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鉱物最強決定戦①

僕は不思議と、強い鉱物に惹かれる傾向にある。

強い、という表現を鉱物を語るうえで一番初めにもってくることはあまりないことかもしれない。
それでも僕の中でこの『強い』という要素は非常に重要なポイントのひとつである。

ただ一口に強いといってもとらえ方によって意味は複数定義できる。
例えばとある要素の強弱を比べた時、これはその上位に位置する的な強さ。

あまりにも自分の日本語力がなく伝えづらいが、例えるなら
「もうこのアイドル最強すぎる♡」
という『最も強い』表現を用いたこちらの文章。

この表現における最強は、当然のことながらそのアイドルの霊長類最強的戦闘力の高さを指しているわけではない。

好きピ指数が高いとか、可愛さが群を抜いているとか、まぁおおよそそういった意味合いで使用される『強い』である。

このような意味合いではなく、僕が惹かれる強いとはどういうことか。
それは物理的化学的安定性の高さを指す。
いわゆる比喩的表現ではなく、ただただ強い鉱物が好きなのだ。

最強の鉱物

どの鉱物が最強であるか、例えば前述した好きピ指数の高さで比べるのなら当然人によって答えは変わってくる。

アクアマリンが最強である人もいれば水晶こそ最強という人もいるだろう。

ただここでいうところの最強はもっと人の主観が介在しにくい物理的化学的強さを指標にしていきたい。

モース硬度

では物理的化学的強さを決定するとき何を指標とするか、もっとも知名度が高いのはモース硬度であると思う。

モース硬度
主に鉱物に対する硬さの尺度の1つ。硬さの尺度として1から10までの整数値を考え、それぞれに対応する標準鉱物を設定する。ここでいう硬さの基準は「あるものでひっかいたときの傷のつきにくさ」である。

ひっかいたときの傷つきにくさ。
モース硬度のなかで鉱物最強を決めるならやはりダイヤモンドの右にでるものはいない。

加えていうなら、モース硬度におけるダイヤモンドの最強具合は群を抜いている。

先ほどのモース硬度の説明の中に1から10までの整数値で標準鉱物を設定するとあったが、たとえばモース硬度7の標準鉱物は水晶である。

そしてダイヤモンドはもっとも高いモース硬度10、次いでモース硬度9のコランダム(ルビー、サファイア)が位置する。

このダイヤモンドとコランダム、一見すると数字が1違うだけに見えるが、この1には圧倒的な差があることをご存じだろうか。

その差がどれほどかというと『モース硬度1のタルク(黒板に使うチョーク)とモース硬度9のコランダムを比べた時の差』よりも、『モース硬度9のコランダムとモース硬度10のダイヤモンドを比べた時の差』のほうが大きいのだ。

この事実を知った時、ダイヤモンドよりルビサファ推しの僕は少し悲しくなった。

「定義上、1の違いに収まっているが、そこには絶対的な壁がある。」

ダイヤモンドはきっとこんなセリフをいっていることだろう。

さて、そんなイキったセリフを吐くダイヤモンドですが(ダイヤモンド好きな人ごめんなさいこれは僕の中の歪んだ主観による幻聴です)最強の硬度を誇る彼にも弱点がある。

15年以上前、トリビアの泉という番組がお茶の間をにぎわせていたこと皆様ご存じだろうか。

トリビアの泉とは「生きていくうえで何の役にも立たない無駄知識、だけどつい人に教えたくなるトリビア(雑学知識)」を紹介する番組。

今思えばへぇボタンという斬新なギミックと、脳みそをかたどった金色のメロンパン入れ(知らない人は意味が分からないと思うが本当にそういうオブジェがあった)など一世を風靡した番組なのも頷けるおもしろ要素がたくさんあったが、それはまた別の話として。

そんなトリビアの泉である日こんなトリビアが紹介された。

『ダイヤモンドをトンカチで叩くと割れる』

この事実に番組内では出演者たちがそろって驚いていた。
ちなみにこのトリビアは75へぇだった。


世界で一番硬いと称されるダイヤモンド。
特に鉱物好きでもない人が世界で一番硬いときけば傷つかないし割れないと思ってしまうのはごく普通の思考であると思う。

僕も小学校低学年の頃、親に
「ダイヤモンドの上に地球と同じくらいの隕石が落ちてきたらどうなる?さすがに割れちゃうかな?」
なんて実に小学生らしい荒唐無稽な質問をしていた。

そんな勘違いからあらゆる面において硬いと思われているダイヤモンド。

しかし彼が最強なのはあくまでもモース硬度の話。

次は鉱物の割れにくさ、靭性についてお話ししていきたい。



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