな。とすると、自分の時間を100%重要なことに使えるようになるんで。インタラクションがあって、こういう構造になってるから絶対ここのボトルネックを改善しないとうまくいかないよね、みたいのを見つけるのにこの考え方を使うのがおすすめです。

山口:表面上のこととか、大きなテーマだけを悩みとして抱えてしまいがちだったので、構造化して考えることで結局どこに問題があるんだっけ、そして、それをどうやってシステムで解決できるんだろうというところを考えるのは、仕事においても人生においてもすごく役立ちそうだなと思って。そこを得られたのは本当に良かったなと思いました。

松本:一回システム的に考えられるようになると人に伝えられるようになるんで。悩みっていっても悩みはこういう感じですと伝えられるだけでマネージャーってめっちゃサポートしてくれる。何に悩んでるかわからないと、マネージャーってサポートできないじゃないですか。

山口:そうですよね。私もそういう点があったなって思っていて。上手く伝えられないというか。そこの組み立て方とかも、自分で深く考えられるようになるんだなというところがありました。人とのコミュニケーションにおいても役立てられる思考方法だなとすごく思いました。

松本:役立ってそうで良かったです!

システムに必要不可欠な休息

私たちが犯す大きな過ちのひとつは、こういった「非常時」対応メカニズムを、「ほとんど使われていないし、コストがかかっているようだから」と削り落としてしまうことです。そうしても、短期的にはその影響は何も見えませんが、長期的にはシステムが生き残れる条件の幅を大きく狭めることになります。絶滅危惧種の生育地に侵入することは、私たちがこのことをこの上なく痛ましいやり方で行う一例です。もうひとつの例は、自分自身の休息やレクリエーション、人とのつきあい、瞑想のための時間を奪ってしまうことです。

ドネラ・H・メドウズ.世界はシステムで動く -- いま起きていることの本質をつかむ考え方(P.248)

山口:LayerXでも意識しているのかなと思ったところが、個人だったり家族の時間とか休息を大事にしようみたいなメッセージが社内でよく発信されているなと思っていて。長期的に生き残るために必要なものとして、自身の休息だったりご家族との時間を優先するっていうところを徹底しているのかなというふうにも少し感じました。その辺りも紐づいていたりするんですかね?

松本:そうですね、緊急事態ってある程度余力がないと対応できないですし。あとは新しいことに気づくにもエネルギーが必要です。楽しむために余裕が必要だと思うんですよね。家族のことが心配だとか、ずっと疲れた状態でやってるとかやると、余裕がなくなってきて余裕がなくなると、それによって余計なことができなくなるというか。短期思考になっていって、視野が狭くなっていって、その狭い視野の中でやってるとどんどん会社全体が短期的になっていっちゃうので、長期でみんなが楽しく憂いなく働けるようにするっていうのが大事。なのでそうやって休息とか家族と休みをとって時間を取るみたいなのをあれだけ発信していて。

山口:ですよね。そういうアドバイスが社内ですごく広まっているっていうのは本当にすごい良い文化だなと思っていたので、そういったところも私たちのパフォーマンスとかにつながっているんだなというのは改めて読んでいて思いました。

松本:余裕がある方が新しいことも学べますしね。読書なりなんなりで新しいことを知るためにも余力を持っていった方が良いし。あとは今僕らがやってることが正解だとは限らないっていうのがもう一個大事な視点であって。間違ったこと、短期的には正しいかもしれないけど長期的に間違ってることにずっと頭をつかっちゃうケースがあって。長期で正しいことをやる必要があるんだけど、そのためには長期で考えられる余力が必要。そこをまずちゃんと用意してあげるっていうのが。

山口:正しくシステムについて把握してないと、気配りができないというか、目の前のことに一生懸命になってしまいがちなのかなとも思いました。そこを理解された上でそのようなメッセージが社内に浸透されているんだというところに気付けたっていうのがありましたね。

松本:どうしても、目の前の大事そうなことに一生懸命取り組んでしまうので。それを避ける意味でも長期的な思考を作る土壌を作るっていうのが、大事だと思います。

システムを構成する言葉

私たちの情報の流れは、主に言葉で構成されています。私たちのメンタル・モデルはほとんどが言葉によるものです。情報を「大事にする」ということは、何よりも、「言葉の汚染を避けること」です。つまり、可能な限り正しく言葉を使うことです。そして、複雑性について語れるように、「言葉を広げること」です。

ドネラ・H・メドウズ.世界はシステムで動く -- いま起きていることの本質をつかむ考え方(P.281)

山口:週次定例など、私たちにとってもわかりやすく馴染みのある言葉を使ってご説明をいただけているからこそ、スッと情報が伝わってきているような感覚がありました。どんなに急いでいたり、緊急事態だったとしても、言葉って改めて大事なんだなと思いました。

松本:言葉を考える時に一個だけ注意なのが、わかりやすいワードにしたときに、わかりやすい解釈をみんなバラバラにしちゃうみたいなことが。Be Animalってとりあえず乱雑でもいいから前に進めばいいんでしょみたいなことをやりすぎると、「文化の濫用」みたいなことが起きるんですよね。簡便な言葉表現するんだけど、その背景説明は丁寧にする。わかりやすい言葉だけど意味合いはすごく丁寧に伝えるみたいなのが。僕とか福島さんとか、キーワードをもとに、それに関して週次定例で長々話をするみたいなのはそういう意図があります。

山口:その背景説明があるからこそ齟齬が生じない。正しく言葉を使うというのはそういうことなのかなとも思いましたね。

松本:丁寧に説明することでみんなが同じ言葉で喋れるようになるというか。そういうのも含めて本当にいろんなところにこの本のエッセンスを使っていたっていう。

システム思考で整理する

山口:LayerXってすごく綺麗に整っている、というか、全てが正しい構造になっている、というような感覚自体は元々あって。組織として上手く機能している理由についての解像度自体がすごく上がりました。どうしてLayerXが上手く機能する組織なのかは、この本に紐づいているなって思いましたね。受け取り手として受け取り続けるだけじゃなくて、自分が関わっているチームだったり、個人的な悩みにも、こういった思考っていうのはすごく活かせるなって思いました。このタイミングでこの本に出会えたのはすごくありがたいです。

松本:自分の人生で悩んでもこれで整理してみると、意外とこれはもう捨てていいじゃんとか気付けたり。何を突き詰めたら良いかとか、自分のキャリア方向性考えるにも役立つので。実はこれを突き詰めたところで自分のやりたいことには辿り着けない、みたいなことに気付けたりします。

山口:そうですね。その点においてとても学びになりました。本当にこの本を選んだのはすごく良かったなと思っています!

松本:良かったです!完全に狙い通りな感想で嬉しいです。

最後に

私はこの本を通して、構造的に物事を捉えるのが苦手、解像度の上げ方が下手という悩みが、自分の弱みというよりも正しく認識して行動すれば改善するんだとポジティブな考え方に切り替わりました。

松本さんも「この本を読むようになってから物事の整理方法が進化した。自分にとってめちゃくちゃ大きな影響を与えた本だったのでいろんな人におすすめしてるんですよね。」とおっしゃっていたのでご興味をお持ちの方は是非一度読んでみてください!

本記事の執筆に伴って、お忙しい中お時間をいただいた松本さんには感謝申し上げます。

このような若手にとって貴重な経験をさせていただけるのはLayerXならではの良さだと思います。ぜひ、この企画を通してもしLayerXに興味を持ってくださった方がいればOpenDoorよりご連絡ください🙌

次回はLayerX取締役の手嶋さんとインターンから新卒で入社された羽倉さんの記事です。次回もお楽しみに!

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